iPhoneは今年10周年を迎える。
Cult of Macの記事によると、初代iPhoneのソフトウェア設計チームが10周年を記念して集まり、その写真がSNS上に公開された。それぞれの人物がどんな役割を果たしたのか、気になるところではないだろうか。
10 years later, the original #iPhone design team, reunited.
Imran Chaudhriさん(@imranchaudhri)が投稿した写真 –
現在もまだAppleに在職中のImran Chaudhri氏がインスタグラム(Instagram)上で上記の写真をアップした。この写真には、彼本人以外にもFreddy Anzures、Bas Ording、Marcel Van Os、Steve LemayとMike Matasが入っている。
先週は初代iPhoneのテスト用OS、Acorn OS(エイコーン)が搭載されたプロトタイプの動画があのお騒がせ男Sonny Dickson氏から公開されたばかりだが。。
▲左がトニー・ファデル(Tony Fadell)元SVPのチームが開発していたiPodのようなホイール操作をベースにしたテストOS、右がスコット・フォーストール(Scott Forstall)元SVPのチームが開発していたテストOS。
この写真のチームが実は2007年の初代iPhone(iPhone 2G)に搭載された”iPhone OS”を開発した人達だったのだ。
まずこの写真を公開したChaudhri氏は左から2番目で、去年6月、彼はWWDCの壇上でAppleデベロッパBethany Bongiorno氏と共にiOS 10のメッセージ機能について解説していたので、覚えている人もいるかもしれない。
一番左のAnzures氏はiPhoneのあの有名な「スライドして解除」の時のあの【シャキッ】としたような音声を作った人だ。あの音は彼が高校の時に録音した音源から採用された。たぶんタンスの扉を開けたり閉めたりする音をカセットテープで録音したものだとされている。
左から三番目のOrding氏は、Appleで1988年から2015年まで27年も働いていたが、今はAppleをやめてテスラ(Tesla)のUIデザインを担当している。Oridingはこれまで何世代ものiPhoneの開発に関わっており、初期の重要なコピー・ペーストのUIデザインも担当していた(元々脱獄Tweakにはあったのだけど)。
右から三番目のMarcel Van Os氏は今でもAppleで働いている。彼の名前はよく今のAppleの特許出願書類の中で見ることができる。例えばナイトシフトモード、マップのナビゲーションシステム、モバイルペイメント、そしてボイスメールの可視化などだ。
右から二番目のSteve Lemay氏も、まだAppleで働いている。彼の名前とOrding氏の名前はカバーフローによるファイル選択機能の特許書類の中に出てきていた。ファーストネームがジョブズと一緒(スティーブ、Steve)と一緒だったことから、ある会議で彼は誰かが「スティーブ」と名指しして質問をした時に、本来はジョブズに向けて出された質問だったのにも関わらずLemay氏が先に答えてしまったことがあった。そんなわけでジョブズは彼に”Margaret”というあだ名をつけたというエピソードがある。
一番右のMike Matas氏は、2005〜2009年の間AppleでiOSとOS XのHMI(ヒューマン・マシン・インタラクション、Human Machine Interaction)設計を担当していたが、その後AppleをやめPush Pop Pressに転職した。Matas氏は”iPodの父”と呼ばれるトニー・ファデル(Tony Fadell)がAppleを出た後設立したNestでファデル氏と一緒に働いたこともあった。Matas氏はその後、Facebookに入っている。
そしてこの写真には上記のトニー・ファデル以外にもう1人重要な人物が欠けている。。そう、AppleのiOS担当SVP(シニア・ヴァイス・プレジデント、上級副社長)のスコット・フォーストールだ。
フォーストールはジョブズと一緒にNeXTから一緒にAppleに入り、iPhone OSチームのリーダーだったが、マップアプリの失敗の責任をとらされる形で2012年にAppleを追われている。フォーストール氏はiOS 6までのスキューモーフィズムデザインの推進者で、iOS 7からのフラットデザインに対しては反対派で、そのことも原因だったかもしれない。また彼は同時にジョブズの信奉者で、ジョブズ以外の上級管理職を鼻にもかけないようなところがあったのも、他の経営陣の不評を買ったという情報もある。
しかしフォーストール氏がいなければ現在のiOSはなかったといわれるほど、iOSには重要な役割を果たした人物だった。
記事は以上。
(記事情報元:Cult of Mac)