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Huawei、来月8月に中国で5G対応Mate 20 X発売を発表、今後は独自チップとエコシステムに集中投資

Appleは2020年に全てのiPhoneにクアルコムの5Gチップを搭載するという情報が流れたばかりですが、中国企業のHuawei(ファーウェイ、华为技术)はなんと来月にも5G対応のスマートフォンをリリースしようとしています。

米国のブラックリストに載ろうと載るまいと、Huaweiは来月、中国で5Gスマートフォンを発売する計画を本格的に推し進めています。HuaweiのMate 20 X 5GのAndroidの一部はGoogle Playが使用できなくなりますが、不足しているコンポーネントは可能な限り中国語版に置き換えられるということです。ただそれは中国国内での売上には影響を与えることはありませんが、顧客がGoogleのGoogle PlayやGmailなどのサービスに忠実で、更にAndroidのアップデートを入手しているヨーロッパなど中国以外の市場では受け容れられがたいかもしれません。

7月26日にHuaweiが5G対応のスマートフォンとしているMate 20 X 5Gを正式に来月8月16日に発売すると発表しました(写真=新華社通信記者/毛思倩による)。

ただし、世界で最初の5G対応スマートフォンはHuawei Mate 20 X 5Gではなく、既に予約注文の受付を開始しているZTEのAxon 10 Proとなります。

現時点では、Huaweiの5G対応Mate 20 X 5GがAppleの中国での次世代iPhone販売に影響を与えるかどうかは不明です。現在のところ、まだ5Gは劇的な新機能やサービスを提供しておらず、中国国内でもまだまだテスト段階で使用できるところが非常に限られるため、短期的には中国のユーザーにとって非常に(というより殆ど全く)役に立たない機能であることが判明するかもしれません。Appleは来年、5G対応のiPhoneの販売を開始する予定で、恐らくそれにあわせて通信キャリアは次世代5G通信サービスを提供する準備を整えるのではないかと思われます。やはりなんだかんだ言っても世界のスマートフォンとそれを取り囲む通信キャリアの動きはAppleを中心に動いているのでしょう。

今年5月に、チップアーキテクチャ開発元のARM(SoftBankグループの1つ)は、米国で新たに設定された規則を遵守するために、従業員に対してHuaweiとは「全ての連絡先、サポート資格、ペンディングになっている協議」を含む全ての取引を中断するように通達したと伝えられています。中国のチップメーカーHiSiliconとHuaweiは既に製造されたチップは問題なく運用できる契約を結んでいるにかかわらずです。これは、既に開発が完了し今年後半にリリース予定のKirin 985を除いて、Huaweiが今後ARMアーキテクチャを使用したチップの開発支援のためにARMを頼ることができなくなることを意味します。

そして今週の中国のメディアの情報では、新しい開発に関してARMと協力できないことを回避するために、HuaweiはARMベースのKunpeng(鲲鹏)サーバーチップ以降の世代のチップ製造を拡張するために、数億ドルを投資することを発表しています。

Huaweiの徐直軍(Xu Zhijun)会長によると、今後5年間でHuaweiはKunpengに数億ドルを投資して、開発者ツール、オープンソースオペレーティングシステム、および関連プロジェクトへの開発者のアクセスを改善する予定とのことです。

徐会長は更に、Huaweiとそのパートナーが「Kunpengを中心にコンピューティングエコシステムを構築」してから「Kunpengプロセッサに基づく」インフラストラクチャやアプリケーションを「さまざまな業界」に提供できるようになると期待していると述べています。

米国のブラックリストに入ったもかかわらず、Huaweiは6月にミドルクラスのスマートフォン用の新しいチップを発売し、将来のスマートフォンチップと独自のオープンソースオペレーティングシステムを加速するために、世界でもトップレベルの給料で世界中から”天才”を募集しています。

現在Huaweiが開発しているというHongMeng OS(鸿蒙OS)は、Androidの5Gに対応した次世代OSとされるFuchsiaに対抗するものとされていて、今後もその動きが注目されます。

大中華圏で伸び悩むAppleを尻目に、ますます中国国内でその勢力を拡大しているHuawei。今後は独自OSやチップの開発で、西欧諸国が中心となっているテック業界に風穴を空けていくのかもしれません。

記事は以上です。

(記事情報元:Patently Apple

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