これまでの人類の歴史を見ても、どれだけ強大な帝国も例外なく内外からの圧力によって瓦解している。現在地球上の企業で帝国を築いているAppleも、もしいつからか下り坂になったとしたら、それはもしかしたら内部からの瓦解になるかもしれない。
12インチ Retina MacBook、Apple Watch、iPhone 6s/6s Plus、iPad Pro、21インチ 4K iMac、Apple TV 4G、これらが2015年にリリースされたAppleの主なハードウェア製品だ。これらは処理性能、ディスプレイ性能、ものによっては外観デザインで消費者を魅了してきた。他のブランドに比べ、Appleの今年発売されたデバイスは全てが最も優秀というわけではないが、競争相手にはないものをApple製品は備えており、他社からのプレッシャーはそれほど大きくないと思われる。
実は過去数年間で、Appleの業界内の最大の競争相手はIBMでもGoogleでもSAMSUNGでもなく、自分自身になってしまっているのかもしれない。Appleの複数の製品ラインはお互いに補強し合っているといえば聞こえはいいが、穿った見方をすればお互いにシェアを食い合っているともいえる。この傾向は来年も恐らく変わることはないだろう。Appleの最大のプレッシャーは自らの内部からくるものなのだ。
細かく見てみればわかるように、Appleの今の製品群は主に3つに分けることができる。それはiPhone、iPad、そしてMacだ。そしてこれらの製品は年を追うごとに多様化し、それぞれがマーケット上で一定の”ライバル関係”となってしまっている。そして自社製品同士の競争関係が、他社との競争関係よりも激しくなってしまっているのだ。現在のiPhoneには主に2種類のディスプレイサイズがある。4.7インチのiPhone 6sと5.5インチのiPhone 6s Plusだ。しかしAppleがもし4インチのiPhone 5sのアップグレード版、或いは新しい4インチのiPhone、iPhone 6cのようなものを販売すると、iPhoneの製品ラインは同じような性能のものが3種類並ぶことになる。
iPadなどはもっと顕著だ。iPad Proの出現で、iPadの製品ラインは3つに増えた。9.7インチのiPad Air 2、7.9インチのiPad mini 4と12.9インチのiPad Proだ。iPad miniがリリースされた直後に、iPad miniは9.7インチのiPadの市場を奪い始めた。そして5.5インチのiPhone 6 PlusやiPhone 6s Plusが逆にiPad miniの市場を奪っている。そして現在更に大きい12.9インチディスプレイのiPad Proが導入されることで、今度はiPad ProがMacBookの市場とぶつかることになる。
そしてMacBookの製品ラインは、Appleは今年12インチのRetina MacBookをリリースし、MacBookに更にファミリーが1つ増えて3つとなった。現在MacBookにはサイズ以外にもRetinaディスプレイか非Retinaかという多様化も現れている。Retina MacBookは確かに非常に先進的な概念を用いて作られたデバイスだが、そこを除けば接続ポートを取り去ってRetinaディスプレイを搭載してファンレスになって、より軽く薄くなったMacBook Airくらいの違いしかない。MacBook AirとMacBookは市場を奪い合っているといえるだろう。
Appleにいわせれば、自社製品の間で競争していれば安心で、心配する必要はないとのことだが、、シンプルな製品ラインを身上としていたApple製品がここまで複雑化してくると、購入しようとする人も混乱してしまうのではないだろうか。また、全ての製品を優秀なレベルでリリースしていくのも難しくなる。
Appleのライバルは自分自身だ。
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（記事情報元：cnBeta）