AppleのSVP(シニア・ヴァイス・プレジデント、上級副社長)のフィル・シラーやクレイグ・フェデリギ等が数社のメディアを集めて語ったところによれば、Mac Proについては今回はCPUとGPU(グラフィックカード)のアップデートのみで、来年に全く新しい、CPUやGPUが交換可能なモジュール式のMac Proをリリースするということだった。しかしその時、Apple側はいつこの決定がなされたのか、またこの新プロジェクトはいつ開始するのかについては明らかにしなかった。
Apple側はこの次世代Mac Proが今年中にはリリースできず、来年にリリースされると語ったが、OSNewsのThom Holwerda氏はAppleの次世代Mac Proプロジェクトは実は数週間前に始まったばかりのもので、製品の完成はApple側や我々の予測範囲内の期間では完成しないだろうと指摘している。
Holwerda氏は、内部事情をよく知る人物からの情報として、Touch Barを搭載した新型MacBook Proが昨年末にリリースされた後、プロユーザのこのデバイスに対する痛烈な批判(値上げされたにもかかわらず最大メモリが16GBのままなどスペックが劇的に上がらなかったこと)や、Mac Proのアップデートがなかったことに対する反応から、Appleは”ここ数ヶ月以内になんとかする”という決定をしたのだという。
Touch Barが搭載されたMacBook Proがリリース発表された後、旧型MacBook Proの整備済み製品が飛ぶように売れ、また新型MacBook Proのレビューが各メディアで紹介され始めると、またもや旧型のMacBook Proの整備済み製品の受注が劇的に増えたという。そしてそれとは対照的に新型MacBook Proの売上は芳しくない。このような新製品に対する市場の冷たい反応を、Appleは非常に意外に受け止めたようだ。
またAppleはLG UltraFine 5KディスプレイのWi-Fiルータの近くに置くと誤動作する不具合が発見されて批判されたこともあり、これらのプロユーザからの反応を見て、プロユーザとまっすぐに向き合うことを決め、プロユーザ向けにアップデート可能で全く新しくデザインするMac Proや、プロユース向けのiMacの開発を決めた、というわけだ。なお、Apple側はディスプレイ製品の開発も続けることも明らかにしており、Holwerda氏によればこの新しいディスプレイデバイスも次世代Mac Proと共にリリースされるのではないかとしている。
市場の反応を見て慌ててMacに力を入れるとか、正直かなりAppleらしくないやり方だと思う。。新しい発想と最先端のテクノロジーとイノベーションで市場を引っ張り、スタンダードを作って行くのが本来のAppleのスタイルではないのか。やはりジョブズがいないとその辺を引っ張る人がいないのかもしれない。iPhone一辺倒の収益体質だと、やはり売上比率的には少ないMacは後回しになるのだろう。。株主の顔を伺いすぎではないだろうか。
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(記事情報元:OSNews)