Appleは日本時間本日2022年3月15日未明(午前2時頃)に、iPhone用OS【iOS 15.4】及びiPad用OS【iPadOS 15.4】をリリースしました。一つ前のバージョン、iOS 15.3.1/iPadOS 15.3.1リリース(2022年2月11日)から1ヶ月と4日でのリリースとなりました(2月が短かったのでほぼ1ヶ月)。今回のアップデートの特徴はなんといってもiPhone 12以降でマスク着用でのFace ID使用が可能になったことです(Apple Watchも不要に)。なお、macOS Monterey 12.3もリリースされており、こちらではiPadとの連携をよりシームレスにするユニバーサルコントロール(ベータ)が追加されました。
iOS 15.4アップデートの内容・修正点、リリースノート
AppleはiOS 15.4のアップデートのリリースノートで、以下のように記しています。
iOS 15.4では、iPhone 12以降を対象に、マスクを着用したままFace IDでロックを解除できる機能が追加されます。このアップデートには、新しい絵文字のほか、SharePlayのセッションを対応Appから直接開始できるオプションが追加され、iPhoneのその他の機能及びバグ修正も含まれます。
Face ID
iPhone 12以降で、マスクを着用したままFace IDを使用できるオプション
Apple Pay、およびSafariとApp内のパスワード自動入力で、マスクを着用したままFace IDを使用可能
絵文字
絵文字キーボードで、顔の表情、手のジェスチャー、調度品などの新しい絵文字を使用可能
握手の絵文字で、それぞれの手に別々のスキントーンを選択可能
FaceTime
SharePlayのセッションを対応Appから直接開始可能
Siri
iPhone XS、iPhone XR、iPhone 11以降では、オフラインの間もSiriが日付と時刻の情報を応答可能
ワクチン接種カード
- “ヘルスケア”がEUデジタルCOVID証明書に対応し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン接種、検査結果、および回復状況の検証可能な記録をダウンロードして保存可能
- Appleウォレットの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン接種カードがEUデジタルCOVID証明書の書式に対応
このリリースにはiPhone用の以下の機能向上も含まれます:
- SafariのWebページ翻訳機能がイタリア語と中国語(繁体字)に対応
- Podcast Appにエピソードフィルタが追加され、シーズンや再生済み、未再生、保存済み、またはダウンロード済みのエピソードを絞り込み可能
- iCloudのカスタムメールドメインを“設定”から管理可能
- “ショートカット”が“リマインダー”とのタグの追加/削除/検索に対応
- “緊急SOS”の設定をすべてのユーザを対象に“長押しして通報”を使用するように変更。“5回押して通報”は“緊急SOS”の設定のオプションとして今後も利用可能
- “拡大鏡”のクローズアップ機能で、iPhone 13 ProとiPhone 13 Pro Maxの超広角カメラを使用して小さなものを見やすくすることが可能
- “設定”で保存済みのパスワードに自分用のメモを追加可能
このリリースにはiPhone用のバグ修正も含まれます:
- キーボードで入力した数字の間にピリオドが挿入される場合がある問題
- 写真とビデオがiCloud写真ライブラリに同期されない場合がある問題
- “ブック” App内で“画面の読み上げ”のアクセシビリティ機能が予期せず終了する場合がある問題
- コントロールセンターでライブリスニングをオフに切り替えてもオフにならないことがある問題
一部の機能は、地域やAppleデバイスによっては使用できない場合があります。
Appleソフトウェア・アップデートのセキュリティコンテンツについては、以下のWebサイトをご覧ください:
iPadOS 15.4アップデートの内容・修正点、リリースノート
AppleはiPadOS 15.4のアップデートのリリースノートで、以下のように記しています。
ユニバーサルコントロール
- ユニバーサルコントロールにより、1組のマウスとキーボードでiPadとMacの両方を操作可能
- テキスト入力はiPadまたはMacのどちらからでも可能、また両者間でファイルのドラッグ&ドロップが可能
絵文字
- 顔の表情、手のジェスチャー、調度品などの新しい絵文字
- 握手の絵文字で、それぞれの手に別々のスキントーンを選択可能
FaceTime
SharePlayのセッションを対応Appから直接開始可能
Siri
A12Z Bionic以降を搭載したiPad Proでは、オフラインの間もSiriが日付と時刻の情報を応答可能
このリリースにはiPad用の以下の機能向上も含まれます:
- iPad(第5世代以降)、iPad mini(第4世代と第5世代)、iPad Air 2、iPad Air(第3世代と第4世代)、およびiPad Proで、音量コントロールをiPadの向きに合わせて調整されるように設定可能
- iCloudのカスタムメールドメインを“設定”から管理可能
- SafariのWebページ翻訳機能がイタリア語と中国語(繁体字)に対応
- Podcast Appにエピソードフィルタが追加され、シーズンや再生済み、未再生、保存済み、またはダウンロード済みのエピソードを絞り込み可能
- “ショートカット”が“リマインダー”のタグに対応。“ショートカット”を作成および編集するときにタグの追加/削除/検索が可能
- セキュリティに関する勧告を非表示にすることが可能
- “設定”で保存済みのパスワードに自分用のメモを追加可能
このリリースにはiPad用のバグ修正も含まれます:
- キーボードで入力した数字の間にピリオドが挿入される場合がある問題
- 写真とビデオがiCloud写真ライブラリに同期されない場合がある問題
- “ブック” App内で“画面の読み上げ”のアクセシビリティ機能が予期せず終了する場合がある問題
- コントロールセンターでライブリスニングをオフに切り替えてもオフにならないことがある問題
一部の機能は、地域やAppleデバイスによっては使用できない場合があります。Appleソフトウェア・アップデートのセキュリティコンテンツについては、以下のWebサイトをご覧ください: https://support.apple.com/ja-jp/HT201222
iOS/iPadOS 15.4の主な変更点
iOS/iPadOS 15.4でのアップデートは、上述の通り目玉機能の追加としては、iPhone 12シリーズ以降でマスク着用時のFace IDが使用できるようになったことが大きいでしょう。これまではApple Watchを使用すれば「ロック解除のみ」可能でした。しかし今回マスク着用時用のFace ID認証を一回登録すれば(Face ID登録の際にはマスク着用の必要なし)、今後はFace IDはマスクを着用したまま全ての機能をフルで使えることになります。
iOS 15.4/iPadOS 15.4アップデート後の起動の際に、すぐにマスク着用時のFace IDを登録するか尋ねられるので、通常のFace IDを登録する手段でマスク着用時の顔を登録すればOKです(上記の通り、マスク着用は必要ありません)。なお、メガネも追加できるので、メガネを着用されている方はいくつかメガネを登録しておくとよりスムーズにFace ID認証ができるようになるでしょう。
私はずっとApple Watchでマスク着用時のロック解除をしていましたが、やはり支払いなどのFace ID認証が発生したときにマスクをずらすのがとても嫌でした。が、今回のアップデートでようやくマスクをずらさなくて済むようになりました。Apple Watchの着用を忘れてしまった時でも、マスク着用時のロック解除は当然できるようになります。
ただ、こんな機能は新型コロナウイルス感染症(COVID-19が)本格的にパンデミックとなった一昨年にはリリースしておくべきだったのではないでしょうか。2年も遅れての機能追加、もちろんそんなに新型コロナウイルス感染症でのマスク着用が長引くとは思っていなかったかもしれませんが。。ただAppleお膝元の米国でもいくつかの州ではマスク着用の義務化を廃止したり、世界的にはWithコロナ政策に向かっていて、だいぶマスク着用意識がなくなってきたところでこのリリース。。やはり遅かったと思います。ただまだまだゼロコロナを貫く私が住んでいる中国ではかなりマスク着用の機会が多いので、まだまだ重宝する機能だとは思いますが。
また、マスク着用時のFace ID認証機能追加はiPhone 12シリーズ以降だということも要注意です。これまでのFace ID搭載機種であるiPhone X/XS/XR/11シリーズでは、恐らくTrueDepthの機能がそこまで優れていないため、マスク着用時のFace ID認証が実現しなかったものと推測されます。
なお、iPadOS 15.4ではユニバーサルコントロール(ベータ)が追加されました。1つのマウスとキーボードがMacとiPadで使えるようになります。が、私は基本的にiPadはSideCarで使っていてこの機能は必要ないと感じてしまいました。統合への更なる一歩だとは思うのですが。。
その他のApple OSもアップデート
macOS Monterey 12.3
Mac用のmacOSも12.3にアップデートされました。
AppleはmacOS Monterey 12.2.1のアップデートのリリースノートで、以下のように記しています。
macOS Monterey 12.3
macOS 12.3にはユニバーサルコントロールが追加され、1組のマウスとキーボードでMacとiPadの両方を操作できるようになります。このアップデートには、新しい絵文字、“ミュージック”のダイナミックヘッドトラッキング機能、およびMac用のバグ修正も含まれます。
ユニバーサルコントロール(ベータ)
- ユニバーサルコントロールにより、1組のマウスとキーボードでiPadとMacの両方を操作可能
- テキスト入力はMacまたはiPadのどちらからでも可能、また両者間でファイルのドラッグ&ドロップが可能
空間オーディオ
- M1チップを搭載したMacで、対応するAirPodsを使用時に“ミュージック”でダイナミックヘッドトラッキングを使用可能
- M1チップを搭載したMacで、対応するAirPodsを使用時に“オフ”、“固定”、“ヘッドトラッキング”の空間オーディオ設定をコントロールセンターでカスタマイズ可能
絵文字
- 絵文字キーボードで、顔の表情、手のジェスチャー、調度品などの新しい絵文字を使用可能
- 握手の絵文字で、それぞれの手に別々のスキントーンを選択可能
このリリースにはMac用の以下の機能向上も含まれます:
- Podcast Appにエピソードフィルタが追加され、シーズンや再生済み、未再生、保存済み、またはダウンロード済みのエピソードを絞り込み可能
- SafariのWebページ翻訳機能がイタリア語と中国語(繁体字)に対応
- “ショートカット”が“リマインダー”でのタグの追加/削除/検索に対応
- 保存済みのパスワードに自分用のメモを追加可能
- バッテリー容量の測定精度を改善
このリリースにはMac用の以下のバグ修正も含まれます:
- TVアプリケーションでビデオを視聴中にオーディオが歪んで聞こえることがある問題
- “写真”のアルバムを整理する際に写真やビデオが意図せず移動されることがある問題
一部の機能は、地域やAppleデバイスによっては使用できない場合があります。Appleソフトウェア・アップデートのセキュリティコンテンツについては、以下のWebサイトをご覧ください: https://support.apple.com/ja-jp/HT201222
こちらもiPadOS 15.4と同様、ユニバーサルコントロール(ベータ)がフィーチャーされていますね。しかしユニバーサルコントロールは使わずSideCarで主にiPad(iPad Pro 10.5インチモデル)をサブディスプレイとして使用している私がmacOS Monterey 12.3にアップデートして気付いたのは、これまでメニューバーの画面アイコン>画面ミラーリングからわざわざシステム環境設定のディスプレイ設定に入ってからiPadを選択しなければいけなかったのが、最初のメニューバーの画面アイコンを開いたところのメニューにすぐにiPad Proが表示され、一発で画面ミラーリングができるようになって便利になったということです。もっとも、ユーザの利便性を優先しているはずのAppleなら、もっと早くこんな簡単なことは達成していて欲しかったですが。。
▼画面ミラーリングのボタンをクリックすると。。
▼このようなサブメニューが現れ、画面ミラーリング(SideCar)の接続先をすぐに選択できるようになりました。
watchOS 8.5
Apple Watch用のwatchOSも8.5にアップデートされました。バージョンが足並み揃わないのは以前と一緒ですね。
AppleはwatchOS 8.5のアップデートのリリースノートで、以下のように記しています。
watchOS 8.5には、以下の新機能と機能改善、およびバグ修正が含まれます:
- Apple TVでの購入とサブスクリプションの承認機能
- Appleウォレットの新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチン接種カードがEUデジタルCOVID証明書の書式に対応
- 心房細動の検知を改善するために設計された不規則な心拍の通知のアップデート。この機能は、米国、チリ、香港、南アフリカ、およびその他多数の地域で使用可能。バージョンを確認するには、こちらにアクセスしてください: https://support.apple.com/ja-jp/HT213082
Appleソフトウェア・アップデートのセキュリティコンテンツについては、以下のWebサイトをご覧ください: https://support.apple.com/ja-jp/HT201222
細かい機能向上はありますが、今回はマスクなどの装着時にiPhoneのロック解除というApple Watchの大きな役割が削られてしまったのでちょっと寂しい内容となりましたね。
tvOS 15.4
AppleはApple TV用のtvOS 15.4アップデートもリリースしています。こちらはセキュリティアップデートとバグ修正となっています。
アップデートはOTAで可能
iOS/iPadOS 15.4へのアップデートは、端末の設定>一般>ソフトウェアアップデート、或いはiTunesから可能です。小数点1桁アップデートで、アップデータの容量はそこそこあります。私のiPhone 12 Pro MaxではiOS 15.3.1からのアップデートパッケージは1.25GBとなっています。
アップデートにかかる時間はデバイスやネットワーク環境などによって変わりますが、アップデート実行中には作業ができなくなるので、できるだけ時間に余裕を持って行いましょう。また、安定したWi-Fiが入るところで充電をしながら行うのが確実です。一番いいのは寝る前にダウンロードして、その後インストール(アップデート)指示をしておくことですね。
最新ハードウェアiPhone 13シリーズ/iPhone SE 5G等用を含む、iOS 15.4/iPadOS 15.4オリジナルファームウェアのダウンロードはこちらから
最新の【iPhone 13 mini/iPhone 13/iPhone 13 Pro/iPhone 13 Pro Max/iPhone SE 5G】用も含め、iOS 15.3/iPadOS 15.4のファームウェア(OFW)のダウンロードリンクはこちらです(順次アップデート予定)。
基本的にはiOSは最新バージョンにしか復元できないようになっていますが、先にファームウェアをダウンロードしておいて複数台をアップデートする、或いは一つ前のiOSでSHSHが発行されているバージョンへのダウングレードやバージョン維持復元の用途でお使いいただけると思います。
記事は以上です。