最近のAppleは1年に約2億台のiPhoneを売り上げている。四半期に換算してもiPhoneの販売台数は5000万台以上となり、この数字は多くのスマートフォンメーカーにとって1年の販売台数と同じほどだ。
現在世界で「iPhoneのことを聞いたことがない」というような人は殆どいないだろう。しかしiPhoneは最初からこれほどまでに人々の注目を集めたわけではなかった。実際、もし販売台数だけで見た場合、iPhoneの初期の売れ行きは「大したことなかったんですね」と言われても仕方がないかもしれない。
ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street Journal)の報道によると、2016年4月、Apple Watchが発売されて一年、このAppleにとって初めての”スマートウォッチ”の販売台数は1200万台になったとみられている。
実はこの数字、数字だけでみれば2007年に発売された初代iPhoneの2倍にもなるのだ。そして販売台数を売上金額に換算すると、Apple WatchはAppleに60億米ドル(約6,677億米ドル)をもたらし、これはFitbitの3倍となる。
マーケティングリサーチ会社のIDCが公表した数字によれば、市場シェア率では過去1年間でApple Watchが地球上のスマートウォッチの61%を占め、まさにトップシェアを誇っているのだ。
しかしやはり年間2億台も売るiPhoneのおかげで、1200万台という数字は小さく見えてしまうのも事実だ。
Appleはこのような批判を受けるのを恐れてか、これまでApple Watchの販売台数に関する一切の数字を公開しておらず、財務報告会議の際にApple Watchがどれだけの収入をもたらしたかを公開しているに過ぎない。アメリカ時間火曜日、つまり日本にとっては明後日にはAppleの会計年度2016Q2の財務報告会議が開かれる予定で、その際、iPhone、iPad、Mac等の製品ラインの売上げの2016Q1との比較が明らかになるが、Apple Watchの1年での販売台数の発表があるかどうかに注目が集まる。
アナリストの予測では、2016Q1のApple Watchの販売台数は300〜350万台だったとされている。
画蛇添足 One more thing…
当然ながら、現在のAppleと2007年のAppleは会社の規模も違う。AppleはiPhoneの大成功でその規模を拡大しており、販売力も資金力も、そしてブランド力も2007年の時よりも今の方が断然大きい。売上げ台数を比較する時に、その点は大いに考慮しなければならない。
しかし最初の伸び悩みはiPhoneも通った道。iPhoneもiPhone 4の時代から爆発的に売れるようになったのだ。今後、Apple Watchは改良を重ねることでiPhoneのように成功した製品として歴史にその名を刻むことができるだろうか。
発売から1年、販売当時に買った人で、今でもApple Watchを使っている人はいるだろうか?私もApple Watch(無印)を買ってまだ一応使ってはいるが、正直スタンドアラームとヘルスケア、それと一部の通知の確認くらいにしか使っていない。。他のデバイスでもいいんじゃないかと思ってしまうほどだ。
今後はApple WatchのiPhoneへの依存度を減少させ、できるだけ単体でネットワーク接続含む多くの機能が使えるようにしないと殆ど使い道がない状態だが、それを実現するためにはバッテリーのイノベーションが必要となるだろう。
記事は以上。
(記事情報元:ウォールストリート・ジャーナル)