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Apple Watchが代表する”スマートウォッチ”の世界を変える7つの機能とは

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スマートウォッチには多くの人々を興奮させるような機能があるはずなのだが、なぜかまだこのジャンルの製品はそれほど爆発的に流行っていない。一般の消費者はまだこのスマートウォッチというものをなぜ買わなければならないかよくわかっていないのが原因ではないだろうか(私を含め)。

以下は中国のメディア腾讯数码がまとめた、スマートウォッチのハードウェアやソフトウェアメーカーが現在開発している7つの機能や技術だ。これらは今後近いうちにApple Watch、Moto 360、LG G Watch R、ASUS Zen Watch等のデバイスで実現できるといわれている。

1. 家電のコントロール

現在でも、自宅にNestの温度調整器をつけていれば、PebbleまたはAndroid Wearによって遠隔で家庭用の温水器をコントロールすることができる。また、スマートウォッチを使って自動車のエンジンを起動することもできる。

スマート家電はスマートウォッチと同様大きな潜在需要を秘めたジャンルだが、こちらもまだ十分に市場が開拓されているとは言い難い。テクノロジー企業はスマートウォッチ向けの、スマート家電をコントロールするためのキラーアプリを開発することに躍起になっている。最終的には、スマートウォッチを使って電子レンジや照明器具をコントロールしたり、セキュリティ用監視カメラや室内温度を調整する機械や音楽デバイスなどに接続することができるようになるはずだ。

今のところ比較的反響が大きいのは、Googleが買収したNestがリリースした”Works with Nest”シリーズだ。このシリーズではNestコマンドによって同類のデバイスを操作できるというものだ。このシリーズの意義は、他のスマートデバイスも参加可能な”基準”を作ったことにある。

SAMSUNGやSONY等のメーカーは、今年新型のAndroidウェアラブルデバイスをリリースする予定だ。今年か来年には、テレビがAndroid Wearデバイスで操作できるようになるはずだ。

またNestはGoogleの傘下にある会社だが、それはApple Watchを拒絶するということではないことにも注目だ。現在はiOS上にもNest対応アプリが現れ始めており、Apple自身のHomeKitと併せてスマート家電は”飛躍”の時を迎えようとしている

2. 健康状態をモニタリングし、人の寿命を伸ばし命を救う

スマートウォッチやウェアラブルデバイスが果たして大衆が消費する製品となるかどうか?まだ市場にはそれを疑う声が多い。しかしもし法律や医学での実践が許されれば、医療分野での大規模な応用が可能となろう。この医療分野においての初期の応用としては糖尿病患者の血糖値のモニタリングとなるとみられている。

Googleは既にウェアラブルデバイスとしてGoogle Glass(グーグル・グラス)をリリースしており、このデバイスでは既に血糖値のモニターが可能だ。SAMSUNGも、将来的にスマートウォッチのGearシリーズにこの機能をもたせるとしている。現在リリースされているGear Sでは、既に心拍のモニタリングと、紫外線や気圧のモニタリングが可能となっている。

2002年にリリースされたCygnus GlucoWatchというデバイスでは、皮膚を通じて、10分毎に血糖値を測定できた。しかしこのデバイスは不完全で、標準の指圧モニタリングデバイスに比べて、測定が10分に1度という感覚で、しかも精度も高くなかったという。

DexComは既にApple Watch用のアプリを用意しており、これによってDexComの皮膚を介してデータを取得できるマイクロセンサーからのデータを受け取れるようになっているという。

スマートウォッチのメーカーとアプリのデベロッパは様々な方法で健康状態をモニタリングしようとするはずだ。しかしデバイスが基本的なスポーツモニタリングの領域を超えだすと、行政の制限を受けるかもしれないというのが難点だ。

3. 腕がディスプレイ・モニターに?

ウェアラブルデバイスは既にテクノロジー界での重要なメンバーになりつつあり、いくつかのブランドは自分たちのデバイスに独自性を持たせるようになってきている。その中でもまだ未発売だが初めてのプロジェクター機能を備えた腕時計、プロジェクションウォッチ”Ritot”はかなりスペシャルな逸品だ。

Appleからこれまで公表された写真からみれば、Apple Watchは「懐中電灯」の機能も備えるとみられているが、実はこれが”プロジェクター”機能の第一歩だったりする。Ritotはユーザの手の甲を腕時計のディスプレイに変えてしまうものだ。デモ動画の中を見る限り、このデバイスは主に時間を表示するようになっているようだが、このRitotのデベロッパは既にこのデバイスにフィットネスモニター機能を追加することを計画しており、心拍などの身体活動情報をモニターできるようにするという。例えば、「もうちょっと早く走りましょう。もしあなたがこのリズムに追いつけなければ、あなたは太るでしょう」と表示させるような。また通知やSNSの情報もディスプレイ上に表示できる、ということは、ユーザはいつでもどこでも自分の全てのデジタルライフを腕の上に”投影”できるようになるということだ。

Ritotはいわゆるクラウドソーシングプロジェクトで、Indiegogoでの投資募集ページでは初期の投資目標金額は5万米ドルだったが、昨年9月にはなんと140万米ドルも集めてしまった。現在は160万米ドル集まっている。このデバイスはスマートウォッチの未来なのか、それとも単なる道標に過ぎないものになるのか?

Ritotによれば、彼らはこのデバイスで20種類のプロジェクションの色を使えるようにし、皮膚などに対する絶対な安全を保証するという。

4. モバイルペイメントをどこでもできるように

モバイルペイメントの革命がとうとうやってきたかもしれない?

確かにこれについては私達は長く待ち望んできたものだ。2010年、NFCテクノロジーが初めて携帯電話・スマートフォンに搭載され、そして同じくNFCを搭載したスマートウォッチのSAMSUNG Galaxy Gear Sも未来を代表するデバイスとされたこともあったが、それでもまだ我々は現実としてモバイルペイメントの革命を目にしていない。

もしかしたら、全てはApple WatchとApple Payによって変わるかもしれない。これらを使うことで、iPhoneやApple Watchがクレジットカードやデビットカードの代わりになるからだ。

スマートウォッチは、スマートフォンと比べても”腕の上に常に身につけている”という点でモバイルペイメントの道具としてロジックにかなうものだ。現在、Apple Payは既に米国でリリースされ使用が始まっている。今年は英国にも進出する予定だ。更に、GoogleウォレットとCurrentCシステムもモバイルペイメントの大戦に参戦する。

5. 交通カードがいらなくなる

NFCを搭載したスマートウォッチのもう1つの潜在的な機能は、実は既にスマートフォン上で実現済み。英国ロンドンではEE Cashアプリによって、電車はスマートフォンで乗車可能だからだ。

また英国では更にモバイルペイメントの基礎も既にできていて、駅の中にあるOysterリーダーなど、非接触銀行カードでワイヤレスペイメント革命を推し進めている。

スマートウォッチはモバイルペイメントを”昇華”させるだろう。例えばラッシュ時の改札で、交通カードやスマートフォンをポケットから取り出す必要がなく、ピッと腕時計で払えるようになったら革命だ(既に香港やその隣の中国広東省深圳などではオクトパスカード(八達通)・深圳通の腕時計タイプも限定販売されたことはあるが、機能的にはそれ以外は時計の機能しかないという点ではほんとうの意味のスマートウォッチではない)。

6. 毎日充電する必要のないカラーディスプレイ

現在幅広く使われているスマートフォンの多くのユーザはスマートウォッチの潜在顧客なのだが、スマートウォッチを購入する際の大きな障壁となっているのが、従来販売されているスマートウォッチのバッテリー持続時間が短すぎ、スマートフォンよりも短いものさえ存在するということだ。

Pebbleのバッテリーは1週間持つが、もしカラー表示可能なディスプレイを搭載したスマートウォッチが欲しいなら、現存するデバイスは毎日必ず充電しなければならない

しかし、日本のシャープがこの問題の解決方法を見つけたようだ。昨年2014年11月、同社は全く新しいスマートウォッチのディスプレイ技術を発表した。このディスプレイ技術は現在のカラーLCDディスプレイと比べ消費電力を1000分の1に落とすことができるという。ただ、シャープのこの新型ディスプレイは8色しか表示できない。LG G Watch Rは数百万種類の色を表示できるにも関わらずだ。ただ、シャープの新型ディスプレイはPebbleよりは表示色が多い。

シャープはこのディスプレイ技術を次世代のPebbleに採用する可能性がある。事実、シャープは既にPebble SteelでE-Ink(デジタルインク)ディスプレイを実現している。

また、クアルコム(Qualcomm)のToqも既に低消費電力のカラーディスプレイMirasolをリリースしている。

シャープの新型LCD技術は大幅にバッテリー持続時間を伸ばすだけではなく、同時にバッテリー寿命も長持ちさせることができるという。シャープは特にヨーロッパでの凋落ぶりはひどいものがあるが、実は同社が開発したLTPSテクノロジーはAppleのiPhone6用のディスプレイに用いられている。

7. あなたが気にしている相手に、あなたがその人を思っていることを伝える

Apple Watchの機能の1つが、他のApple Watchに対して小さい”震動(バイブレーション)”を送ることができるというものだ。それによって、近くの人、そして最も親しい人に、あなたがその人たちのことを気にかけていることを伝えることができる。あなたは自身の心臓の鼓動までも相手に送ることができ、その機能によってあなたがまだ自分が”生きている”ということを伝えることもできるし、”高鳴る鼓動”を伝えることもできる。救出や医療現場などでは、生存確認にも使えるかもしれない。
もっと面白いのは、ユーザは更に違うApple Watchユーザにスケッチや落書きを送ることができるということだ。

Android Wearではまだこのようなインタラクティブな面白い機能が実現できていない。しかしApple Watchによってこの機能が世界中で流行すれば、プラットフォームを超えたスマートウォッチアプリが開発され、更に面白くクリエイティブなアイデアが出てくるかもしれない。

画蛇添足

正直スマートウォッチ、特にApple Watchの機能どころか存在価値に懐疑的だった私だが、上記の記事に触れたらとりあえず1つは欲しくなってきた。

ひとまず、Apple Watchの4月の登場を楽しみにしている。

記事は以上。

(出典元:腾讯数码tech.qq.com

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