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大陸客の減少と転売需要の低下か?Appleの大中華圏での業績が下がったのは香港のせいかも

Appleが最近発表した会計年度2017Q1(実際は2016Q4)の決算報告によると、世界でも大中華圏が唯一営業収入が大幅に下がった地域となった。前四半期でのAppleの大中華圏の営業収入は12%も下がったのだ。

多くの人が、この中国大陸の13億人という膨大な人口を抱える市場で、Apple製品への情熱が冷めてきたことや、中国国産メーカーの台頭がその主な原因と見ていたのだが、Appleのティム・クック(Tim Cook)CEOからは意外な言葉が語られていた。

Apple Hokng Kong ifc(旗艦店)。撮影は小龍自身による

中国大陸では営業収入はほぼ変わらず、元安の影響でダウンか、iPadやMacも二桁成長

クックCEOは最近インタビューで、前四半期の大中華圏の業績はそれほど酷くない、としている。例えば中国大陸では、Appleの営業収入はほぼ変わらずだったという。そしてもし人民元安の影響がなければ、逆に営業収入は増えているというのだ。しかも、iPadの出荷台数は世界の他の地区では軒並みさがっているのに、中国大陸地区だけは2桁成長しているという。また中国大陸でのMacの出荷台数も10%以上の成長率だったという。

 

香港が大中華圏の業績下落の”真犯人”?

クックCEOは明言をしていないものの、アナリストはこのインタビューによって、もし元安を考慮しなければ、香港が大中華圏の営業収入が減った”真犯人”とみている。ただ、決算報告上では、これまでAppleは一度も公式に単独の香港地区での業績を発表したことはなく、大中華圏として一緒くたに発表している。大中華圏には他に台湾とシンガポールが含まれるが、この2つの国・地域の業績も単独で発表されたことはない。

これまで、Appleは香港で6つのApple直営店(Apple Retail)を開店しており、大中華圏では上海の7店舗に次いで2番目に多くなっている。

 

画蛇添足 One more thing…

香港の不景気はこれまでも伝えられているとおりだが、それは大陸からのいわゆる”爆買い”客が減っているからともいわれており、Apple製品(特にiPhone)は大陸と香港では陸路でボーダーを超えられるものの価格が香港の方がずっと安いため(大陸には17%の増値税=付加価値税、VATがあるため)、また過去には大陸での発売日が香港より数日〜1ヶ月以上遅れるということがあったため、毎回iPhoneの新機種が発売されるたびに大陸からいわゆる”転売ヤー”が香港のApple直営店などで大陸に密輸するために大量に買い占めるという現象があった。

ただ最近は香港も中国大陸もiPhoneは同時発売になり、また中国大陸でもわざわざ香港で買わなくても中国大陸版を買う余裕がある人が増えてきて、ファーウェイ(HUAWEI)等の中国国産ブランドのハイエンド機がiPhoneと遜色なくなってきたため、一時よりも転売ヤーの動きは収まっている。これが香港での売上が下がっている原因となり、それが大中華圏の営業収入全体を下げている原因になっている可能性もあるかもしれない。

記事は以上。

(記事情報元:WeiPhone

 

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