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Daring Fireball:ジョニー・アイブ退職後のAppleの体制に変化、SVPが一人追加に

先日、世界でも著名なブロガーで、ブロガーの中でもApple幹部などに一番近しいとされているジョン・グルーバー(John Gruber)氏が、Appleのジョナサン・アイブ(Jonathan Ive、以下俗称ジョニー・アイブ)最高デザイン責任者(CDO)が年内に退職するということを爆弾的なバッドニュースだとして興奮した記事を書いていたことは当ブログでも紹介しました。

左からティム・クックCEO、ジョニー・アイブCDO、デイヴ・グロール(Foo Fighters)

その後、グルーバー氏は更に彼のブログDaring Fireballを更新し、その論調を訂正しています。まず、グルーバー氏は上記の記事で、ジョニー・アイブCDOが去った後のデザイン責任者のエバンス・ハンキー氏(Evans Hankey、工業デザイン担当)とアラン・ダイ(Alan Dye、ヒューマンインタフェースデザイン担当)の2人がジェフ・ウィリアムズCOOに報告することについて、 当時グルーバー氏はAppleが製品開発においてデザインよりもオペレーション(運営)を重視するようになったことを憂えていましたが、Appleがジョニー・アイブCDOの退職を発表したと同時にサビー・カーン(Sabih Khan)氏を上級副社長(シニア・ヴァイス・プレジデント、SVP)に新たに任命したことを見逃した、というのです。

というわけで、会社の運営業務は現在サビー・カーンSVPが担当していて、肩書きとしてはCOOのジェフ・ウィリアムズは事実上製品開発に集中している、とグルーバー氏は結論づけています。実際、ジェフ・ウィリアムズCOOはかつてApple Watchの製品チームを創設から実際に製品になるまで導いたことがあり、現在はそれが全ての製品に渡っているというのです。つまり、肩書きとしては最高運営責任者(COO)でありながら、実質的には最高製品責任者(CPO?)に格上げされ、そしてそこにデザイン担当のエバンス・ハンキー氏とアラン・ダイ氏が報告するのであれば理に適っているとグルーバー氏は感じているようです。

AppleではCOOは「運営責任者」ではなく「第2の指揮権」を意味するということで、結局ティム・クック(Tim Cook)CEOは、デザインを”運営”のもとには移さず、実質的には最高製品責任者に担当を移したとグルーバー氏はみており、そのような状況であれば先日のバッドニュースと感じたときよりも随分気分がよくなった、と結んでいます。

確かに、そういえばSVPがしれっと一人増えていましたね。ただ、ジョニー・アイブCDOの後を継ぐ者ではありませんでした。ただ、今すぐにジョニー・アイブCDOの後継ぎのCDOを作ってしまうと、その人は常にジョニー・アイブと比べられることになり、プレッシャーが大きすぎることになります。今後既にApple内部でも相当に優秀な、つまり世界でも相当優秀なレベルの上記2人のデザイン責任者や、デザインチームの中から傑出した人材が出てきてその地位をつかみ取るかもしれないという含みとチャンスを持たせたことになり、デザインチームは今後はもっと奮闘するかもしれません。

いずれにせよ、今後どうなっていくかについては出てきた製品が人々をあっと驚かせるものなのか、それとも平凡なものなのかによって、また市場で売れ行きがよかったかによって評価されることですね。ともかくジョニー・アイブCDOが退職することは、満を持して行ったことだと思われますし、そこまで騒いだり心配するほどのことでもないのかもしれません。

TechCrunchにも興味深い記事が出ていましたので、ご興味がある方は以下をぜひご覧ください。

ジョニー・アイブのいないアップル、デザインのこれから

記事は以上です。

(記事情報元:Daring Fireball

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