テック関連企業も大企業となると、常にありとあらゆる特許侵害訴訟を起こされてしまう。そう、特にAppleは。。
いわゆる特許ゴロ(基本的に会社の実体を持たず、また自社では使用していない保有しているだけの特許を使って、大企業などを相手に訴訟を起こして稼ぐゴロツキのような会社のこと。英語ではPatent Troll=パテント・トロール)はAppleやサムスン(SAMSUNG)などの”超大手”を狙っており、Appleなどは本当に”老練”の特許ゴロに狙われて訴訟を繰り返し起こされ、毎回特許に関する闘争を繰り広げなければならない運命にある。
AppleとサムスンとLGエレが2016年に特許関連で起訴された回数が最も多いテック企業に
そしてマーケティング会社の最新の審査報告によれば、世界ではAppleとサムスンとLGエレクトロニクスの3社が不幸にも、2016年に特許侵害を理由として起訴された回数が最も多いテック企業トップ3となったことがわかった。
2016年の特許裁判の数そのものは少なくなったが。。
統計によれば、2016年でアメリカ合衆国では4537件もの特許訴訟が起こされ、2015年に比べてこの数字は22%減ったものの、Appleは引き続き訴訟される側の主役の1社として居残ってしまっている。
Appleは直近で特許ゴロのSmartflash社に勝訴
ただ、Appleもそれらの訴訟に負けてばかりいるわけではない。最近のロイター(Reuters)社によるニュースによれば、Appleは直近で特許侵害裁判に勝訴している。
2015年、テキサス州東部裁判所の裁判官は、AppleがSmartflash社に対して賠償金5.33億ドル(現在のレートで約608億円)を支払うよう判決を下した。しかし3日前、アメリカの連邦裁判所がAppleの上訴を受けて出した判決では、一転してAppleがその賠償金5.33億ドルを支払わなくてよいとの判決を下したのだ。
ちなみにSmartflash社は、AppleのiTunes(ソフトウェア)がデータ保存に関する特許を侵害していると主張していた。Appleだけではなくサムスン、グーグル(Google)、マイクロソフト(Microsoft)などもこの特許ゴロSmartflash社に狙われて訴訟を起こされているが、Smartflash社そのものはAppleの言葉を借りれば”何ら製品を作っておらず、従業員もおらず、仕事を作り出していない、アメリカにとって何の経済的影響もない会社”だという。
なぜかアメリカで最も多いテキサス州東部の地裁での特許侵害裁判
なお、面白いことにこのテキサス州東部の地方裁判所では、2016年に全部で1662件もの特許侵害裁判が起こされていることで、この数字はアメリカでダントツトップで、全体の37%も占めているということだ。
特許ゴロ、パテントトロールにとって会社(ペーパーカンパニー)を登記しやすく、また特許の出願・登記がしやすく、そして裁判所がそれらの会社の味方になるという”地の利”の条件が揃ってのことだろう。
Appleはサムスンやノキアなど同業他社とも特許裁判を抱えている
Appleは上記の特許ゴロのSmartflash社との裁判で5億ドル強の”余計な出費を抑えた”といえるが、同社は更に特許ゴロではない業界大手のサムスンやノキア(NOKIA)等とも特許に関する裁判を抱えているのも事実だ。
特許裁判関連ではAppleは今年2017年でもリラックスすることはできないかもしれない。なぜならあまりにも多くの特許ゴロがAppleを狙っているからだ。その上、金満というのも特許ゴロに狙われる大きな原因だろう。
記事は以上。
(記事情報元:Cult of Mac)