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iPhone5cは来年生産終了、組立工場は大丈夫?

昨日日本でも駆け巡ったiPhone5cが来年生産終了するというニュース。

現在既にかなりの国や地域で販売が終了しているiPhone5cだが、中国など低価格市場では今だにiPhone5cの販売が続けられている。実際それほど安くはないのだが。。
製品ラインナップを単純化したいAppleにとって、確かに来年の第三四半期で発表されるであろう次世代iPhoneの発表が、iPhone5cを完全に引退させる一大チャンスとなる。

しかし、実は現在Apple iPhone5cの組立委託先となっている”維創”が、iPhone5cの生産終了によって危機に陥るのではないかという懸念が業界内外からにわかに立ち上った。というのも、同社は現在iPhone5cしか製造していないからだ。

しかしその心配事はどうやら杞憂に終わるようだ。来年の同社のスマートフォンの出荷計画は今年の70%増と順調な成長を見せており、更に来年後半にiPhone5cの販売が終了しても、Appleのこれまでのサプライヤーとの契約方法の慣例に従えば、iPhone5sなどまだ生産が続くと思われる端末の組立によってiPhone5cの生産停止分を補うことになっているため、恐らく”維創”とAppleの協力関係は続いていくものと思われる。

“維創”自身は単一の顧客に関する評価はしないとしてコメントを避けているが、同社の来年のスマートフォン出荷数量が7割増加し2,500万台になるといい、近年のAppleのサプライヤー戦略としてiPhoneやiPadをそれぞれ3社で組み立てるというものがあるため、Appleはそう簡単に”維創”を見限らないだろうというのが業界筋の見方だ。

更なる業界筋の情報によれば、来年iPhone5cを引退させる理由として、全てのiPhoneシリーズにTouch ID(指紋識別システム)を搭載したいという思惑があるからとのこと。来年のiPhone6s或いはiPhone7が登場するタイミングがもっともiPhone5cを引退させるにはいいタイミングだ。そしてAppleから既に中級クラスと評価されている”維創”は、来年後半からはiPhone5cではなくiPhone5sの組立を任されるのではないかという。

“維創”が以前の業績予測で今年第四四半期の出荷量が5%減少するという数字を出したことから、株価が売り越しに転じる影響があったが、11月に入ってから17営業日を過ぎて、株価は14.85%も上昇している。

“維創”の運営の展望として、同社の予測は来年の出荷量はほぼ変わらず、0〜3%の成長となるということだが、もしiPhone5cからiPhone5sなど組立機種の変更があった場合には組立装置の刷新が必要となってくる。そのため、”維創”は現在のところその予算を1.35億米ドル(約160億円)と見込んでおり、中国江蘇省崑山市の子会社「維新資通」にてその生産設備を拡充する予定であるという。

画蛇添足:暫くAppleのiPhoneやiPadは中国生産から離れられない

現在のところ、世界のほとんどのiPhone/iPadは中国で組立が行われている。最近の中国の賃金や地代の上昇によって中国離れやチャイナ・プラス・ワンなどが製造業で喧伝される昨今、Appleはまだまだ中国での製造をやめられそうにない。

まずはボリュームがあること、これは中国であれば最もメリットが発揮できるところだ。またAppleは台湾企業を通じて発注をしていることが多い。iPhoneの組立の最大手のFoxconn(富士康)やPegatron(和碩)も台湾企業の子会社だ。そうなると台湾企業はほとんどが中国大陸で子会社を持って製造をしているため、自然に中国大陸に工場が集中することになる。

ただ、iPhone6/6 Plusの内部部品の6割以上は日本メーカー製だったりする。これは日本が世界に誇っていいと思う。部品のますますの小型化要求が進むのは間違いないので、日本のメーカーにとっては更にチャンスとなる。日本の製造業はこういうところに生き残りをかけるしかない。世界にはばたく携帯ブランドを再建してほしいという気持ちもあるが。。

記事は以上。

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