最近Appleの管理職が離職するニュースが相次いでいるが、その中には著名なAppleの新世代プログラム言語「Swift」の創始者クリス・ラットナー(Chris Lattner)も含まれている。なお、ラットナーはAppleを辞職した後テスラ(Tesla)に入社し、自動運転プロジェクトを担当している。
ラットナーの離職について、Business InsiderのJulie Bortが”内部事情を知る友人”からの情報として、彼がAppleの秘密主義的な企業文化があまりに酷すぎて耐えられずに退職したというニュースを流していた。そしてこのニュースは海外のテックメディアの熱い論争を呼び、それに対してラットナーも公式に反応を示した。
ラットナーはBusiness Insiderの報道を見た後、Twitterで「私の決定は”オープン性”とは全く関係がない。その”友人”は単に自分の憶測か、またはデマを流している。こういう人達はAppleが悪く見えるように仕掛けたいだけなんだ」とつぶやき、最後に怒りの絵文字までつけている。
My decision has nothing to do with “openness”. The “friend” cited is either fabricated or speculating. Folk just want to make 🍎 look bad. 😠
— Chris Lattner (@clattner_llvm) 2017年1月13日
そのBusiness Insiderの報道では、ラットナーはオープンソース化を主張したが、それがAppleの秘密主義と全く合わなかったとされていたのだ。
真相はわからないが、本人がそうではないと公に否定した以上、そうではない可能性が高いといえるのではないだろうか。
なおSwiftは以前のObjective-Cに比べ非常に学びやすいプログラミング言語で、スクリプティング・ランゲージ(Scripting Language)と同様の表現力と指向性をもちあわせたシステムプログラミング言語だ。Swiftのリリース後、AppleはSwift関連のアプリを相次いでリリースしている。例えば2016年のWWDCで発表されたiPad用の「Swift Playgrounds」のようなアプリは、ゲームのように楽しみながらユーザが同社のプログラミング言語Swiftを如何に使ってコードを書くかを学んでもらうのが目的で開発・リリースされている。
画蛇添足 One more thing…
ちなみにTechCrunchによれば、Swiftはクリス・ラットナーが2010年7月頃から1人で個人プロジェクトで始めたもので、当時その存在を知る人はわずかだったという。正にラットナーは”Swiftの父”なのだが、Appleはその人物を失ったことになる。
創始者がいなくなった今、今後Apple内でSwiftがどのような扱いになっていくのか、注目だ。
記事は以上。