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【Apple vs FBI】Apple、聴聞会でマレーシア航空MH370便墜落事故でFBIの捜査に協力したことを陳述、緊急事態での協力を強調

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The Vergeの記事で、FBIと対峙するための聴聞会で、緊急事態への処理方法を質問されたとき、Appleはかつて2014年に発生したマレーシア航空のMH370便墜落事故の際にFBIに協力したことを例に出して説明した。

Cedric Richmond議員が聴聞会でAppleにある仮定をつきつけた。もしあるiPhoneの中に核爆弾や核爆発に関する情報が入っていたとしたら、Appleはアメリカ政府に協力するか?と。

それに対し、Appleの法律顧問Sewellはこのような回答をした。

AppleはそのiPhoneに関わる全てのデータを探し出そうと努力するでしょう。

またSewellは、緊急の状況下では協力するという例として、例えば子供の失踪事件や、2014年に発生したマレーシア航空MH370旅客機失踪事件の際は、AppleはFBIのMH370の捜索に協力した事例を挙げた。

マレーシア航空MH370が連絡を絶って1時間後に、Appleは全世界の携帯電話キャリアと協力し、マレーシア航空とFBIのために携帯電話の電波信号を使ってMH370の位置の特定をする動きをしました。もしRichmond議員が想定するような状況が発生した場合は、Appleも”緊急手段”を使ってサポートと協力をいたします。

このSewellの発言に対して、Appleのスポークスマンはノーコメントとしている。

最近AppleがFBIからカリフォルニア州サンバーナーディーノ州で発生した銃乱射テロの犯人とされるサイード・ファルークのものとされるiPhone 5cのロックを解除するように迫られて拒絶した問題はますますエスカレートしており、Sewellは聴聞会でAppleのスマートフォン暗号化に関する観点と立場を陳述した。

FBIは去年10月から少なくとも9回、最多で17台もAppleにiPhoneのロックを強制的に解除して内部のデータを見られるようにするように要求していることが、アメリカの地方裁判所の裁判官James Orensteinが発行した、FBIがアメリカ合衆国法のうちの《All Writs Act》法によってデバイスメーカーと移動通信会社に所謂”バックドア”を仕掛けるように命令した文書からわかっている。

Appleはこれらの請求はカリフォルニア州、イリノイ州、マサチューセッツ州、そしてニューヨークで発生した犯罪に関する情報をFBIが得たかったからだとしている。

そしてAppleは既にこれについては情報を提供しており、しかもそれだけではなく、2008年から2015年にかけて、70回も政府機関の要求に従ってiPhoneのロックを解除していることがわかっている。

A 2015 court case shows the tech giant was willing to play ball with the government before—and is only stopping now because it might ‘tarnish the Apple brand.’
Apple Unlocked iPhones for the Feds 70 Times Before - The Daily Beast
カリフォルニア州の銃撃事件の捜査で、アメリカ連邦裁判所はAppleに対して「犯人の所持していたiPhoneのロックを解除せよ」という命令を出していますが、AppleのCEOであるティム・クック氏は要請を拒絶しています。しかし、Appleは過去に「必要であればiPhone内部のデータを抽出することができる」と裁判で発言し、2008年から2015年の間にiPhoneのロックを少なくとも70回以上解除していたことが明らかになっています。
Appleは実に過去70回も捜査のためにパスワードを解除していた - GIGAZINE

但し、例えばAppleがiPhoneを解除したことを公的に認めたニューヨークで発生した事件については犯人が強い中枢神経興奮作用をもつメタンフェタミンの違法な販売をしていたためで、今後の影響を考えてのことということと、その犯人のiPhoneはiOS 7で、内部のデータが完全に暗号化されておらず(デバイスの完全な暗号化は実はiOS 8以降)、解除することができたとされている。

昨年末に発生したカリフォルニア州サンバーナーディーノの銃乱射テロ事件の犯人とされるサイード・ファルークが持っていたiPhone 5cは恐らくiOS 8以降で、それを解除するには本当にバックドアを仕掛けるしかないという状況が、Appleを頑なな態度にしているのだろう。

またAppleとしてはこのファルークが持っていたiPhoneの中には大して重要な情報がないという何らかの情報をもとにそのように判断しているのかもしれない。実際サンバーナーディーノ州の警察署長も何ら有用なデータがないだろうという見解を述べている(ただし、立場的にはFBI側に立っており、できることは全てやって捜査をすることが被害者や被害者の家族への責任だとも述べている)。

AppleとFBIの間で、昨年末にカリフォルニア州サンバーナーディーノで発生した銃乱射テロ事件の犯人サイード・ファルークが持っていたとされるiPhone 5cを強制ロック解除するかどうかについてのいざこざは既に世紀の裁判となるかもしれないといわれているほど大事になってしまっている。当ブログでもお知らせしたとおりだ。
【Apple vs FBI】警察署長がiPhone 5cには大して重要なデータは残っていない可能性... - 小龍茶館

更に上記のアメリカ政府やFBIが依拠している合衆国の法律《All Writs Act》は227年も前に制定されたものだということもわかっていて、これについては現在の状況に合わせて変えるべき法律なのではないかという議論もあり、そのためにAppleは裁判所で戦う姿勢を見せているのかもしれない。

How a centuries-old statute could force Apple to undo its encryption. 
Most Useful Podcast Ever: Why Is the FBI Using a 227-Year-Old Law Against Apple? - Popular Mechanics

いずれにせよ、緊急事態が発生した場合は、Appleはやはり何らかの”緊急手段”で捜査に協力するという姿勢をはっきり示したことになる。

記事は以上。

(記事情報元:The VergeiFanrGigazine9to5Mac

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