ジョン・ターナス新CEOが就任初日の社内メモで「来週は驚異的なローンチ」と予告し、マーケティング担当のジョズウィアック氏も「9月9日にもっと話すことがある」と煽ったAppleの9月。実は先週発表済みの新型【Mac mini】【Mac Studio】が9月22日に発売となるため、9日のイベントで出る6製品と合わせ、1ヶ月のあいだに新製品が8つも店頭に並ぶことになります。ここ数年で最も忙しい9月です。発売日と価格を一覧にしたうえで、今年いちばんの関心事である「iPhone 18 Proはいくらになるのか」を、過去6年の値付けから考えてみます(円換算は1ドル=159円、1元=23.5円、以下同じ)。

8製品の発売日と価格の一覧
まずは全体像です。発表済みの2つは確定、残り6つは各種報道に基づく見込みです。
| 製品 | 状態 | 発売(見込み) | 米国価格 | 日本価格 |
|---|---|---|---|---|
| Mac mini(M6 / M5 Pro) | 発表済み | 9月22日 | 899ドル〜 | 149,800円〜 |
| Mac Studio(M5 Max / M5 Ultra) | 発表済み | 9月22日(512GB構成は10月下旬) | 2,499ドル〜 | 419,800円〜 |
| iPhone 18 Pro | 9日発表か | 18日か19日か | 1,199ドル〜(予想) | 未定 |
| iPhone 18 Pro Max | 9日発表か | 18日か19日か | 1,299ドル〜(予想) | 未定 |
| iPhone Ultra(折りたたみ) | 9日発表か | Proと同時か数週間内 | 2,000ドル超(予想) | 未定 |
| Apple Watch Series 12 | 9日発表か | 9月中 | 399ドル〜(据え置きなら) | 未定 |
| Apple Watch Ultra 4 | 9日発表か | 9月中 | 799ドル〜(据え置きなら) | 未定 |
| AirPods 5 | 9日発表か | 9月中 | 未定 | 未定 |
iPhoneの発売日は、ここ数年「イベント翌週の金曜」が通例で、今年なら9月18日(金)。ただし予約開始が9月12日の土曜にずれる可能性を先日お伝えしており、その場合は発売も1日後ろの19日(土)になるかもしれません。
| 9月9日の発表イベントが迫るなか、【iPhone 18 Pro】の予約開始日についての情報が出てきました。独Macworld系列のMacweltが確かな情報源からとして伝えたもので、例年の金曜日ではなく9月12日の土曜日、しかも時刻は通常の午前5時(米太平洋時間)ではなく午前0時になるというのです。日本時間に直すと9月12日(土)の夕方4時。本当なら、徹夜のいらない予約合戦になります。予想されるスケジュール 9月9日(火・現地) … 発表イベント。日本時間10日(木)午前2時 9月12日(土)午前0時(米太平洋時間) … iPhone 18 Pro / Pro... 【今年は土曜開始か】iPhone 18 Proの予約、9月12日(土)・日本時間の夕方4時になる可能性。9.11から25年への配慮で1日後ろ倒し - 小龍茶館 |
確定している2つ、Mac miniとMac Studio
先週、イベントを待たずにプレスリリースで発表された2機種です。法人のAI向け需要が想定を超えたため前倒ししたとされ、いずれも9月22日(火)発売。価格は米国のApple公式サイトによればMac miniが899ドル(約14万3,000円)から、Mac Studioが2,499ドル(約39万7,000円)からです。日本の公式サイトでは149,800円から、419,800円から。中国本土では6,999元(約16万4,000円)から、19,999元(約47万円)からとなっており、円で見ると今回は日本がいちばん安い、という珍しい並びになっています。なお、Mac Studioのユニファイドメモリ512GB構成だけは10月下旬にずれ込みます。
| 先日の【新型Mac mini / Mac Studio】の発表は、確かに妙でした。Appleは例年10〜11月に新型Macを出すのに、今年はiPhone発表イベントより前の8月末、しかもプレスリリースだけでひっそりと。その理由をThe Informationが報じています。いわく、法人によるAIハードウェアの需要が想定を大きく超え、Apple自身が不意を突かれたからだというのです。報道の中身 新型Mac mini / Mac Studioの前倒し発表は、法人のAIハード需要の急増への対応。経営陣にとってこの需要は想定外だった Appleは6月に「Business at the Park」という法人... 【AI需要にApple自身が驚いた】新型Mac mini/Mac Studioの異例の前倒し発表、理由は法人のAIハード爆買いとの報道。ただし「売る体制」がない - 小龍茶館 |
9日のイベントで出る6つ
- iPhone 18 Pro / 18 Pro Max: ダイナミックアイランドの縮小、A20 Proチップ、可変絞りカメラ。Pro Maxだけの大型バッテリー。新色ダークチェリーが主役の見込みです
- iPhone Ultra(折りたたみ): 閉じて約5.5インチ、開いて約7.8インチ。折り目を抑えた画面と液体金属のヒンジ。発売はProと同時か「数週間以内」とブルームバーグのガーマン記者。2027年延期説は後退しています
- Apple Watch Series 12 / Ultra 4: 数年ぶりの性能向上となるS12チップ、常時心拍計測、刷新されたFitnessアプリ。白いセラミック復活の情報も
- AirPods 5: macOS 26.7のコードに参照が見つかっており、準備は整っているとの報道。イベントでの同時発表が有力です
今年は無印のiPhone 18が9月に出ません。iPhone 18・18e・iPhone Air 2は2027年春に回され、9月は高い方のiPhoneだけ、という初めての構成です。Apple Watch SEの更新もありません。
| 9月9日の発表がほぼ確実視される折りたたみ【iPhone Ultra】ですが、「で、いつ買えるのか」という肝心の点は、報道が割れたままです。2027年への延期説から「9月出荷に遅れなし」説まで、この数ヶ月の情報を9to5Macが整理していたので(9to5Mac)。発表直前の頭の整理をしておきます。悲観から楽観への報道の流れ 悲観の起点: Nikkei Asiaが「2027年にずれ込む可能性」を報道。折りたたみ有機ELの歩留まりなど生産面の懸念が理由とされた すぐに否定: Bloombergのガーマン記者が「開発は9月に向けて順調(on track)」と延期説... 【結局、9月に買えるのか】折りたたみiPhone Ultraの発売時期を整理。2027年延期説は後退、ただし初回分は極少か - 小龍茶館 |
| 9月9日の発表を前に、Bloombergのガーマン記者がApple Watch Series 12 / Ultra 4の直前情報をまとめて伝えており、外観は現行を踏襲しながら、数年ぶりの性能向上とセラミックの復活、そして終日の心拍データ収集が見込まれています。見慣れた形のまま、素材と健康機能に手を入れるという、今回の更新の方向がかなり具体的になってきました。新チップと健康機能、今回の更新内容報道では、新チップはS11またはそれ以降とされており、Series 10からS10が続いてきた流れを受けて、処理性能が数年ぶりに引き上げられる見込みです。外観の... 【性能アップは数年ぶり】Apple Watch Series 12 / Ultra 4の直前情報まとめ。白セラミック復活、常時心拍計測、刷新Fitnessアプリ - 小龍茶館 |
iPhone 18 Proはいくらになるのか
ここからが本題です。メモリやストレージの調達価格が上がっていることから、アナリストの間では「Proは200〜300ドルの値上げもありうる」という見方が7月に出ました。現行の17 Proは1,099ドルなので、上限なら1,399ドル(約22万2,000円)です。一方でガーマン記者は8月、Appleはコスト増の一部を自ら吸収し、SamsungやGoogleと同じ「100ドル上げ」にとどめると報じました。この線なら18 Proが1,199ドル(約19万1,000円)、18 Pro Maxが1,299ドル(約20万7,000円)です。私もこの100ドル説が本線だと見ています。折りたたみのUltraは、ガーマン記者が繰り返し言っているとおり2,000ドル(約31万8,000円)超で、256GBの最安構成が2,000〜2,300ドルという幅が語られています。
では日本ではいくらになるのか。これを考えるには、過去の値付けを地域ごとに並べるのがいちばんです。iPhone 11 Proから17 Proまで、最安構成の発売時価格を米国・日本・中国本土で追いました。
3枚並べると、同じ製品とは思えないほど違う曲線です。米国は6年間999ドルで動かず、昨年の17 Proでようやく1,099ドル(ただし最安構成が128GBから256GBに上がったので実質据え置きに近い)。日本は11 Proの11万7,480円が17 Proの発売時に17万9,800円、6年で53%の値上がり。米国の10%の5倍です。しかも17 Proは2026年7月18日に19万4,800円へさらに値上げされました(発売時から8%増、11 Proと比べると66%増。Impress Watch)。もちろん製品が高くなったのではなく、円が安くなった。現行の日本価格(税込19万4,800円)をドル価格で割ると1ドル=177円相当、消費税を除けば約161円で、Appleはほぼ実勢のレートで日本価格を決めています。同じ比率を1,199ドルに当てはめると約21万2,500円、切りのいい数字にするなら21万4,800円あたりが、100ドル値上げ時の日本価格の見立てです(当ブログの試算です。9月5日、7月の値上げを反映して計算し直しました)。
中国だけ「値下げ」していた6年間
そしていちばん面白いのが中国本土です。11 Proの8,699元から12 Proで8,499元、13 Proでは7,999元へと、米国も日本も上げなかった年に中国だけ500元下げています。その後4世代にわたって7,999元を維持し、17 Proでやっと8,999元。6年でたった3%です。2021年といえばHuaweiが米国の制裁でスマホ事業を大きく縮小し、Appleが中国のハイエンド市場を一気に取りに行った年。あの値下げは、その攻勢の一部でした。逆にいまはHuaweiが復活して高価格帯で正面からぶつかっているのに、17 Proで1,000元上げた。Appleの中国での自信のほどが値付けに出ています。
ただし中国には、日本にない事情がひとつあります。2025年から続く政府のスマホ購入補助金(6,000元以下の機種に15%、上限500元)は、Proの価格帯にはまったく届きません。無印のiPhone 17は補助の対象で大いに恩恵を受けましたが、Proは自力です。18 Proが100ドル上がれば中国では9,999元(約23万5,000円)という数字が現実味を帯びます。日本の見立て21万4,800円より、中国の方が2万円ほど高い。かつては「中国本土版は安い」が当ブログの定番ネタでしたが、円安ですっかり逆転しました。
答え合わせは日本時間9月10日の午前2時です。8製品のうち、当ブログがまず買うのはもちろん中国本土版のiPhoneですが、今年はそれが何元でも、日本の読者に「安いから中国で買え」とは言えそうにありません。
記事は以上です。
(記事情報元:MacRumors、9to5Mac、MacRumors、価格はApple公式サイト各国版)
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