バッテリーの持続時間は現在のスマートフォンの発展にとって大きなボトルネックとなっているのは疑いの余地がない。しかし技術の発展と時間の推移によって、バッテリー問題はいずれユーザを悩ます問題ではなくなるかもしれず、購入の際の重要な指標にならなくなる時代が来るかもしれない。
中国のメディアCnBetaにて、スマホの将来の三大傾向がバッテリーの減りにあまり気を遣わなくてもよくなりそうだというデータが紹介されている。つまり、より大きなスマートフォンと、卓越した性能、よりよいオペレーティングシステム(AppleのiOS8以降やAndroid Lシステム等)の組み合わせによるバッテリー持続時間の延長がなされるというわけだ。
1. より大きなディスプレイサイズ
上の表を見れば、スマートフォン全体平均ディスプレイサイズが年々大きくなっていることが一目瞭然だ。
そしてディスプレイが大型化すれば当然その分バッテリー消費量も多くなる。しかし本体の体積の拡大も伴うため、より大容量のバッテリーを搭載できるようになる。そのバッテリー容量の増加の方がディスプレイが大きくなることによるバッテリー消費量を上回ることがわかっている。SamsungのGalaxy Sシリーズを例にとれば、4.0インチから5.1インチになっているが、バッテリー容量の増加によって、バッテリー持続時間は5.8時間から10.2時間にまで伸びていることがわかる。
2. 卓越した性能と新たな技術の搭載
SonyのXperia Z2が最もわかりやすい例といえそうだ。Z2はZ1とちょっと似ているが、両者は1,920×1,080という同じ解像度のディスプレイを搭載し、Z2は5.2インチ、Z1は5.0インチで、バッテリー容量はZ2が3,200mAhで、Z1は3,000mAhだ。
このスペック(仕様)を見る限りバッテリー持続時間はそれほど変わらないと思われるかもしれないが、TechSpotによるバッテリー持続時間の測定によって、Z2の動画再生時間性能は13時間48分に対し、Z1はたったの8時間29分だということがわかり、61%の性能アップが図られている。
これほどまでバッテリー持続時間が延びた原因は、Z2は性能が非常に高いSnapDragon(スナップドラゴン)の801プロセッサ(CPU)を搭載しており、このCPUは性能が高いだけではなく不必要なプログラムからバッテリー消費を防ぐ機能が備わっているためだと思われる。
このような部品の性能の技術的な革新も、更にバッテリー消費を抑えてくれるのに役立つということだ。
3. 新しいオペレーティングシステムの搭載
全く同じハードウェアデバイスでも、違うオペレーティングシステム(OS)のバージョンを入れているとバッテリー持続時間に影響する。例えば2台のNexus 5デバイスにそれぞれAndroid KitKatとAndroid Lを入れた場合、Wi-Fiによる閲覧テストの結果、前者は345分、後者はなんと471分にもなり、バッテリー持続時間は36%も増加している。
次世代iPhone「iPhone6」も大型化でバッテリー問題を改善できるか?
折しもAppleが9月9日に新型iPhoneを発表することがわかっている。新型iPhone「iPhone6」は4.7インチ、5.5インチ(iPhone6L、iPhone Airとも)の2モデルになるといわれている。これまでかたくなに大型スマートフォンを出してこなかった巨人が動いた形だ。
ちなみにこれまでのiPhone6のバッテリー部品リーク情報によれば、iPhone6のバッテリー容量は4.7インチモデルが1,810mAhで、5.5インチモデルが2,915mAhになるとみられている。現行の4インチのiPhone5sは1,550mAhなので、前者は約17%、後者は約88%のバッテリー容量の増加が見込まれる。特に後者に関しては相当な容量の拡大となり、バッテリー持続時間が大幅に延びることが期待される。
■iPhone6 4.7インチモデルのものとされるバッテリーのリーク画像
■iPhone6 5.5インチモデルのものとされるバッテリーのリーク画像
そしてiPhone6には新しいiOS、iOS8が搭載される。Appleの場合、これまでiOSがバージョンアップを重ねる毎にバッテリー消費が悪くなっているところが懸念されるが、iOS8ではそこが改善されることが望まれる。
記事は以上。