Apple好きなら誰でも知っていることかもしれないが、Appleの本社(本部)はアメリカのカリフォルニア州クパチーノにある。そして現在、来年2017年に完成予定の巨大な新本社社屋(キャンパス)、通称スペースシップ(Spaceship、宇宙船)を急ピッチで建設中であることも知られている。
そして現在Appleで最大のキャンパスはどこだろうか?
実はクパチーノではないのだ。
Apple、オースティンのキャンパスに数千人規模のスタッフを移動させる
Fortune誌によると、Appleは既に数千名の従業員をこっそりとテキサス州オースティンのキャンパスに移したという。その結果、現在のところ、オースティンは既にAppleの最大のキャンパスとなっており、本部のカリフォルニア州クパチーノよりも大きくなったという。
2010年から規模を拡大、Aシリーズチップの開発に功績
時を遡ること1992年、Appleはオースティンに事務所を設け、その後従業員の規模は大きくなったり小さくなったりと一定ではなかった。2010年、Appleはオースティンのグループの規模を拡大化し始めた。それまでは100人ほどしかいない小さいキャンパスだったが、規模拡大後はオースティンはAppleのマイクロチップの設計基地となった。その後、オースティンのエンジニア達はiPhone/iPadなどモバイルデバイスに搭載されている”A”シリーズのチップ(SoC)という重要な成果を上げた上、更に他のモジュールの開発も行っている。まさにシリコンバレー外では最大のハブとなっているのだ。
Mac Proの組立も
“A”シリーズのチップ開発以外にも、オースティンではAppleのフラッグシップデスクトップコンピュータ、【Mac Pro】の製造拠点であることも知られている。
オースティン市も税金面で優遇
Appleの拡大計画のうち、最も重要な部門は恐らくオースティンのハードウェアエンジニアリングセンターだ。過去数年のうち、Appleはオースティンに巨大な規模のキャンパスをオースティンの北部と西南部に秘密裏に建設、現在は6000人以上の従業員がオースティンにいるという。
これらは、Appleのハードウェアテクノロジー担当SVP(シニア・ヴァイス・プレジデント)、ジョニー・スルージ(Johny Srouji)氏のレポートから判明したものだ。
なお、オースティン市もAppleに対して総額3500万ドル(約35億円)の税金面での優遇を行い、Appleのキャンパスの誘致を行ったこともそのオースティンキャンパスの規模を大きく拡大した原因でもあったらしい。
画蛇添足 One more thing…
ただし、来年カリフォルニア州の新キャンパス”スペースシップ”が完成したら、オースティンよりも大規模なキャンパスになる可能性もある。
しかし今後iPhoneの売上が下がることは目に見えているのにここまで会社規模を大きくしているということは、Appleには更に大きな製品リリース計画があると考えるのが自然だといえそうだ。
記事は以上。
(記事情報元:Fortune)