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新GPUアーキテクチャ採用の”PowerVR GT8525″で、次世代iPhone A11チップの描画性能が更に向上か

今年3月、Imaginationが2010年以来の全く新しいGPUアーキテクチャ”Furian”を発表し、このアーキテクチャを採用した初めてのGPU製品、【PowerVR 8XT】シリーズの【GT8525】が発表された。

AppleはiPhone 6sシリーズに搭載されているA9チップと現行最新のiPhone 7シリーズに搭載されているA10 Fusionチップ(SoC)にImagination社のGPUを採用しており、何か大きな意外な変更でもない限り、Appleが今年リリースすると思われる次世代iPhone【iPhone 8(iPhone X、iPhone Editionとも)】に搭載されるA11チップには、上述のImaginationのFurian GPUアーキテクチャを採用した【PowerVR GT8525】を基にした特注品が用いられるものとみられる(MediaTekも同じものを用いる可能性がある)。

ただ、次世代A11チップのGPUについてはまだ裏付けられた情報があるわけではない上に、AppleとImaginationの関係が最近よくないことが影響する可能性もある。Appleは2年以内に【PowerVR】シリーズGPUの採用をやめ、完全にGPUの自社R&Dを実現するとしているからだ。

詳細仕様(スペック)については、GT8525は依然としてダブルクラスタ構造を採用しており、PPCスループットはGT7200 Plusと比較すると2倍となり、GFXBench Manhattanのfpsテストで50%以上性能アップ、TRexでは80%向上、浮動小数点でも50%向上した。

Imagination社によれば、【GT8525】は既にキーカスタマー向けに出荷されているといい、そのキーカスタマーとはAppleではないかとみられている。なお、AppleはImagination社の営業収入のうち半分以上のシェアを占めているとみられる。というわけでImagination社にとっては、Appleにしがみついていかないと厳しい状況だろう。

そしてAppleにとってGPUのアップグレードは、今後もAppleも参入すると思われるAR/VRの分野には必須のものだが、Appleも他社(Aシリーズチップの場合はImagination社)のロードマップに従って製品をリリースしていくしかなかった。しかし今後AppleがGPUを自社でのR&Dに切り替えることで、MacにもApple独自で開発したGPUが使われていき、MacとiPhone、iPadなどのデバイスでAR/VRが実現するかもしれない。

記事は以上。

(記事情報元:9to5Mac

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