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2月9日発売のAppleのHomePodでできること、音質などの気になる質問と答えのまとめ

AppleはHomePod(ホームポッド)を昨年6月のWWDC 2017で発表していました。HomePodとは、Wi-Fiを搭載したスマートスピーカーで、Amazon EchoやGoogle Homeと競合する製品ですが、販売価格は正にApple製品らしくこれらに比べて格段に高くなっています。

現在市場に出回っているスマートスピーカーと同様、HomePodはオンラインボイスヘルパーが常に起動していて、HomePodそのものやその他接続された端末のコントロールが可能になるという機能を持っていますが、Apple自身はこのHomePodが他社のものとは違うと主張しています。

Appleのティム・クックCEOは、「私たちはこの市場に何か要素が欠けていると思っています。そのうちの1つが高音質の音響体験、、そう、非常にリアルな音響体験です」と語っています。このAppleのトップの発言からも、HomePodは音質がよいことが他の製品と差別化される要素の1つであるといえそうですが、それ以外にも、内部に配置された室内センサーや、Apple Musicストリーミング配信サービスとの完璧な融合も差別化要素であるといえましょう。

しかしHomePodは発表されてからずいぶんと長い時間が経っているため、HomePodっていったい何?という方も多いと思います。というわけで、皆さんが抱いていると思われる問題に対して、答えをまとめてみました。

HomePodっていつ発売されるの?

HomePodは本来2017年内に発売される予定でしたが、その後発売日が延びています。そして本日、ようやくAppleから、2月9日にリリース、1月26日から予約受付開始というスケジュールが正式に発表されました。第一弾の発売国はアメリカ、イギリス、オーストラリアの3ヶ国のみです。そして今年の春にはフランスとドイツで発売開始される予定です。となると、HomePodは今後季節ごとに発売国や地域を広げていくのではないかとみられます。

ただ、今のところ日本でいつ発売が開始されるのかについては明らかになっていません。

 

HomePodっていくら?すぐ手に入るの?

HomePodの価格は349ドル、日本円ですと約38,280円で、ホワイトとグレイの2色から選ぶことができます。ただ日本で正式にいくらになるかについてはまだわかりません。これまでのAppleの値付けを鑑みれば、アメリカより高くなるのは確実です。iPhone(特にiPhone X)の価格が非常に高いので、Apple製品にしては349ドルって安いね、と思うかもしれませんが、他の同類の製品に比べるとこの価格は非常に高いと感じるでしょう。Amazonの第二世代Echoはたった99ドル(約10,860円)で、Google Homeもそれよりちょっと高いくらいで129ドル(約14,150円)です。ちなみに、Googleは高音質のハイエンドバージョン、Google Home Maxをリリースしていて、その価格はHomePodよりも高い399ドル(約43,755円)となっています。

手に入りやすいかどうかについては、サプライチェーンからの情報として、HomePodの初期ロットの数量は非常に限られることが伝わってきています。AirPodsの生産工場でもある台湾Inventec(英業達)社も生産部隊に加わり、更なる出荷量の拡大が図られていますが、初期ロットはたった50万台しか出荷されなかったと報じられています。iPhoneが数千万台レベルで出荷されていることを考えると、台数は非常に少ないといえるでしょう。

 

HomePodはiPhoneと同様スマートで使いやすいの?

まず、”スマート”スピーカーと聞くと、どんな電子脳、つまりCPUが使われているのだろう、という方もいらっしゃるでしょう。HomePodにはA8チップが搭載されています。iPhone 6やiPhone 6 Plus、iPad mini 4、iPod Touch 第6世代と同等のチップということになります。A8チップは全て台湾TSMC製で、20億個のトランジスタが搭載されています。iPhone X/8シリーズに搭載されているA11チップには性能は劣りますが、A8チップでもスマートスピーカーとしては十分すぎる性能といっていいでしょう(チップが余って在庫があったのかも。。笑)。

HomePodの設定は簡単で、iPhoneをHomePodの横におけば簡単にペアリングされて、音楽をかけることができるようになります。またHomePodはiOSの一部の機能を実行する能力も持っています。リーク情報によれば、初期設定のペアリングははAirPodsと似ているということです。またその後の設定プロセスも、新しいiOSデバイスを設定するのと同様、iOSユーザにとっては非常に簡単に操作できるということです。

Appleは本日未明、HomePodに対応したiOS 11.2.5正式版をiPhone/iPad/iPod Touch用にリリースしています。このバージョンにアップデートすることによって、iOSデバイスであなたのApple ID、Apple Music、SiriとWi-Fi設定をそのままHomePodに移すことができるようになります。

HomePodの設定にはApple IDが必要で、このApple IDを設定することで、はじめてHomePodがiCloudやApple Musicにアクセスすることが可能になるのです。

もし1つの家で複数のHomePodを購入した場合は、それぞれのHomePodで別々の独立した設定をすることも可能です。またユーザはHomePodの言語・訛りや男女など、音声の種類を選ぶことができます。これは従来のiPhoneやiPadと同様です。

 

結局、HomePodで何ができるの?

HomePodはApple正規の製品のため、Apple Musicとの整合性が最高、というのが最大の特徴です。これによって、Siriを通じてApple Musicが持つ4000万曲の中から好きな1曲を、まるで家専用のカラオケ機のように再生することができるようになるのです。そしてもちろん、HomePodはiTunesで購入した音楽や、PodCast(ポッドキャスト)やBeats 1ラジオを再生することもできます。

ただしHomePod本体は正にApple製品らしく、Appleではない音楽サービス、例えばSpotifyなどには対応していません。ただ、本体ではなく近くにあるiPhoneやiPadなどのiOSデバイスやMacなどで音楽を再生し、AirPlayで飛ばしてHomePodで再生することは可能です。またAirPlayで再生した楽曲については、HomePodのSiriへの命令や手の動きでコントロールすることが可能になります。

とはいえ、Appleの意図としては、HomePodとApple Musicの課金の抱き合わせ販売をしたい、というのが本音でしょう。それによって、制限のない完全なコントロールができるようになる、というわけです。Apple公式サイトのHomePodの仕様(Tech Specs)ページでも「Apple Musicの課金によって、音楽のフル機能が使えます(Apple Music subscription for full music functionality)」と標榜されています。

音楽を聴く以外にも、音楽と関係ない全てのSiri機能が使えるようになります。例えば、HomeKit対応製品のコントロールや、天気、ニュースアプリの読み上げなどもHomePod上でできるようになります。そしてApple IDさえ持っていれば、それらは無料です。HomePodでは、Siriによってメッセージを送ったり、天気予報や最新ニュースを読み上げたり、辞書や百科事典を調べて答えを導き出したり、PodCastを再生することなどもできるようになります。

HomeKit対応製品をコントロールできるようになるのもHomePodの訴求力を高めている重要な要素といえるでしょう。SiriKitのサードパーティアプリをサポートした製品であれば、HomePodは近くのiOSデバイスに処理請求を出すことによって、HomeKit製品をコントロールできます。

HomePodはボイス対応端末ということがいえますが、電話を受けたりかけたりすることは残念ながら不可能です。ただ、近くのiPhoneのハンズフリー通話用スピーカーとして使うことは可能です。iPhoneで電話を受け、それをHomePodに転送するような形となります。

メッセージの送信には何の問題もありません。HomePodによって音声メッセージを送ることが可能です。また、文字メッセージが来たときには、Siriがそれを読み上げてくれます。

 

サードパーティアプリには対応していますか?

ファームウェアの情報によれば、HomePodではiOSを実行可能なことがわかっています。しかし今のところ、Appleがサードパーティに対して、アプリの開発や拡張用のAPIを公開しているということはないようです。というわけで、HomePodが今後サードパーティに対して門戸を開くかどうかについては疑問です。

それに比べ、Amazon EchoとGoogle Homeはかなりの開放性をもっているといえます。HomePodはその点では劣勢にあるといってもいいでしょう。Appleが今後、HomePodをもっと開放的なプラットフォームにすることが望まれます。そう、これまでSiriがだんだん外部に開放されていったように。AppleはHomePodに1GBの保存容量を与えていることから、このデバイスにも複雑な機能を実現する能力があるはずです。

 

HomePodはどうやってコントロールするの?

HomePodには6個のマイクが搭載されていて、いつでも”Hey Siri”と言葉で命令するだけでアクティブな状態にでき、その後Siriに口頭で命令を出します。その他にも、HomePodのてっぺんの部分をタッチして、タッチをホールドすることでSiriと話をすることもできます。

音楽を再生しているときに、HomePodのてっぺんに搭載されたタッチパネルによって、音楽の一時停止や再生をコントロールすることもできます。軽く2回タッチすることで次の曲、3回タッチすることで前の曲を再生できるのも、かつてのウォークマンやディスクマン(CDウォークマン)等のイヤホンリモコン時代からの伝統的な操作方法がそのまま使えます。

 

ディスプレイが搭載されているの?

HomePodのてっぺん部分には、272×340サイズのディスプレイが搭載されていますが、普通のディスプレイとはちょっと違い、主にタッチコントロールに対する反応を表示するためのものとなっています。上記の通り、ここをタッチすることによって、音楽を再生したり一時停止したり、音量を調整したり、Siriと会話することもできます。

しかしこのディスプレイでは動画などの映像情報を見ることはできず、LEDによる行列やマトリックス表示、またはSiriが発するグラフィック記号や符号が表示されるだけです。

Apple公式によると、以下のタッチパネルの操作方法が紹介されています。

 

HomePodのSiriは手動でオフにできる?

Amazon EchoとGoogle Homeにはサイレントスイッチがありますが、HomePodに同様のものがあるかどうかは実際の発売の段階になってみないとわかりません。しかしiOS 11.2.5の設定画面によれば、ユーザは設定の中で一時的にSiriの常時起動をオフにすることが可能なことがわかっています。

 

HomePodのボイス音声はカスタマイズ可能?

可能なはずです。かつてリークされたHomePodの初期ファームウェアで、デベロッパが自分でデザインしたカスタマイズされたシステム音声を設定可能なことが判明しています。

 

HomePodの音質はどのくらいいいの?

実際の音質については、やはり発売されて実際に設置したり、他のスピーカーと比べてみないと何ともいえないところです。

ただ、AppleがHomePodの開発はもともとは高音質のスピーカーを作りたいという発想で開始されたプロジェクトがもとになったはずで、その後長い間をかけてスマートスピーカーが市場に受け入れられるということが実証されてから、その潮流に乗る形でHomePodにSiriを搭載しようという流れになったと思われます。というわけで、HomePodは間違いなく”音質が先にあって、スマート機能は後からついた”といえるでしょう。

HomePodの内部スピーカーは、Apple独自デザインによる4インチの低音ウーハーと、下部に7方向ビーム・フォーミング対応ツイーター・アレイを搭載して音の指向性を制御、自動低音バランス、リアルタイム・アコースティック・モデリング計算法によるスペシャル・アウェアネス空間浸透テクノロジー、マルチ・チャンネル・エコー・キャンセル機能などで高音から低音まで非常に優れた音質で音楽を聴けるものと思われます。

 

マルチスピーカー機能はサポートしているの?

現在のところ、サポートしていないようです。Appleは現在、AirPlay 2とHomePodsによるマルチスピーカー同期音楽再生機能の完成を急いでおり、HomePodのハードウェアリリースには間に合いませんでしたが、今年中のファームウェアアップデートによって実現するものと思われます(HomePodは現在はまだAirPlay 1しかサポートしていません)。

なお、HomePodの技術仕様ページでは、Bluetooth 5.0をサポートしていることが記載されています。ということは、楽観的な予測をすれば、HomePodは同時に多くのデバイスとペアリングができることになります。

 

もし2つHomePodを買ったら?

現在のところは意味がありませんが、今後HomePodを2つ以上買って同じスペースに置いた場合、自動的にお互いのデバイスを検出してバランスをとる機能が働き、3D音響効果が楽しめるようになるようです。

 

HomePodに埋め込まれているすごいテクノロジーって何?

AppleはHomePodに”空間意識”をもたせようとしています。内蔵されている空間センサーによって、周囲の環境の大きさや家具などの配置を検出することが可能となっています。部屋の大きさや構造によって音響は変わりますが、HomePodは”空間意識”により、自動的にその部屋に最適な音の場を作り出すように音をアウトプットし、擬似サラウンド効果を得ることができます。

また現在はできませんが、今後ファームウェアのアップデートをすることで、同期された2つのHomePodを同じ空間に同時に配置することによって、2つのHomePodが呼応し合い、リアルなサラウンド音響を作り出すことができるようになると思われます。

 

HomePodのSiriは四六時中オンライン、ということはプライバシーの流出は大丈夫ですか?

Appleは特に、HomePodのプライバシー問題について強調しています。HomePodは”Hey Siri”という言葉或いは実際のタッチによる操作をしない限り、情報収集を始めないということです。ということで、それ以外の状況では会話音声を勝手に記録したり、また音声を第三者(広告主など)に送信したりすることはないそうです。またHomePod Siriの全ての情報はローカルデバイスにのみ保存され、匿名の”Siri ID”によって、暗号化された状態でAppleのサーバに送られます。セキュリティレベルは非常に高いといえるでしょう。

 

HomePodはどのiOSデバイスで使えるの?

HomePodはiPhone 5s以降のデバイスで使えます。iOS 11.2.5またはそれ以上のiOSバージョンを搭載している必要があるため、iOS 11を搭載できるデバイス=64bitデバイスのみ使える、ということになります。

具体的には、以下の通りです。

iPhone:

  • iPhone X
  • iPhone 8 Plus
  • iPhone 8
  • iPhone 7 Plus
  • iPhone 7
  • iPhone 6s Plus
  • iPhone 6s
  • iPhone 6 Plus
  • iPhone 6
  • iPhone SE
  • iPhone 5s

iPad:

  • 12.9-inch iPad Pro
  • 10.5-inch iPad Pro
  • 9.7-inch iPad Pro
  • iPad (5th generation)
  • iPad Air 2
  • iPad Air
  • iPad mini 4
  • iPad mini 3
  • iPad mini 2

iPod touch:

  • iPod touch (6th generation)

 

HomePodの製品保証内容はどうなっているの?

もし349ドルのHomePadを思いもよらない故障から守りたければ、39ドルを払ってAppleCare+を買うことができます。この39ドルのHomePod用AppleCare+では、AirPort製品と2回のHomePodの過失や事故による損傷に対する修理などのサービスがつきますが、デバイスの機能に影響しない外観の損傷についてはサポートされません。

 

画蛇添足 One more thing…

Amazon EchoやGoogle Homeなどに遅れて登場した、AppleのHomePod。当初の予定から大幅に遅れてのスタートとなりました(最近Apple製品はこれが多い。。)。既に普及するチャンスを逃したともいわれているHomePodですが、これまでのAppleのやり方通り、最速リリースは求めず最良のユーザ体験を求める、そして市場がある程度受け入れるかのデータが揃ってから進出し、一気に市場を席巻するというセオリー通りの展開となっているともいえるかもしれません。

 

まだ日本でいつ販売開始されるかどうかがわからず、日本語の情報がそれほど出回っていないHomePod。とりあえず上記である程度初歩的な質問はカバーできたでしょうか?

私も1つ買ってみたいとは思っていますが、、高いですよね。それにいい音響で聴くにはいい音源も必要ですし。。いずれ、日本か中国・香港での販売開始時期が判明したらまた記事にしたいと思います。

記事は以上です。

(記事情報元:WeiPhone

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