【カメラ付きAirPods】は今年は出ない——BloombergのMark Gurman記者がそう伝えました。2026年の製品計画から外れており、発売は早くて2027年秋とのことです。おととい私は「9月発表の可能性が高まった」と書いたばかりで、その前提が崩れた形になります。ただ、この報道、よく読むと矛盾ではなく時系列のからくりが見えてきます。順に整理します。

砂時計の砂は、まだ上にたっぷり残っています。画像はイメージです。
報道の中身
Gurman氏の報道の要点はこうです。
- カメラ付きAirPodsはサプライチェーンとソフトウェアの課題を抱えており、2026年の発売計画には入っていない
- 搭載されるのは低解像度のカメラで、Siriの視覚機能(Visual Intelligence)専用。写真や動画の撮影はできない
- 発売は2027年秋。20周年記念iPhoneと同じ時期になる可能性がある
注目すべきは、同氏自身が少し前まで「2026年9月の発表もあり得る」としていたことです。つまり外部の観測が割れたのではなく、同じ情報筋の中で話が変わった。ここに意味があります。
あのデモ動画は何だったのか
おととい書いたとおり、macOS Tahoe 26.7のリリース候補版には、カメラ付きAirPodsの完成した宣伝映像が入っていました。ナレーション付きで、本をSiriに覚えさせる場面まで作り込まれた代物です。出荷直前のビルドに宣伝映像。普通なら発表目前と読みます。私もそう読みました。
カメラ付きAirPods、macOSのRCに宣伝映像が同梱。9月発表の可能性が高まる
今回の報道と突き合わせると、絵が変わります。カメラ付きAirPodsには2つの型番がありました。
- B790 … AirPods Pro 3にカメラを足した版。最近まで2026年の計画に載っていたが、取りやめになった
- B798 … 次世代機。こちらが2027年に生き残った
つまりこういうことだと思います。B790は本当に今年出る予定だった。だから宣伝映像も作られ、OSに同梱される段階まで進んでいた。そしてぎりぎりで中止が決まり、映像だけが消し忘れられた。デモ動画は「発表目前の証拠」ではなく、中止が土壇場だったことの証拠だったわけです。
おとといの記事で「カメラ付きは再来年、という前提が崩れた」と書きましたが、崩れたのは一時的で、結局元の線(B798・2027年)に戻ったことになります。訂正しておきます。
「撮影できないカメラ」という設計は変わらない
ひとつ確認しておきたいのは、延期されても製品の性格は変わっていないことです。載るのは低解像度のカメラで、写真も動画も撮れない。あくまでSiriの目として、見ているものを理解させるための部品です。
これは技術的な妥協というより、意図した設計だと思います。「録画できる耳元のカメラ」は、プライバシーの議論を一身に浴びます。「撮影は物理的にできない」と言い切れる設計なら、その議論の大半をかわせる。1年延びた分、この説明をていねいに組み立ててくるはずです。
9月の発表イベントからは消えます
これで9月のイベントの目玉は、iPhone 18 Proと折りたたみのiPhone Ultra、Apple Watch、ホーム機器あたりに絞られてきました。コードから見つかっていた未発表製品の全体像はこちらにまとめてあります。
macOSのコードに未発表製品がぞろぞろ。ホームハブ、セキュリティカメラ、有機EL版iPad miniまで
デモ動画まで見せられて1年待たされるのは、正直じらされている気分ですが。。土壇場で止められる判断力は、むしろ健全だとも思います。
記事は以上です。
(記事情報元:MacRumors、Bloomberg)
※記事中の画像はイメージです。実機の写真ではありません。

