来月にリリースされるとみられるiPhone 15シリーズの噂が飛び交う中、著名なAppleアナリストMing-Chi Kuo氏は、Appleは来年のiPhone 16の全てのラインナップのカメラで、ソニーの更に発展した積層型CMOSイメージセンサを採用する予定との見解をTwitter(X)にて示しています。
クオ氏によると、ソニーはiPhone 16で更に多くの積層構造となっているCMOSイメージセンサーが採用されたことで生産キャパが2025年まで逼迫していることで、ライバルのサプライヤーである中国のウィル・セミ社(Will Semi、韋爾、韦尔)がその代わりに利益を得ることが期待されており、スマートフォン等携帯電話業界をリードし、底を打った業界の成長の回復に貢献すると記されています。
Sony產能因iPhone 16將採更多堆疊設計CIS而持續緊張至2025,有利韋爾領先手機產業觸底並恢復成長與產品組合快速改善 / Sony’s capacity will remain tight until 2025 as iPhone 16 will adopt more stacked design CIS, which is beneficial for Will Semi to lead the smartphone sector to bottom…
— 郭明錤 (Ming-Chi Kuo) (@mingchikuo) August 4, 2023
このタイミングでiPhone以外のハイエンドのCMOSイメージセンサー市場を中国のウィル・セミにとられてしまうとソニーはAppleに切られたときにピンチとなってしまいますが、それでもAppleと取引していることはソニーにとっては大きなことなのでしょう。もちろん、他社にとってもそうですが、Appleのサプライヤーはどこも同じリスクを抱えているといえるでしょう。。
なお、来月リリース予定のiPhone 15とiPhone 15 Plus(いわゆる無印シリーズ)には、もともと4800万画素の従来より多くの光を取り込むことが可能なCMOSイメージセンサが採用されると噂されていたのですが、最近は今年のiPhone 15の全てのラインナップで採用されることはなく、Proシリーズのみの採用という噂が出ています。
ソニーのCMOSイメージセンサーは2025年まで生産キャパが逼迫するといわれていますが、Appleは既に前もってそのソニーの生産キャパを確保しているとも伝えられています(というより、それによって生産キャパが逼迫していて、他社にキャパを回している余裕がないということなのでしょう)。それでもAppleのiPhone 15シリーズ全体に行き渡せるほどの生産キャパが確保できなかったということになりそうです。逆に来年のiPhone 16シリーズは全て4800万画素のソニー製のより多積層型のCMOSイメージセンサーが採用されることになるのかもしれません。
ちなみにiPhone 15 Proシリーズ或いはiPhone 15 Pro Maxのみの背面カメラでは、ハイブリッドレンズが初めてiPhoneに導入されるかもしれません。これは既にXiaomi(シャオミ、小米)の中国大陸モデルにしか採用されていませんが、iPhone 15 Proシリーズではガラス要素レンズが1枚とプラスチック要素のレンズが6枚の計7枚ハイブリッドレンズとなる予定で、来年のiPhone 16シリーズでは2枚のガラス要素と6枚のプラスチック要素の計8枚の更に進んだハイブリッドレンズとなる予定とされています。ちなみに現行最新のiPhone 14シリーズのレンズはプラスチック要素のレンズのみの7枚で構成されています。
正直それらが新型iPhoneに採用されることで素人目で従来品とどのくらい差が出てくるかはわかりませんが、既にSoCやカメラなどの要素でも世界初やNo.1が実現できなくなってきているiPhoneとはいえ、最先端を走ることで競争力を保つことは絶対に必要です。他のAndroidスマートフォンメーカーに比べてもハイエンド機の販売台数が半端ではないだけに、業界地図に大きな影響を与えるAppleのサプライチェーンがこれからどう変化していくのか、注目していきたいところですね。
なお、iPhone 15 Proシリーズの新機能や変更点に関する噂は、当ブログでも12のポイントをまとめていますのでご覧ください。
記事は以上です。
(記事情報元:Ming-Chi Kuo、9to5Mac)