エドワード・スノーデン(Edward Snowden)といえば現在ロシアに亡命している元アメリカ合衆国(以下米国)の元諜報機関スタッフで、米国の諜報(スパイ)活動について重要な秘密情報を多く握っている人物といわれている。そんなスノーデンが昨日、Apple(アップル)のiOS8のセキュリティ対策について、非常に高く評価したという。その中にはiOS8が自動的にデバイス内に保存される全てのデータに暗号化を施すことについても含まれているようだ。
スノーデンは以前からずっと、各国の政府(米国も含む)は技術的にデバイスやインターネットプロトコルを通じて、ハイテクインフラの弱点を利用して国民の個人情報にアクセスしていると警鐘を鳴らしていた。
iOS8のセキュリティ性能が高いのは米国政府のお墨付きでもある
基本的な保護技術、例えば暗号化などは、これまで(モバイルデバイスには)あまりにディープすぎて必要ないといわれていた。しかしAppleはiOS8からデバイス上にデフォルトで暗号化を採用。iPhoneなどを盗まれてもロックを解除されない限りは中のデータを盗み取られることはなくなった。
実はスノーデン以外にも、以前米国の政府職員が、iOS8のセキュリティ性能が高すぎ、逆に犯罪者を司法や警察から逃れるのを手助けしているようなものだと指摘したことがある。特に有名な例は、副検察長のジェームス・カールが2014年10月、Appleが営業罪を犯しているとし、Appleのテクノロジーがいつか子供を殺すと訴えたことがある。なぜなら警察さえ子供(通報があった場合か行方不明、または誘拐された等)のiPhone等iOS8搭載デバイスに侵入できず、必要な情報が得られないからだという。
そしてiOS8はiPhoneやiPadのデータに標準で暗号化するほか、Apple自身もその暗号化キーを持っていないため、Appleさえその端末の中の情報を得るためのヒントを与えられないのが現状だ(逆に、与えられたら大問題だ)。
米国政府諜報機関もiOSやOS Xのクラックを行っている
今年3月にスノーデンが暴露したレポートでは、CIA(米国中央情報局)が現在iOS、OS X、Bitlockerやその他プラットフォームのクラッキングを行っていると報告されている。現在のところ米国CIAやNSA(米国国家安全保障局)がiOS8のクラックに成功したかはわからないが、iOS7以前のシステムは既にクラックされたといわれている(ちなみに現状はiOS8.1.2までは完全脱獄が可能なので、脱獄ツールで素人でもクラック可能なのだが)
今年の年初、スノーデンの弁護士はスノーデンはiPhoneを使うことを拒否していることを明らかにした。理由はiPhoneに入っている特殊なソフトウェアがiPhoneユーザが知らないうちに情報を集めているからだという。
画蛇添足 One more thing…
スノーデンが褒めるということはiOS8はこの上ない安全性を持っているようだ。本人の了解なしにデータを利用したい人たちにとっては頭が痛いところだろう。
ただもちろんスノーデンはいくらiPhoneが安全だからといって、米国製の携帯電話など使いたくないだろう。。iOS8がいくら強固なセキュリティを持っていても、スノーデンが言うように特殊なソフトウェア、つまりトロイの木馬のようなものが内部に仕組まれていたら意味がないということになる。
記事は以上。
(記事情報元:cnBeta)