Appleは日本時間本日2018年1月9日未明に、モバイルデバイス用OS、iOS 11.2.2正式版をリリースしました。iOS 11.2としては二度目の小数点2桁のアップデートとなりました。iOS 11としては通算9つ目のバージョンアップとなります。一つ前のバージョン、iOS 11.2.1が12月14日にリリースされてから、26日でのリリースとなりました。これはセキュリティ・アップデートが優先されたことから急遽リリースされたため、イレギュラーな日程になったと思われます。
iOS 11.2.2アップデートの内容・修正点、リリースノート
以下がAppleによるiOS 11.2.2のリリースノートです。
iOS 11.2.2にはセキュリティアップデートが含まれ、すべてのユーザに推奨されます。
このアップデートのセキュリティコンテンツについては、次のWebサイトをご覧ください:
https://support.apple.com/ja-jp/HT201222
引用元:Apple
CPUに存在する重大なセキュリティホールを修正
今回のアップデートにおける最大の修正点は、重大なセキュリティホールの修復です。
先日から話題になっている、ここ15年ほどで製造されたインテル(Intel)・ARM・AMDのCPUに存在する、本来は特権がないとアクセスできない、重要なデータが収納されているカーネルメモリにアクセスできてしまうようになるセキュリティホール、”Meltdown(インテルのCPUに存在)”と”Spectre(インテルではないCPUに存在)”の2種類のうち、ARMのアーキテクチャを基本とするAppleのAシリーズチップを搭載するiOSデバイスに存在するセキュリティホール”Spectre(後者)”の脅威を退けるのが今回のアップデートの最大の目的といえるでしょう。
ちなみに、”Spectre”を利用するのはハッカーとしても非常に難しいようで、そこまでの危険性はないとされています。とはいえ、”Spectre”を利用されて攻撃されると、カーネルメモリにアクセスされるようになり、全てのプライベートのデータが盗まれてしまうため、万一に備えてアップデートをしておくことをお勧めします。
スピードダウンするかどうかは検証が必要
過去の情報では、上記の”Meltdown”と”Spectre”のセキュリティホールのパッチを適用すると、CPUの速度が落ちてデバイス全体のパフォーマンスが低下するという情報がありました。
今回のiOS 11.2.2の修正では果たしてiPhone/iPadのスピードが落ちるのかどうかは検証が必要かもしれません(Appleとしては、iOS 11.2以降でも一部のパッチを適用しているとしていて、それはスピードダウンには繋がっていません)。当方でも実際に既に手持ちのiPhone Xをアップデートしていますので、暫く使って検証してみたいと思います(半日使った限りは特に性能低下は感じません)。
OTAでアップデート可能
例によって、設定>ソフトウェアアップデートから、OTAアップデートが可能です。iOS 11.2.1からのOTAアップデートですと、自宅にあるデバイスのアップデート容量は以下の通りです。
- iPhone X: 75.5MB
- iPhone 7 Plus: 66.5MB
- iPad Pro 10.5インチ: 65MB
いつもの通り、小数点2桁アップデートのアップデート容量となります(少し大きめ)。ダウンロードやアップデートには少々時間がかかるので、余裕をもって行いましょう。
脱獄する人はアップデートを待て
もちろん、脱獄フリークの方はアップデートは避けましょう。もしかしたら、Spectreを利用した脱獄ツールが準備されているかもしれません。。が、今のところ具体的な情報はありません。現在のところ、iOS 11.1.2以下の脱獄ツールが開発中との情報があります。
そして脱獄する必要がなければ、今回は重大なセキュリティの修正が行われているので、迷わずアップデートしておくのがいいでしょう。
iPhone X用ファームウェアを含む、iOS 11.2.1オリジナルファームウェアのダウンロードはこちらから
【iPhone X】用も含め、iOS 11.2.2のファームウェア(OFW)のダウンロードリンクはこちらです(順次アップデート予定です)。
先にファームウェアをダウンロードしておいて複数台をアップデートする、或いは一つ前のiOSでSHSHが発行されているバージョンへのダウングレードやバージョン維持復元の用途でお使いいただけると思います。
なお、Mac用にはmacOS High Sierra 10.13.2追加アップデートがリリースされており、こちらでは”Meltdown”の修正が行われています。
記事は以上です。