既に2016年は第一四半期が過ぎてしまった。そして多くのこの第一四半期に関わる数字が出始めている。そして過ぎ去ったばかりの2016年第一四半期では、AppleのiOS App Storeに関する数字で、また日本が中国に抜かれたことが明らかになった。App Storeでの収入において、中国が初めて日本を抜いて世界2位に躍り出たのだ。ただ2位の中国と3位の日本は僅差で、また1位のアメリカとはまだ大きな差があることもわかった。
アプリ分析会社のApp Annieが一昨日金曜日に発表したレポートによると、中国は2016年第一四半期のiOS App Storeでの収入ランキングで、辛くも日本を破って2位に躍り出たという。2014年まで中国のApp Storeの収入は安定的な成長を続けてきたが、2015年になってその成長スピードがあっという間に加速し、高度成長の段階に入った。そしてこの成長は今後も暫く続きそうだという。
App Annieによれば、多くの国や地域でのApp Storeの収入増加は、全てアプリ内での購入によって実現されたものだという。特に多いのはやはりゲームのアプリ内課金で、多くのiOSのゲームアプリはダウンロードは無料でゲーム内の何らかの道具や”ドーピング”は有料課金という方式をとっているという。まあ、このあたりは説明しなくてもわかるだろう。上のグラフはゲーム内有料課金の収入グラフだ。中国の伸びが顕著な分野である。
上の図が全iOS App Storeの収入の3カ国比較グラフだ。2つのグラフを見てみると、アメリカと中国と日本のゲーム課金収入はそれほど差がなく肉薄しているように見える。つまり中国のゲーマーはゲームのアプリ内課金についてはかなり金遣いが粗く、また課金への信仰さえあるような数字に見える。
しかし下の全体のiOS App Storeの収入を見てみると、中国とアメリカにはまだまだ大きな差があるようにみえる。ここに、アメリカと中国のアプリへの支払いや課金の習慣の違いがみてとれるといえるだろう。ちなみに日本も安定して成長しているものの、急成長している中国に抜かれた形となった。
App Annieによれば、中国のiOS App Store市場は今年と来年にピークを迎えるとみているようだ。
画蛇添足 One more thing…
AppleもiPhoneやiPadなどのハードウェアの収入がピークを過ぎてこれから落ち込んでいくとみられる中、このようなソフトウェアやサービスでの収入と囲い込みをますます増やす必要がある台所事情もあり、中国には次々とApple Storeをオープンさせるなど、ますます中国を重要視しているのも納得できるというものだ。
ただし、日本も中国に抜かれたとはいえ、中国は人口が日本の10倍以上いることを考えると、まだまだ1人当たりの消費は日本の方が断然多いことも考慮に入れなくてはならない。全体の国力としては大きいが、まだまだ格差が大きい国だといえるだろう。
とはいえもし中国でアプリで儲けようと思ったら、やはりゲーム内課金を狙うのが一番だということがわかるだろう。もちろん、その分野は中国でももっとも苛烈な競争があるところなので、成功するのは簡単ではないが。。
- ちなみに中国での現在のiOS App Store人気アプリランキングはこちら。
- App StoreでのアプリのDL数については、中国は2015年Q1、つまり昨年で既に世界一になっている。詳細は同じくApp Annieのサイトで報告されているとおり。
記事は以上。
(記事情報元:VC52.CN)