既にメディアで書き立てられているため多くの方がご存じとは思いますが、Appleはバッテリ容量の低下による突然のシャットダウンなどを防ぐため、iOSによって旧機種の性能を故意に下げていたことがわかりました。
問題だったのは、それをユーザに一切知らせず、メディアによる検証によってそれが判明し、それを後から認めたというその行為にあります。Appleは否定していますが、その行為によって、iOSをアップデートすることで旧機種を使用していたユーザが端末が遅くなったように感じ、最新機種に買い替えたいと感じるように暗に仕向けていると捉えられても仕方がないことです。
しかもOSによって勝手に本来の端末が持つ性能を下げる、という行為そのものが感心できるものではありません。Appleは選択式にして、ユーザの同意を経てから、その機能をオンにするようにするべきでしたが、その過程を怠ったのです。
結局この件はアメリカで集団訴訟にまで発展することになってしまいました。
iOSによる旧機種の性能が下がることに対する謝罪、そして1ヶ月前倒しで開始されたバッテリー値下げ
Appleのスポークスマンは、メディアを通じて上記の行為について公式に謝罪しました。そして、その対策として旧機種(iPhone 6シリーズ〜iPhone 7シリーズ、但しiPhone 7シリーズは後から追加)のバッテリー交換を50米ドルほど大幅に値下げし、29米ドルで交換できるようにしました。早いところで、先週土曜日、つまり昨年12月30日には値下げ価格で交換が可能になっていたようです。
記事公開をした1月2日で既に世界中のApple Storeで交換可能となっています。これは本来の予定を更に1ヶ月前倒しした結果とのことです。とはいえ、バッテリーの在庫の関係で、現在すぐに交換できることを保証するものではないとのことです。
バッテリー交換の条件、20%以上の消耗が必要
iPhoneのバッテリーを交換するには、Appleのサポートアプリ等公式ルートでの予約が必要です。また、購入時のレシートなどの購入記録が必要です。そして、20%以上バッテリーが消耗していることが条件とされていますが、それは絶対ではないということです。
期限は2018年末まで
ちなみにこのバッテリー交換値下げは、2018年末までと期限が切られています。
ということは、AppleはiOSの仕様を年末までは変更しないということなのかもしれません?いずれにせよ、ユーザとしてはとても納得のいかない対応をされた気がしています。
ちょうどiPhoneの更新時期において、PRとしては悪夢のような事件
昨年末の年末商戦前にようやく新機種のiPhone Xの供給が追いつき、Appleとしては高価なiPhone Xへの買い替え需要を掘り起こすチャンスだった時期に上記のようなマイナスイメージが先行することは、AppleのPRにとってはほとんど悪夢のような事件だったと言わざるを得ません。そんな中、Appleはすぐにバッテリー交換を大幅値下げすることで、新機種への交換が目的ではなかったということを無理矢理アピールしようとしています(しかしバッテリーの原価を考えると、それでもAppleにとっては儲けでしかないのですが)。
業界に与える影響:iPhone修理屋への影響は?
Apple公式でバッテリーが廉価に交換できるようになることは、Apple公式のバッテリー交換が高価でしかも預けなければいけないという面倒を省き、その場で廉価で交換可能になっていたサードパーティのiPhone修理屋にとっては大変な衝撃なのかもしれません。
ただ、やはりその場で交換可能というのはやはりiPhone修理屋に依頼するメリットとして残るのは間違いありません。
Appleの対策は功を奏するか?
Appleはバッテリ交換を安価で提供するという対策で、果たして集団訴訟まで起こした怒れる群衆を鎮めることができるでしょうか?ニュースで今後騒がれなくなれば成功かもしれません。。
実際iOS上で旧機種の性能低下をしていたこと自体がどう変わっていくのか、当ブログでも引き続き観察していきたいと思います。
記事は以上です。
(記事情報元:CNN)