Appleを起死回生へと導いたあの初代iMacこと”iMac G3″のコードネームの由来は、実はスティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)のソニー(SONY)へのリスペクトを反映した内輪ジョークによるものだったことが、リリース20年後にやっと明らかになった。
初代iMacのコードネームは”MacMan”、名付け親はあのフィル・シラーSVP
Apple製品には必ず開発中に社内だけで使われる”コードネーム”があることが知られている。そしてあの初代iMacこと”iMac G3″のコードネームは”MacMan(マックマン)”だった。既にiMac G3のリリースから20年近くも経った今、この”MacMan”の名付け親が、現在Apple社のマーケティング担当SVP(上級副社長、シニア・ヴァイス・プレジデント)、フィル・シラー(Phil Schiller)だったことがわかった。
フィル・シラーSVPがTwitterの返信で長年の秘密を暴露
この”MacMan”という血が凍りつくようなどうしようもない名前。。これは正式名称”iMac”の名付け親として知られるAppleの幹部だったケン・セガール(Ken Segall)による評価だ。確かにマーケティングの天才として知られるジョブズにしては”MacMan”は酷すぎるコードネームだ。。
そのしょうもない名前がつけられた理由はずっと謎のままだったが、その理由がついに明らかになった。2日ほど前に、フィル・シラー自身がTwitter上の返信でその秘密を明かしたのだ。
Actually it was a joke between Steve and I. It started after he said he wanted a name as great as Walkman.
実際あれは私とスティーブとの間のジョークだったんだ。彼がWalkman(ウォークマン)と同じくらいすごい名前をつけたいって言ったことから始まったんだよ。
というわけで、ソニーのウォークマンと同じくらいすごい名前ということで”MacMan”にした、というのが真相のようだ。Appleのようなすごい会社でも、コードネームはそんな感じの2人のジョークから決まってしまったというのが面白い。
ジョブズは案外”MacMan”という名前を気に入っていたかもしれない
その後、ジョブズは前出のケン・セガールを含む初代iMac開発チームに対して「既にみんながもっと好きな名前はあるんだ」と前置きをした上で「でも、みんなにはこれをぶっ飛ばすようなものを考えてもらいたいね」と言って、”MacMan”という名前を告げたという。そして開発チームはすぐに違うものを考えようと奔走したという。
面白いのは、ジョブズが結構このコードネームを気に入っていたということではないだろうか。もちろんそれはケン・セガールとその仲間のチームにもっといい名前を考えてもらうための土台として利用するためだったにせよ。
ジョブズはiMac G3のコマーシャルネームについて、「おもちゃのように聞こえないように、そしてポータブルのようにも聞こえないように」という要望を開発チームに伝えたというが、それが本当かどうかが疑わしくなった。
ジョブズの復帰によるAppleの起死回生は”MacMan”から始まった!
そしてこのiMac G3は、瀕死のAppleを立ち直らせる立役者となり、ジョブズの復帰を象徴づける製品となった。その後のAppleの発展は皆さんご存じの通りだ。そんなAppleにとって非常に重要な意味を持つ製品の名前が、ジョブズとシラーによる内輪ジョークによってつけられたコードネーム”MacMan”から始まったというのはなかなか興味深いことではないだろうか。
記事は以上。
(記事情報元:Cult of Mac)