もし通貨膨張の要素も考慮に入れつつ、30年前の1985年に2016年のハードウェアとソフトウェアのレベルのiPhone(或いは同等のスマートフォン)を作ろうとしたら、いったいいくらかかるのだろう?
Fortuneのネット版によれば、Webマーケティング会社のWebpageFXがこの疑問に答えを出したという。その答えは驚くなかれ、なんと1台に3200万ドル(約32億3,800万円)もかかるという!
ではその根拠とは?実際かなり説得力があるものなので見ていこう。
例えば、当時普通に電話しかできないモトローラ(Motorola)の携帯電話、DynaTAC(1984年から1994年まで販売)を買おうとしたら、少なくとも9000ドル(約91万円)必要だった。この価格は、当時のことを知らない人からすれば顎が外れる価格だろう。そしてもし友達にメッセージや画像を送ろうとしたら、FAXを買わなくてはならなかった。当時FAX(ファクシミリ)機は一台1000ドル(約10万円)以上はした。そして現在のスマートフォンにはGPSチップが普通に搭載されているが、当時GPS搭載のナビゲーションシステムは超ハイテク製品で、6630ドル(約67万円)はくだらなかった。
しかしこんなものは序の口に過ぎない。WebpageFXによれば、音楽機能を実現するには、1985年当時は400ドルでソニー(SONY)のD-50 Discmanを買わなくてはいけなかった(しかも1度にCD 1枚しかかけられない)。そして録画機能も1985年にはまだまだ高嶺の花で、ビデオカメラには3700ドル(約37万4000円)を払わなくてはならなかった。
しかしこれらを合わせても、とても32億円というとんでもない価格にはならない。ではWebpageFXはどのように算出したのだろうか?
もちろん、WebpageFXには確固とした理由がある。過去に遡ってテクノロジー製品を作ろうとすると、コストが最もかかるのは”処理能力”だという。もし現在のスマートフォンと同等のレベルの処理能力を実現しようとすると、1985年の人は当時のCray-2というスーパーコンピュータを購入しなくてはならず、それだけで3200万ドル(約32億3,800万円)かかってしまうのだ。
WebpageFXによれば、Cray-2は1985年当時世界で最も速いコンピュータだったと紹介されている。しかし現在では、あなたの手のひらの上のスマートフォンさえ、その当時最強のコンピュータの処理能力を超えているそうだ。そしてもちろん手のひらサイズになっているということで利便性も断然違う。上記の全てを組み合わせたら、とんでもない大きさになってしまうからだ。
ここ30年のテクノロジーの発展のすさまじさを物語る数字ではないだろうか。
なお、上記以外にも様々な数字が入った、WebpageFXによるインフォグラフィックは以下の通り。多くの無料ソフトウェアの機能を実現しようとすると、当時は大げさなハードウェアを買わなくてはいけなかったこともよくわかるだろう。
記事は以上。
(記事情報元:Fortune)