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iPhone 5sのプロトタイプの写真が公開、短命に終わった5のブラック&スレート色

Twitterでユーザの@DongleBookProがiPhone 5sのプロトタイプの写真を公開しました。そのプロトタイプが短命に終わった、iPhoneでは5にしか採用されていないブラック&スレート色であることが話題になっています。

iPhone 5sは7年半ほど前の2013年9月にリリースされましたが、カラーバリエーションはゴールド・スペースグレイ・シルバーの3色でした。その前の世代のiPhone 5(2012年9月発売)は、ホワイト&シルバーとブラック&スレートの2色展開でした。

今回のプロトタイプはiPhone 5のブラック&スレート色のものとなっており、非常に希少性が高いといえますが、Twitterの書き込みでも指摘されているとおり、開発中のデバイスであることを隠すために、わざと既に発売されていたiPhone 5と同じカラーリングにした可能性が高いともいえます。

ちなみにこのデバイスがなぜプロトタイプとわかるかというと、背面のモデル番号や、IMEIが記入されていないこと(マスキングされていますがかなり狭い範囲内となっています。通常は12桁)が挙げられますが、極めつけはやはりプロトタイプ用のテストOSが動いている画面があることです。

▼テスト用OS画面。下にあるモデル番号もプロトタイプの証拠になります。

このブラック&スレート色はiPhone 5以外には初代iPad miniや第5世代のiPod Touchのみに採用され、その後Apple製品に採用されたことはありません。なぜなら、iPhone 5のブラック&スレート色モデルにおいて、アルミボディのシャーシの背面や縁の部分にひっかき傷や欠けが発生しやすいというクレームが相次いだからです。当時のマーケティング担当SVPだったフィル・シラー(Phil Schiller)はこういうことはアルミ製品にはつきものだとインタビューではフォローしていましたが、結局やめたということはやはりクレームが多かったのでしょう。

また、Twitterの書き込みでは2012年12月にこのプロトタイプが製造されたと書かれていることも注目に値します。iPhone 5が発売されてからわずか3ヶ月で既に次世代デバイスのプロトタイプが製造されていたことになり、これはiPhoneの開発サイクルが進んできていたこと、また当時からロードマップで既に次世代デバイスはiPhone 5sになること、つまりiPhone 5とは外観デザインは殆ど変えずに機能をグレードアップするいわゆるマイナーアップデートであることが決定されていたことを意味します。

とはいえ、iPhone 5sでは初めてiPhoneに生体認証のTouch ID(指紋認証)やTrueTone LEDフラッシュが導入されただけではなく、世界に先駆けて初めてスマートフォンでバイスで完全64bitのプロセッサが採用された画期的なデバイスでした。その後AppleはiPhoneにおいて「世界の他のどのデバイスよりも優れた」機能は搭載してきていますが、「世界に先駆けて」導入した機能は殆どないといっても過言ではありません。そういう意味では、iPhoneは当初はスマートフォンそのものの定義を変えた画期的なデバイスでありましたが、今となっては他のデバイスよりも優れいているが高いスマートフォンという感じになっています。もちろん、iOSは唯一無二ですので、他と単純には比べられないですし、iPhoneで導入された技術が他社やキャリアなども動かして業界のスタンダードになっていくという重要な役割を持ってはいるのですが、以前のワクワク感はなくなってしまっているのは確かです。個人的にも、本当の意味でワクワクしたのはiPhone 5sくらいまででした。

記事は以上です。

(記事情報元:MacRumors

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