Appleの次世代iPhone「iPhone 12」は5Gをサポートすることが目玉機能となりますが、そのiPhone 12ラインナップの中でも、高速の5Gは非常に限定的な機種にしか搭載されないようです。
Fast Companyのワイヤレス業界からの出典とされる情報によると、現在噂されている以下の4機種のiPhone 12ラインナップ（名称は仮称）のうち、最高機種の「iPhone 12 Pro Max」のみが高速のミリ波5G（mmWave 5G）をサポートするということです。
- iPhone 12：5.4インチ
- iPhone 12 Max：6.1インチ
- iPhone 12 Pro：6.1インチ
- iPhone 12 Pro Max：6.7インチ
Fast Companyはその根拠として、ミリ波5Gのためのコンポーネント（部品）を搭載するスペースが6.7インチのiPhone 12 Pro Maxにしか残されていないこと、そしてよりバッテリーを消費するミリ波5Gを使うために、最も大容量のバッテリーを搭載するiPhone 12 Pro Maxでないと使用に耐えられないからとしています。
更に興味深いのは、Fast Companyは世界でも米国・韓国・日本の3ヶ国版の「iPhone 12 Pro Max」のみミリ波5Gをサポートするとしていることです。
その理由について触れられていませんが、世界各国で5Gネットワークの導入に関しては様々なタイムラインが設定され展開されていて、特に6GHz未満およびmmWaveネットワークの導入スケジュールはバラバラです。なぜならmmWave 5Gは速度は1Gビットを超える超高速に達するものの、その電波が届く範囲が非常に狭く、全てのユーザがこのmmWave 5Gを使用できるようにするためには、通信事業者（日本ではdocomo/au/SoftBankをはじめとするおなじみの事業者）によって非常に多くの5G無線基地（セルタワー）を設置する必要があり、コストもかさむためです。
これに対して米国で導入されるサブ6GHz 5G（SUB6-5G）は、通常100〜150Mbpsの速度を実現するとされていて、従来の4G（LTE）よりも高速で導入が容易とされていますが、速度はmmWave 5Gには全くかないません。Fast Companyはこれについて、SUB6-5Gをトヨタのカムリだとしたら、mmWave 5GはベンツのSクラスだと例えています。わかりやすいですね（笑）。ただ、速度に関しては実際の車にはそこまで差はないのですが。。単にグレードの差の例えだと捉えればいいのかもしれません。
ただ、世界でも恐らく上記の3ヶ国でもネットワーク環境が非常に整備されていて、6GHz未満およびmmWave 5Gの基地敷設が速く進むという算段があるか、或いは許可の問題で、iPhone 12シリーズはともかくまずはこの3ヶ国版のiPhone 12 Pro MaxのみでmmWave 5G（ミリ波5G）がサポートされるようになるということです。
もし上記の噂が本当になると、香港や中国大陸などの市場では米国・韓国・日本版のiPhone 12 Pro Maxのみプレミア価格がつきそうな予感がしますね。。個人的には中国国内などで網羅的にmmWave 5Gが整備されないと意味がないので、香港版か大陸版でも特に問題ないとは思いますし、日本版と韓国版はカメラのシャッター音が消せず大きいので個人的には避けたいです。できれば米国版を手に入れたいところですね。
なお、Fast Companyによると、来年春には次世代iPhone SEのリリースが予定されているそうですが、こちらは5Gはサポートせず、従来と同様4Gとなるようです。名称がどのようになるかはわかりませんが、iPhone SE Plusになるかもしれませんね。
記事は以上です。
（記事情報元：Fast Company）