IHS Markitのアナリスト、Jeff Lin氏によると、既に広く噂されているApple新しい16インチMacBook Proは、Intelの第9世代Coffee Lake Refreshプロセッサを搭載するということです。このプロセッサは、今年5月にリニューアルされた15インチMacBook Proのものと同じ、ということになります。ちょっとがっかりですね。
16インチMacBook Proのプロセッサは従来の15インチMacBook Proと同じ第9世代Core iか
もし上記の情報が正しければ、16インチMacBook Proは2.4GHzの基本クロック速度と5.0GHzの最大ターボブースト周波数を備えた最大8コアCore i9プロセッサで構成されることを意味します。またラインナップには、MacBook Pro 15インチと同様に、6コアCore i7プロセッサーも含まれると思われます。これらのプロセッサチップは全て45Wで、統合されたIntel UHD Graphics 630が搭載されるものとみられます。
このことは、AppleがIntelの最新の第10世代 Ice Lakeプロセッサを使用する準備がまだ整っていないことを意味しています。MacBook Proには、現在は9Wから15Wという低めのTDP(Thermal Design Power、熱設計電力)が設定されています。
16インチMacBook Proの詳細スペックの噂
噂によると、16インチMacBook Proには、幅の狭いベゼルと、現行のバタフライ構造キーボードより信頼性の高いシザースイッチ構造キーボードを備えたデザインが採用されるようです。フォーブスが入手した情報によると、16インチのディスプレイは1インチあたり227ピクセルで(227ppi)、これまで噂されていた3,072×1,920ピクセル標準解像度と一致すると述べています。そうなると、現行の15インチMacBook Proの2,880×1,800ピクセル標準解像度・220ppiに比べると解像度が少し上がる、ということになりそうです。
前出のIHS MarkitのJeff Lin氏は16インチMacBook Proは今年9月に量産に入り、秋にリリースの準備が整うとしていますが、Appleが9月または10月のいずれかの発表イベントで新しいMacBook Proを公開するかについては、まだ議論があります。秋には、Appleは通常10月に新しいMacを発表していますが、最近のAppleは少し慣習を破る傾向があるためです。
15インチMacBook Pro は16インチモデルの発売後まもなく廃止される可能性があるという憶測がありますが、Appleのサプライチェーンの情報に強いTF International Securities(天風国際証券)の著名なアナリストMing-Chi Kuo(郭明錤)氏は、15インチモデルは2020年にリニューアルされると述べています。
もしかしたら15インチMacBook Proは今後ベゼルの狭い16インチモデルに統合されるのかもしれません。となると、13インチMacBook Proはいったいどうなるの?という感じもしますが。。
16インチMacBook Proと従来の15インチMacBook Proの違いは?まとめ
16インチMacBook Proは、15インチMacBook Proに比べても本体サイズが変わらないという噂もあります。そうなると、現在噂として流れている情報ベースでは、15インチMacBook Proとの差は以下の3点ということになります。
- ベゼルを狭くすることで、ディスプレイサイズが大きくなる(15インチ→16インチ)
- より信頼性が高くストロークが深いシザースイッチ構造キーボードに変更
- 解像度がより高まり3,072×1,920ピクセル、227ppiに
逆に言えば、このくらいしか差がない、つまり殆どウリとなるポイントがない、ともいえます。
特にキーボードの変更はメリット的にはマイナスから0への変更ともいえるもので、もともと問題があってApple自ら認め無償交換プログラムさえ提供されているバタフライキーボードの廃止は、もっと早くマイナーチェンジの段階でも行うべきものではなかったでしょうか。
他にバッテリー性能や、外部接続コネクタ端子などに変更や追加があれば面白いとは思いますが、プロセッサのスペックが同じであれば、殆どやれることは変わらないということもいえます。
単なる15インチ→16インチへの進化で価格が高くなるのであれば、売れないかもしれません。もし価格は15インチと同じで、従来の15インチの価格が下がるようなことがあれば、最近リニューアルした15インチを買ったユーザにとってはとても不満が残ります。
Macは現在全てインテルのプロセッサが使われているため、インテルプロセッサのリリースに合わせてスペックのアップデートをするしかない状態です。そんな中で、プロセッサのスペックがアップデートしないのに、その他の仕様のアップデートが来るのは、よほど見た目でわかる外観デザインの変更か、その他の驚くような新機能の搭載がない限り、あまり意味がないと思うのは私だけではないはずです。
ちなみに2020年のMacBookでは本体のみで5G通信ができるようになるという噂もありますが(eSIM搭載?)、ますますスマートフォンなどモバイル端末が重視される業界で、これが本当に必要な機能かどうかは疑問が残ります。
個人的には第10世代Ice Lakeプロセッサが使えるようになってからでもMacBook Proのリニューアルは遅くないと思いますし、来年か再来年にはApple独自のARMアーキテクチャベースの新しいMac用プロセッサが登場するという噂もあるので、個人的には暫くMacBookの購入は様子を見た方がいいのではないかと思っています。私は昨年2018モデルの、ThunderBolt 3を4ポート搭載した13インチMacBook Proを使用していますが、特に不満を感じるようなことはなく、フルスペック(Ultimateモデル)にしたため少なくともあと3〜4年は現役でいけるはずなので、引き続き使っていきたいと思っています。
記事は以上です。
(記事情報元:MacRumors)