Apple Watchがリリースされてから1週間も経たないうちに、多くの人がApple Watchの脱獄(ジェイルブレイク、Jailbreak)について考え出した。既に一部のハッカーやデベロッパーが、Apple Watchの脱獄について語り合っていたりする。
なぜ多くの人がApple Watchの脱獄について興味を示すのだろうか?答えは複雑だ。
恐らく、初代iPhoneがリリースされた頃のiPhone OSと、現在のApple Watchは似ているところがあるからだろう。初代iPhone(iPhone 2G)がリリースされた頃、その機能は非常に限定的だった。コピーペーストもできなかったし、壁紙も変更することができなかったし、もちろんApp Storeさえなかったから、Appleによるネイティブアプリを使うしかなかった。
Apple Watch用のWatch OS 1.0も同じで、時計の表示部分については一切サードパーティによる可変が認められないなど、多くの制限がある。
つまり、脱獄がApple Watchに更に多くの可能性をもたらしてくれるのだ。iOSと同様に。
では、具体的にはどんな可能性が求められているのだろうか?中国のメディアWeiPhoneが10個にまとめている。
1. カスタマイズ可能な時計表示
Pebble等の他のスマートウォッチは、時計表示部分をカスタマイズすることができる。しかしApple Watchではオリジナル・ネイティブで用意されたものを多少カスタマイズするくらいのことしか許されておらず、ユーザは自分の好きな絵を背景にすることさえできない。
脱獄することで自由に設定できるようになったらどんなにいいことだろう。他のスマートウォッチにできてApple Watchにできないとなると、問題だし。
2. アプリの速度
現在のApple Watch用のアプリは基本的にiPhoneアプリの延長線上でしかない。そしてApple Watch上のアプリも常にペアリングされたiPhone上のアプリと情報のやりとりが行われており、最も影響しているのがスピードだ。脱獄によるアプリによって、Apple Watch用のアプリがもっと起動や実行速度、そして反応速度の問題を解決し、Apple WatchのiPhoneへの依存度が下がるようになったらもっといいかもしれない。
3. スリープに入る時間を調整可能に
初期のApple Watchへの評価の中で、多かったのがApple Watchの画面がスリープになる時間があまりにも早すぎるというものだった。もしApple Watchが脱獄できれば、この部分が改変できて解決に繋がるだろう。
4. テーマのカスタマイズ
時計表示はどれも美しいが、もしテーマがカスタマイズできたらもっとすごいことになろう。
Apple Watch版のWinterBoardは出ないだろうか?
5. バッテリー持続時間を増強するTweak
Apple Watchの省電力モードは正直あまりにやり過ぎで、基本的に全ての機能をシャットダウンし、時間のみの表示しかできなくなる。もし脱獄Tweakで不要なバッテリーを消耗する機能を逐一オフにすることができたら、そして多くの日常よく使う機能だけ残すことができたらどんなにいいことだろう。
6. Activatorを作動させる
通常のiOSでは許されていない様々な動作による操作を可能にする脱獄アプリ、Activator。ActivatorはiOSデバイス上では非常に実用的だった。Apple Watch上でも様々な動作に機能を割り当てられたら、実用的になるかもしれない。
7. 更に豊富なTaptic Engine
Apple Watch上のTaptic Engine(タプティック・エンジン)のタッチ反応テクノロジーは、いまいち反応がよくない感じがする。もし脱獄によってこのタッチ反応強度や反応率などを調整できたら、インタラクティブな操作体験が良くなる可能性がある。
8. 更に複雑な機能をカスタマイズ
Apple Watchの時計表示の部分では、多くの機能を搭載可能だ。例えばアラーム、天気、日の出と日没の時刻表示など。しかし脱獄をすることで更に複雑な表示ができないだろうか。例えば未読ツイートや未読メール数を表示するなど。
9. Webブラウジングを可能に
周知の通り、Apple WatchにはSafariが搭載されておらず、つまりApple WatchにはWebブラウザがないということだ。Apple WatchではWebを閲覧することが今のところはできない。Apple WatchでWebサイトをブラウジングすることは、画面が小さいといえども一部にその需要があるのは間違いない。
10. Apple Watchのスピーカーから音源を再生する
現在でもApple Watchでは通話を受けることもできる。なら、なぜ直接スピーカーで音源を再生してはいけないのだろうか?
画蛇添足 one more thing
iOSも、脱獄と共にその歩みを進めてきた。iOSのバージョンが新しくなるたびに、脱獄で使われていた便利なツールのアイデアが採用されてきた。コピー&ペーストや、通知センター・コントロールセンターなどはその代表的なものだ。
Apple Watchも脱獄をすることで、デベロッパは需要が高いと思われるものから作っていく。Appleにとっても脱獄は痛し痒しなのだ(どちらかというとありがたいのかもしれない)。
ただ、Apple Watchの脱獄の前にiOS8.2〜iOS8.3の脱獄が必要だが、まだそれさえもできていないのが現状だ。
焦らずゆっくり待ちたいものだ。
ちなみに、私個人としては上の10個以外に、グランスに入る数をもっと増やすか、もっと便利にアクセスできるようにしてほしい。
記事は以上。
(記事情報元:WeiPhone)