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脳の電流でiPhoneを充電できるとしたら、どのくらいの時間がかかる?

brain

脳の中では電流が発生していることは知られている事実。ではその電流を使ってiPhoneを充電できたとしたら

もちろんそんなことは不可能なのだが、Gizmodoが面白い試算をしているのでまとめてわかりやすくご紹介。

我々が使っている電子デバイスは、端末内の電流がデバイス内部を循環してディスプレイを表示したり、我々の操作を受け付けて動作したりする。その仕組みの基本原理は実は我々のような生命体と似たようなものだ。我々も細胞膜を通じてイオンを発生し、これらのイオンが我々の身体を動かしたり、ものを考えたり、大笑いしたりするためのエネルギーとなる。

そんなわけで、もしこのエネルギーを等価交換できたら、だいたいの数字が試算できるはずだ。まず人体が生み出す電流を計算するとこうなる。

神経系統が体内で電流を動かす仕組みはだいたい以下のようになっている。

それぞれのシナプスは平均的に-65mvの静電電圧を持っており、ある動作が発生すると、40mvの瞬間電圧が発生する。

ワシントン大学の生物学者のBertil Hilleによるとシナプスの毎回の動作時に0.000000001Aの電流が発生するという。そして我々の脳内には800億個のシナプスがある。

電圧(V)、電流(A)の物理的な数字が揃うことによって、公式V*A=Wによってシナプスが発生する電力(W)を計算することができる

ただ、細胞は同じ時間にいっぺんに動くことができず、同時に動けるのはだいたい1%ほど。ということで同時に動くシナプスは8億個ということになる。

ということで同時に動ける状態の全てのシナプスは0.085Wの電力を発生するということになる。

なお、iPhoneの中でもiPhone 5cのバッテリーは5.74Whだ。

そこで以下のような計算式が成り立つことになる。

5.74 / 0.085 = 68.33(時間)

つまり、脳の電流をそのままデバイスの充電に等価交換できたとしたら、iPhone 5cの充電に68.33時間かかるということだ。

更にGizmodoは、人の通常の活動、例えば息をする、などの生きていくために必要な機能を停止しないために、この1%くらいの電力を使うのがよいとしており、そうなるとiPhone 5cの充電に6,833時間かかり、日数的には285日かかる全く実用的ではない数字になってしまった。

当然この脳の電流をスマートフォンに接続するというような技術は現在は存在しない。Gizmodoも以下のような”免責事項”を書いている。

画蛇添足 One more thing…

もし実現したとしたら、脳のシナプスの間に伝わる電流を電力として取り出すことで脳の機能に影響しないかも心配だ。脳の中にプローブを挿すようなことになるだろうか。そうなったら本当に映画マトリックスの世界だ。

これまで誰かが思いつくようなことは着実に人間は実現してきた。いずれはこんな空想的なテクノロジーも人間は実現してしまうかもしれない。もちろん実現するにしろしないにしろ、このようなことを考えるのはなかなか楽しいものだ。

ただ、なぜGizmodoが例にiPhone 5cを使ったのかが不明だ。iPhone 6とか、iPhone 6 Plusとか、現行のものを使えばいいのに。。

記事は以上。

(記事情報元:iFanrGizmodo

 

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