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元祖スマホはこんなだった!2種類の世界初のスマートフォンとは

スマートフォンはここ数年で凄まじい勢いで成長している。
実はこのスマートフォン(Smartphone)という名称は90年代になって初めて現れた言葉だ。
そして当時の製品は機能上にも非常に限られ、とても原始的なデバイスだったとはいえ、これらのデバイスが現在のスマートフォンのために道を切り開いたといえよう。

ところでスマートフォンの元祖はどんなものだったか知りたくないかい?
Phonearenaに世界で初めてのスマートフォンの記事がまとめられていたので紹介しよう。

そもそも世界で初めての”スマートフォン”という概念はどこから来たの?

スマートフォンとは文字通りスマートなフォン(電話)なわけで、電話の機能を電話以外にも拡張するというアイデアは実は古くからあった。

この80年代のコンセプトモデルの”電話”のアイデアでは、据え付け型の電話を使用するときに、その電話がユーザのいわば”デジタル助手”になるというものだった。このデバイスはその時代に存在を求められていなかったもので、タッチパネルディスプレイを備えており、連絡先情報を管理したり、小切手にサインしたりすることができるとされた。この所謂”スマートフォン”はドイツの会社のFrog Designがデザインしたもので、彼らの顧客は当時からその名を大きく轟かせていたApple(アップル)だった。
なお、Frog Designの創業者は初期のAppleのMac(当時はMacintosh)のデザインに大きく貢献し、最近のAppleのデザインを批判しているハルトムット・エスリンガーだ。

上記のコンセプトモデルはついぞAppleから商業的に製造され世に出ることはなかったが、このモデルは我々に向かって30年間展示され、人々は既に電話とPDAを統一させることの意義を見出しているのはこのモデルの貢献が大きいかもしれない。

このコンセプトモデルから9年後、上記の”電話とPDAを統一した携帯電話”が本当の意味で世に出たのだが、それはAppleからではなかった。

1. IBM Simon

IBM Simonoは多くの人に”世界で初めてのスマートフォン”と認識されている。つまりこれが”元祖スマホ”というわけだ。
このデバイスの原形は1992年に開発が成功したのだが、その2年後にもなって初めてキャリアのBellSouth Cellularによって、米国で正式にリリースされた。このスマートフォンの価格はなんと1,099米ドル(約10万円)もした。

簡単に説明すると、IBM SimonはPDA機能が付帯した携帯電話だった。ビジネスユーザはこれにかなり興味を持った。Simonはカレンダー、世界時計、予約一覧等の実用ツールを備えており、更に電子メールを送ることもできた。また更に9,600bpsのモデム機能でFAXを送ることもできたし、メモリカードや内蔵メモリ(1MBしかなかったが)にサードパーティ製のアプリを入れることもできた。

Simonは大型の白黒バックライト付タッチパネルを搭載しており、解像度は293×160だった。付属のタッチペンで、ユーザーは画面上に絵を描いたり文字入力をすることもできた。
この世界初のスマートフォン「Simon」は5万台が売れ、1995年2月に生産停止された。

2. エリクソン(Ericsson) E380

IBM Simonは技術上の観点から世界初の商業的に販売された”スマートフォン”とも呼べるモバイルデバイスだったが、実際に世界で初めて”スマートフォン”という名称を使って売り出されたのはこのエリクソンのR380だ。そういう意味ではこちらも”元祖スマホ”といえないだろうか。
この携帯は2000年にリリースされ、販売価格は700米ドル(約70,000円)だった。そして初めてのSymbian OSを搭載したデバイスでもあった。

当時の他のスマートフォンと違ったところは、エリクソンR380の外形と重量が普通の携帯電話と殆ど変わらず、重量は164gしかなかったことだ。同時期のNokia 9210 Communicatorの重量は244gだったので、それに比べればかなり軽量だったといえる。R380のデザインは非常に面白く、折りたたみのハードウェアキーボードを開くと、そこにはかなり大きめのタッチパネルがあった。

機能的には、エリクソンR380はデフォルトで多くの情報管理ツールを揃えていた。カレンダー、ToDo、世界時計、音声メモや連絡先管理等。また外部とのデータのやりとりのための赤外線コネクタや、中にモデムを内蔵していてWAPブラウザでインターネットのウェブサイトを閲覧したり、メールを送受信することができた。

今や殆どiPhoneぽい外見の物ばかり。。Appleのイノベーションはやはりすごかった

2007年のAppleによる初代iPhoneのリリースで、すっかりスマートフォンは殆どがみな同じような外観になってしまったが、昔はハードウェアキーボード付きで各社色々と工夫をしていたものだった。
また、上記のエリクソンE380が初めて搭載したSymbian OSや、Windows Mobile等のモバイルフォン向けのOSがあまり使い勝手が良くなかったこともあり、スマートフォンを使っているのはかなり物好きでギークな印象だったのを覚えている(私もWindows Mobile機を使っていた)。そんなわけでスマートフォンがバカ売れするような事態はAppleのiPhoneを待つしかなかった。

そんなiPhoneの影響で、今やスマホのオペレーティングシステムはほぼiOSやAndroidに取って代わられてしまった。内部のソフトウェアもiPhoneで劇的な進化を遂げたことがわかる。
Appleはとてつもないイノベーションでスマートフォン、というより電話そのものを変えてしまったといわざるを得ないだろう。

というわけで、スマートフォンの祖先を2つ紹介したがいかがだっただろうか?
祖先がなければ今我々が使っているスマートフォンは存在しなかった。それらをリリースしたIBMやエリクソンの勇気ある行動に拍手を送りたい。

記事は以上。

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