マーケットリサーチ会社のStrategy Analyticsの最新の情報で、2016年第三四半期(Q3)でAppleのiPhoneが世界のスマートフォン市場の91%の利益を独占したことがわかった。少し前の当ブログ記事で紹介したように106%という数字もあった(その意味は、他のメーカーが赤字だということを表している)。
一度競技場に立ったら、相手に情けはいらない。。ビジネスの世界においては尚更だ。そしてAppleは徹底的にそれをやり遂げた。Appleはスマートフォン業界で全てのチャンスを自分のものにしたのだ。Canaccord Genuityのアナリスト、Michael Walkley氏の分析によると、Appleは今年第三四半期でスマートフォン業界の営業利益の106%のシェアを独占し、既に他のメーカーを凌駕するというレベルではなく完全な独占状態であることがわかった。Appleの利潤は既に全体のスマートフォン業界の利潤を超えており、これはつまり少なくないスマートフ... 他は軒並み赤字!?Apple、利益ベースでスマホ業界の106%を稼いでいることが判明 - 小龍茶館 |
Appleのスマホ業界内での利益シェアは最高記録の91%を記録
Strategy AnalyticsはAppleが世界で最も稼いでいるスマートフォンメーカーであるとしている。2016年Q3のAppleの営業利益(Operating Profit)は85億ドル(約9,438億円)に達するようで、スマートフォン業界全体で94億ドル(約1兆437億円)のうち91%を占めることになる。これは同社の調査の中では最高記録だという。
売値を極限まで高めてコストを極限まで下げていることが儲けに繋がっている
Strategy AnalyticsのLinda Sui総監は、Appleがこのような巨額な利益を得られるのは、Appleが売値を最大限高めて、コストを最低限に抑えるということにおいて非常に強い能力を持っていること、また将来的にもiPhoneは引き続きAppleに巨額の利潤をもたらすだろうと分析している。
中国国産メーカーが後に続くが微々たるシェア率
なお、スマートフォン市場での利益ランキングで、2位はファーウェイ(HUAWEI)で、市場のうち2.4%のシェアを握っていることになり、Android陣営の中でも初めて抜け出した形となった。その下にはVivoとOPPOが続いており、市場のうちの利益シェアは2つとも2.2%となっている。そしてこれらの3社に共通していえるのはこれらはみな中国国産メーカーだということだ。
他のマーケットリサーチ会社の分析結果と異なる保守的な結果に
他のマーケットリサーチ会社の発表では数字が異なるのが気になるところではあるが、今回のStrategy Analyticsの分析はかなり保守的だといえる。昨日当ブログでお知らせした、Canaccord GenuityのアナリストMichael Walkley氏の分析によればAppleの利益シェアは106%とされている。またBMO Capital Marketsが今月頭に発表した数字は103.6%だ。上記の通り、Appleの利益が100%を超えるのは、LGやHTCなどのメーカーが赤字で、スマートフォン業界の利益としてはマイナス計算されているからだ。
Appleの利益そのものは横ばい状態
Appleの公式の財務レポートによれば、2016年Q3のAppleのiPhoneの販売台数は4,550万台で、営業利益は90億ドル(約約9,999億円)となっていた。しかし前期比ではほぼ横ばいで、その主な原因はiPhoneの販売が中国市場での不振が挙げられるが、その分を他の33の国と地域が伸びたことで補った形になっている。
画蛇添足 One more thing…
中国市場で不振の原因は、表を見ればわかるとおりファーウェイ、vivo、OPPOだけではなく多くの中国国産メーカーが台頭し、シェアを奪っていることにある。新興市場ではiPhoneは値段が高すぎて受け容れられにくいこともあり、Appleは中国市場の建て直しを迫られているといえよう。
とはいえ業界全体の利益をそれだけ独占しているということは、よほどスマートフォンに代わる製品が登場でもしない限り、まだまだAppleは暫くは安泰だといえるのかもしれない。
記事は以上。
(記事情報元:9to5Mac、MacRumors、AppleInsider)