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Facebook、ユーザ保護を名目にした無料VPN Onavo VPNを提供開始、その実態は?中国でも使えるか実験

FacebookがiOSアプリで最近追加した機能に、Protectという項目があります。これを選ぶと一種のVPNアプリがインストールされます。スパイウェアのインストールを防ぎ、ユーザを守るという名目で、そのVPNアプリは無償で提供されていますが、実態はユーザがそのVPNアプリを使って通信したデータを収集し、Facebookのサービスや製品の品質向上のために使う、とされていることで物議を醸しています

Facebookが新しい機能を追加、ユーザ保護・セキュリティ強化のためのVPN「Onavo Protect」

TechCrunchによると、Facebookは2013年にイスラエルのセキュリティ会社のOnavoを買収しており、FacebookのメニューのProtectをタップすると、「Onavo Protect – VPN Security」というアプリがインストールされる仕組みになっています。

VPNとは

VPNとはVirtual Private Networkの略で、中継サーバを介してアクセスすることでユーザの匿名性を高めるほか、データの暗号化による通信内容の保護や、サーバの設定によっては特定のコンテンツから保護することもできるというものです。

Onavo Protect VPNではアクセスしたデータがFacebookに利用される仕組み

しかしFacebookによると、Onavo Protectでは、ユーザがそれを使って通信したデータを収集し、Onavo Protect自身やFacebookのサービスや製品の品質向上のために使われることが明記されています。そうなると、VPNの本来の目的のデータ暗号化による通信内容の保護が守られず、逆にFacebookによるユーザの傾向分析に使われ、結局更にあなたが欲しそうな広告を見せられてものを買わされてしまう羽目になるかもしれません。無償で使えるVPNほど怖いものはないのです。。

Onavo VPN、中国で使える?実験してみた

さて、VPNはネット規制のある中国で、規制回避に使われることで有名です。そこで、中国にいる私が、Onavo VPNが中国で実際に使えるかどうか試してみました

▼まずFacebookの右下の三本線アイコンのメニューから、”Protect”を開きます。。この時点で中国ではVPNが必要ですが。。

▼App Storeに移動して、Onavo Protect – VPN Securityを入手します。無料です。

▼VPN構成を追加するか?と聞かれ、パスコード(パスワード)入力を求められます。

▼パスコード入力が終わると、VPNアイコンについての説明が出ます。

▼そして、表示を消すとProtection Is On、となって勝手にVPNがオンになります。そして、アプリの画面にはオフにする選択肢が見当たりません。。うーむ。

▼Onavo ProtectアプリのSettingメニューでも、オフにする選択肢はありませんでした。

▼そして、繋がっているというのですが、実際は。。iPhone Xのコントロールセンターで見てみても、VPNがオンになっていません。しかも、ここで気付いたのですがなぜかWi-Fiがオフになって4G表示になっています。

▼実際に、中国で規制されているFacebookに接続してみましたが、キャッシュは表示されますが、投稿でついているはずのコメントが表示されません。やはりVPNに繋がっていないようです。Facebook自社のVPNで、Facebookに繋がっていないとは。。笑 他にもいくつかの中国で規制されているサイトにアクセスしましたが、やはり繋がりませんでした。VPNそのものが繋がっていないようです。

▼というわけで、Onavo Protectの使用は諦めました。オフにするには、設定>一般>VPNで、Onavo VPNにチェックが入っている状態でVPN構成の状況というスイッチをオフにする必要があります。または、別のVPNを入れている場合は他のVPNを選択すると切ることができます。面倒くさい上に、オフにさせない気だったのか。。という設定です。しかもWi-Fiが使えなくなるのは悪質です。なお、アプリを消したらここのOnavo VPNの項目が消えました。

Onavo VPNは欠点だらけのVPN?

というわけで、Onavo VPNについてまとめてみると。。

ということで、Onavo VPNを使っても殆どいい事がないような気がします。。

特に、簡単にオフにできない、Wi-Fiが使えない、そしてデータ筒抜けというのが悪質な感じがします。確かにマルウェアやスパイウェアからは保護されるかもしれませんが、その代わりプライバシーをFacebookにさらけ出すことになります。それも、アクセスしているウェブの情報を見られていることになります。。ただでさえ、Facebookにはプライベートなデータをさらけ出しているのに、更にそこまでデータをFacebookに提供するのはどうでしょうね。もちろん、考え方の違いで、それでもいいよという人もいるかもしれませんが。。

既に3300万人がインストール済?Wi-Fi使ってないの?

ちなみにTechCrunchによると、既に3300万人がOnave Protectをインストールしていて、そのうち38%がiOS、62%がAndroidだそうです。Facebook利用人口の中ではかなり少ないといえそうですが、それでもこれだけいるんですね。。この人達はWi-Fi使わないんでしょうか。心配になってきます。

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記事は以上です。

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