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iPhone 11シリーズ香港版/中国大陸物理デュアルSIM版の2日目の予約状況

Appleが日本時間2019年9月11日未明にスティーブ・ジョブズ・シアターで発表し、13日21:00から予約が始まった新型iPhoneのiPhone 11/iPhone 11 Pro/iPhone 11 Pro Max。今日は、予約開始2日目のこの3機種の香港・中国・日本での公式オンラインApple Storeでの予約状況をまとめてみます。

世界で唯一、物理DSDSが搭載されるiPhone XS Max/iPhone XRの香港(=マカオ版)・中国版の人気は

昨年のiPhone XS/XS Max/XRに引き続き、iPhone 11/iPhone 11 Pro/iPhone 11 Pro Maxでは世界でも香港版(=マカオ版)と中国版のみ、物理デュアルSIMデュアル待受(物理DSDS、eSIMを利用せず、物理的なnanoSIMカードを2枚挿入するタイプ)仕様となっています。今回異なるのは、iPhone 11シリーズ3機種全てが物理DSDSとなったことです。

ところで、下記の当ブログ記事でiPhone 11シリーズの香港・中国大陸・日本版の価格比較一覧表を載せたとおり、香港版と大陸版は価格の差が大きく、香港版は中国大陸をはじめ、世界の他国からも物理DSDSを搭載したiPhone 11シリーズを求めて予約が増えるかなと予測していました。

予約開始後、夜中まで販売初日(9月20日)配送可能状態が続く

ところが、蓋を開けてみると全くすんなりと香港版のオンラインApple Storeに繋がり、中国大陸(購入人数が最も多そうなという意味で)最も人気が高そうなiPhone 11 Pro Max香港版 新色グリーンの256GBモデルが、少なくとも3時間程度は初日(2019年9月20日)配送分を手に入れることができる状態でした。※なお、以下の画像はタイ時間で、日本時間はこれに2時間プラス、中国/香港時間は1時間プラスです。

そして2日目の今日、上記機種の香港版は9月24日〜26日配送分が手に入る状態です。また、iPhone 11 Proシリーズよりも価格が安く、人気もあると思われたiPhone 11ですが、全色・全内蔵メモリ容量モデルが9月21日に手に入る状態です。

中国大陸版iPhone 11シリーズは2日目、興味深い予約状況に

中国大陸版のiPhone 11 Proが本日予約開始二日目、面白い動きを見せています。

iPhone 11 ProもiPhone 11 Pro Maxと似たような感じですが、256GBモデルが一番人気のようです。

そしてiPhone 11は、新色のグリーンとパープルが人気で2〜3週での配送。そして人気とみられたProduct REDが全て初日(9月20日)配送になっています。沢山用意しすぎたのかもしれません。それ以外の色はほぼ全て5〜7営業日(9月21〜23日)配送となっています。

iPhone 11シリーズ、全体的に昨年のXS/XS Maxと同様人気に翳りが

香港版と中国大陸版は、かつて18%だった中国大陸の増値税(VAT)のせいでかなり価格差があり、そこでアービトラージができてしまうために香港から大陸に密輸をすることで儲けていた転売ヤーが存在しました。その転売ヤー達が新型iPhoneの予約時間になると香港の公式サイトに一斉にアクセスし買い漁るという現象が毎年繰り広げられていたのでした。多くの転売ヤーは自動アクセスロボットを使用して、自動で購入できるシステムを構築していたのです。そのため予約開始直後から数時間はApple香港の公式オンラインストアはダウンしてしまうという状態が続き、アクセスできる頃には初月分はほぼ売り切れているという狂乱ぶりで、そのため香港のスマートフォンの聖地ともいえる旺角(モンコック)の先達廣場や中国大陸ではプレミア価格がついて販売されたりしていました。

しかし去年のiPhone XSシリーズからその勢いは急になりを潜め、Apple香港のサイトは予約開始後からダウンすることはなくなり、初日配送分も長い時間買えるようになってきていました。今年もその流れを継いだことになります。

もちろんAppleが在庫を潤沢に揃えたことも考えられますが、やはりなんといっても中国大陸で新型iPhoneを購入する母数が減ってしまっているのではないでしょうか。現在香港では長期にわたってデモが行われていることから、中国大陸の人としては香港に対して複雑な感情を持っており(というよりぶっちゃけ嫌悪感を抱いています)、また現地に行く人も激減しています。そんなわけで、香港版が中国大陸の人から人気がなくなっている可能性もありますが、もともとiPhone XからiPhone XS/XS MaxにかけてiPhoneの単価が激増し、更に初日購入分のプレミアを付けたらとんでもない価格になることから(最高機種は初日で30万円近くになることもありました)、さすがにそこまで購入したいと思う人が減って、需要が激減したのだと思われます。ここ2〜3年、深圳辺りにいる転売ヤーは原価割れで在庫を販売したりして、それでも売れない業者の中で飛び降り自殺をした人達もいるという話を複数聞いたことがあります。

iPhoneは価格が高くなりすぎたのです。それに比べ、半額かそれ以下で手に入る中国国産スマホメーカーのスマホの方がハードウェア的にも優れている点が多くなってきたため(例えばカメラ性能や充電性能など)、iPhoneにはコスパ的な魅力を感じない人が増えているのもあるでしょう。私自身がまさにそうで、もうすっかりHUAWEI P30 Proのカメラの虜になってしまっています。高速充電も40Wで、iPhone 11でようやくついた18Wの倍以上の速度です。今年はiPhone初代(2G)から全ての世代を毎年買い替えてきた私ですが、今年だけはiPhone史上初のパスになりそうです。

実際、Appleの昨年からの各四半期決算報告で、大中華圏での前年同期比率が明らかに目減りしていることが報告されています。大中華圏の殆どが中国大陸であることを鑑みれば、やはりiPhoneは中国で失速しているのは間違いないでしょう。

今回もその影響が大きく現れたものと思われます。時代の移り変わりを如実に感じています。

ちなみに香港版や中国大陸版iPhone 11シリーズの物理DSDS版を購入するには、現地の配送先や決済手段がないとできません。香港版は、日本含む海外発行のクレジットカードでも購入可能です。

記事は以上です。

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