Apple(アップル)のロゴは38年使用され、今でも十分スタンダードだ。しかしAppleの一番最初のログは、一口かじられたあのAppleのロゴではなかったことは知っているだろうか?中国のメディアiPhone中文網にまとめた記事が出ていたので紹介したい。
Appleの最初のロゴはロン・ウェイン(Ron Wayne)によってデザインされた。彼はAppleの共同創業者の一人だ。ウェインはAppleのロゴを看板のようなデザインとした。上記の絵柄はニュートンがりんごの木の下読書と瞑想にふけっているところだ。縁の部分には英国の詩人ウイリアム・ウォズワースの詩が刻まれており、上下にはAppleの社名の入ったリボンのようなものが添えられている。
ウェインのデザインには多くの意味が込められているが、このロゴはあまりに複雑で、覚えられにくいという欠点があったが、完ぺきを求めるジョブズでもこのロゴの使用を1年ほど続けた。
1977年、ジョブズはとうとう新しいロゴをデザインすることを決心し、Appleと同じカリフォルニア州にある広告会社マッケナに依頼した。マッケナのデザインのトップ、ロブ・ジャノフ(Rob Janoff)の経験は豊富で、これまで多くのテック企業の製品をデザインしていた。ジョブズは彼にAppleの新しいロゴを一任した。
ロブ・ジャノフはとあるアイデアを出したところジョブズはすぐに気に入り、その後ジャノフはそれを具合的にロゴへと進化させた。ジャの負の仕事は速く、彼は1つのりんごそのものの図案を出した。しかしジョブズはそれに対して満足しなかった。ジョブズはそこに欠けたところを追加して欲しいとし、そうすればもっとロゴがりんごっぽくなり、またさくらんぼと勘違いされなくなるからと理由づけた。
ジャノフはジョブズの以降の通りにロゴを調整し、そして現在の「一口かじられたりんご」のデザインが完成した。その後の仕上げの際、ジャノフは表面に影をつけ、外部の曲線の形状を調整した。そして最終的にロゴデザインが完成し、それが現在でも使われているというわけだ。
ジャノフがデザインしたAppleのロゴには、虹色の模様が入っていた。彼は虹色を追加した理由は3つあるといい、ひとつはヒューマニズムに基づくデザインでとても友好的に見えること、そしてもう1つははApple IIがカラーを表示できる特徴を示すことができること、そして最後がこれによって学生を惹きつけることができること、だった。そしてこれらはジョブズの要求でもあった。
Appleの虹のロゴは21年もの長い間使用され、Macintosh、PowerBook、Newton等の多くのデバイスに使用された。Appleに復帰したジョブズによって1998年のiMacが発表された時、初めてそのロゴが半透明のスカイブルーのロゴに切り替えられた。
しかしこの水色のロゴの寿命は長くなかった。同じ年に、Appleのロゴは真っ黒なロゴに切り替えられ、そして3年間使用された。
2001年、Appleは時代を変えたiPodを発表し、その時にロゴは立体感のあるロゴに切り替えられた。
その6年後、Appleはまた時代を変えたiPhoneを発表した。その時に上記のロゴは破棄され、クロムメッキを施されたようなロゴに変化した。これはiPhoneの金属シャーシに合わせたものと考えられている。これ以外に、ロゴ上の光の当て方にも変更が加えられた。
2013年、ジョブズの死後にAppleのデザインは大きな変革を迎える。デザインのトップ、ジョニー・アイブ(Jony Ive)による大胆な革新により、従来のiOSシステムで使用されていた影や立体感・現実感を追求したスキューモーフィズムが一気に否定され、フラットデザインが導入されたのだ。このデザインの調整によって、Appleの会社のロゴ自身も調整を加えられ、立体要素が取り除かれ、フラットデザインとなった。
つまり、Appleはジョブズの復帰後、重大な製品が発表されるたびにロゴを切り替えてきたことになる。1998年のiMac、2001年のiPod、そして2007年のiPhone。2013年のiOS7もこの流れに合わせたものと考えられる。しかしすごいのは、Appleのロゴの輪郭だけはどれだけ時代を経ても変わらないということだ。
38年前、会社のロゴデザインを切り替えたいと考えたジョブズが、新しいロゴに込めた精神的なもの、そして誰にでもひと目で忘れられないあのデザイン。38年後の今でも、「一口かじられたりんご」のロゴは、簡潔、優雅、プロフェッショナル、イノベーションの象徴となり、地球上で殆どこのロゴが何を意味するのかを知らない人がいないのではないかと思われるほどだ。
現在、恐らくどの会社のロゴもここまでの高いレベルでその存在意義を保っているものはないと思われる。これは最初にこのロゴをデザインしたロブ・ジャノフも想像できなかったかもしれない。
記事は以上。