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新たな一歩?ジョニー・アイブがAppleの”CDO”に就任した意味とは

本日、AppleのCEOティム・クック(Tim Cook)が従業員に向けて内部メモを送付し、ジョニー・アイブ(Jony Ive)がチーフ・デザイン・オフィサー(CDO)に格上げされたことを宣言した、というニュースが世界中を駆け巡っている。しかし実はジョニー・アイブの出世以外にも、Apple社内では多くの内部変化が起こっているようだ。

Fea0062665 Jonathan Ive- purple/blue shirt
Alan Dye – taller gentleman
Richard Howarth – shorter, blue t-shirt and blazer
Apple executives Tim Cook and Jonathan Ive.ジョニー・アイブがさりげなくApple Watch Editionを身につけていることに注目。

ジョニー・アイブがAppleのCDOに就任した”意味”

基本的にいえば、アイブはAppleを管理しつつ、更に何かやろうと思ったら何でもその通りにできるようになったということだ。“CDO”という肩書きには大して意味はないだろう。特にアイブにとっては、名称は意味を持たない。ティム・クックCEOは今年7月1日からハードウェアデザインチームとソフトウェアUIデザインチームの管理権を譲り渡し、アイブと長年一緒に仕事をしてきたデザイナー達に担当させるようになったというわけだ。

ジョニー・アイブがCDOになったニュースは、まず英国のThe Telegraphから発せられた編集者はStephen Fryだ。このFryはアイブの親友で、つまりこのニュースは正にジョニー・アイブの考えそのものである可能性がある。もっと重要なことは、ニュースを鵜呑みにするのではなくこのニュースが出た多くの背景について思いを馳せなければならないということだ。例えば、アイブは多くの理由で彼の母国である英国に戻りたいと考えていること、また彼は旅行をしたいとも思っていること。ジョニー・アイブがCDOになったということは、もしかしたらこれは彼が英国に帰ることを意味しているのかもしれない。

Stephen Fry, Tim Cook and Jony Ive (left to right) (Photo: Gabriela Hasbun for The Telegraph) Photo: GabrielaHasbun©2015

ジョニー・アイブが英国に帰りたがっているわけと本当の理由とは?

エリザベス2世から大英帝国勲章(ナイト、KBE)を授かるジョニー・アイブ。彼の名前にはSirがつく。彼は英国に帰って英国皇室に義理を果たしたいとか。。いや、それはないか?

2011年のジョニー・アイブを紹介した文章の中で、あるメディアがジョニー・アイブが非常に英国に帰りたがっていて、もう少しでAppleを辞めてしまうところだったことを紹介している。当然、Appleは多くの資金を支払うことでジョニー・アイブの引き留めに成功した。ジョニー・アイブが今回CDOに就任した後、別の2人のデザイナーが毎日の業務を担当することになるので、もしジョニー・アイブがAppleを辞めることになれば、それはスティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)への裏切りということになるし、この地球上で最も影響力のあるデザイナーという権力を自ら放棄することになる。

ジョニー・アイブと妻のヘザー・ペッグ、そして二人の子供。ジョニー・アイブは子供を英国で育てたいのかもしれない

二人のデザイナーがアイブを助け、ハードウェアデザインとソフトウェアUIデザインチームの管理をしてくれた後は、アイブはスケジュールに空きを作って、妻のヘザー・ペッグや子供と一緒に過ごすこともできるようになるだろう。では、ジョニー・アイブはなぜそこまで英国での生活にこだわるのだろうか?レポートによれば、ジョニー・アイブはApple Store直営店と新本社社屋のCampus 2、そして製品の外側のパッケージデザインを主に担当することになるということだ。彼は恐らくロンドンのFoster and Partnersの事務所で仕事をし、Foster and Partnersと共にApple StoreとCampus 2の開発・デザインをしていくのではないかとみられている

Appleは再びハードウェア工業デザインとソフトウェアUIデザインを分ける体勢に逆戻り

ここで注意しなければならないことは、iOSの父と呼ばれiOS担当のトップでもあったスコット・フォーストール(Scott Forstall)がiOS6のマップの大失敗を理由にAppleをクビになったとき、ジョニー・アイブが工業デザインとソフトウェアUIを兼任するということがAppleの大きな宣伝材料となったことだ。そして今回工業デザイン(ハードウェアデザイン)とソフトウェアUIデザイン部門が再び分かれ、Alan DyeとRichard Howarthの二人によって別々に管理するということになれば、元のやり方に逆戻りということになる。当然、この二人が管理をやりやすくするために、ティム・クックは社内向けメモに、Howarthがかつて初代iPhoneのデザインを主導していたことを付け加えることを忘れなかったが。

いずれにせよ、ジョニー・アイブはもう既に片方の足がAppleからはみ出しているようにみえる。これはApple StoreとCampus 2のデザインが重要ではなくなったいうことではなく、これは一つの時代の終わりを意味するにすぎないのか。または。。ジョニー・アイブはもしかしたら現在”Titan”というコードネームで知られるEV(電気自動車)、Apple Carのデザインに入るのかもしれない。。がこれはもちろんこれは想像の域を出ない。

画蛇添足 One more thing…

なかなか大胆な予測の記事だったので意訳させていただいた。

基本的には、アイブは恐らくあまりに多くの責任を背負わされすぎて、重荷に感じすぎていたのではないだろうか。そしてもちろん本人の希望として以前からあった英国で生活したいということをかなえるために、CDOとなって、実際の日常業務はAlan DyeとRichard Howarthに任せたかったのかもしれない。CDOという役職はアイブにとってはどうでもいいかもしれないが、デザインを最重視するAppleとしては重要な位置を占める。今後のアイブの動向から目が離せない。

私個人的には、アイブ自身が管理業務よりもデザインそのものに没頭したかったため、管理業務を手放したかったのではないかとも思う彼は根っからのデザイナーなのだから

記事は以上。

(記事情報元:9to5Mac

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