今年開始されたAppleのミュージックストリームサービス【Apple Music(アップルミュージック)】はなかなかの好評のようだ。
音楽業界分析会社のMidia ResearchのアナリストMark Mulligan氏のレポートによると、今年のApple Musicは善戦し、来年の展望も明るいという。Mulligan氏によれば、Apple Musicの2015年の有料ユーザ数は”800万人にごく近い数字”だという。また来年2016年末には、その数字は倍以上となり、2000万人ほどになるのではないかとされている。
ちなみにApple Musicの最大のライバルと言われるSpotifyは今年6月、既に7500万人のアクティブユーザがおり、そのうちの2000万人が有料ユーザだという。
もしMidiaの予測通りApple Musicが発展したとすれば、Spotifyと同じ2000万人の有料ユーザを抱えることになり、Spotifyはサービス開始からこの2000万人になるまでに7年かかったことから、Appleはそれを5年短縮したことになる。
AppleはApple Musicに巨額のリソースを投入している。大量の広告以外にも、高額でBeatsを買収したり、提携を結んでいるレーベルに多めに支払ったり(73%で、Spotifyより3%多い)、Androidのアプリをリリースしたり、潜在ニーズが大きいとみられる中国市場に入り込むなどによって、相当な支出があったとみられる。
Apple Musicは恐らくAppleの成功したインターネット・サービスといわれるようになるだろう。本来はハードウェアが本業のAppleは、かつて音楽SNSのPingやMobile Meなどのインターネットサービスを展開してきたが、悉く失敗に終わっている。唯一成功しているのは既にエコシステムの一部となっているiCloudくらいなものだった。Apple MusicはAppleにとって社運をかけたプロジェクトであり、これからもそうなっていくことだろう。
画蛇添足 One more thing…
Apple Musicは、Apple上級副社長のエディー・キュー(Eddie Cue)の肝煎りプロジェクトでもある。しかし実は前途多難だ。それは今年アマゾンプライム(Amazon Prime)ミュージックもストリーミングサービスを始め、瞬く間にユーザを獲得しているからだ。
アマゾンプライムミュージックはアマゾンプライムに加入していれば利用可能なサービスで、年間3,980円と、月間980円もするApple Musicより断然安い上に、Apple Musicは音楽しか利用できないが、アマゾンプライムでは更に映画やテレビ番組なども楽しむことができる上に、本来のアマゾンのプライムサービスももちろん使うことができる。アマゾンプライムは確かに音楽の曲数や映画やドラマの配信数はAppleには劣るものの、AppleのiTunes Storeにはないものもある上に、オススメプレイリストなども充実しており、お値段以上の感覚がある。
私はApple Musicに入っていなくてももともと相当数の曲数を抱えていたため、音楽クラウドサービスはiTunes Matchのみで事足りていた(おかげで端末側の容量を削ることができて大助かりではある)。しかしApple MusicとiTunes Matchに二重にお金を払うのはバカバカしいので、結局Apple Musicは3ヶ月の無料期間中に解約し、現在は音楽ストリーミングサービスはアマゾンプライム一本に絞っている。ブラウザベースで映画やドラマ作品を見られるのも嬉しい。
Apple Musicももっと工夫していかないと、競合他社にやられてしまう可能性がある。
記事は以上。
(記事情報元:CnBeta)