AppleのロシアでもiPhoneの販売をしているが、現在でもロシア国内にはApple公式の小売直営店【Apple Store(アップルストア)】は存在しない。
ロシアのユーザにとっては、もしiPhoneが壊れても、まともな修理屋を探すのに一苦労といった状態だ。そんな理由で、Appleはロシアのあるユーザから7月に起訴されてしまった。この問題を解決するために、AppleはロシアでApple製品の修理センターを作ろうとしているという。
The Moscow Timesの報道によると、Appleはロシアの修理センターに100〜200万米ドル(約1億〜2億円)をかける予定だということだが、実際の設置場所や、いつから稼働するかについてはわかっていないという。
iPhoneのディスプレイが割れてAppleを起訴したロシアのユーザ、ドミトリー・ペトロフ(Dmitry Petrov)氏によれば、彼が持っていたiPhoneは保証期間中なのに、Appleの公式のルートで修理したり、直接ディスプレイの交換ができなかったためにAppleを訴えたとのこと。
もしロシアのサードパーティの修理屋でiPhoneのディスプレイが割れた問題を解決しようとすると、30000ルーブル(約49,000円)ほどの修理費用がかかってしまい、ペトロフ氏はさすがにそれは受け入れられないと感じたという。ペトロフ氏は、Appleがユーザのために部品修理や交換サービスをロシア国内で行っていないことは、ロシア現地の消費者保護法に違反していると考えたようだ。
そんなわけでAppleは、まずApple Storeよりも先に修理センターを作ってこの問題を解決しようとしたもようだ。
ちなみにAppleのiPhoneはロシアのスマートフォンシェアのうち17%を占めていて、ブランド志向の人が手にするという。Apple公式ストアにはロシア語のページも存在する。
画蛇添足 One more thing…
Appleは今のところ、ロシアでApple Storeをオープンする予定はない。恐らく、国家間の関係或いは現地の法律や税金の問題などがあるのだろう。
ちなみにAppleとロシアは、ロシアがソ連の時代から相性が悪い。というのも以前ブログ記事でご照会したとおり、Apple(当時はApple Computer)がMacintoshで成功していた時に、あのスティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)がソ連を訪れて工場の建設の交渉をしたが失敗に終わっているからだ。それ以来の因縁なのか、Appleとロシアはこれまでそれほど密接な関係になかった。
Appleを含むアメリカの企業にとって、アメリカの独立記念日の7月4日は建国記念の休日となる。昨日が、そうだった。しかし、31年前の独立記念日(7月4日)、当時既にMacintoshの成功で世界中の注目を集めていたあのスティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)は、その日に休暇をとらず、海外出張の日とした。1985年7月4日、ジョブズは初めてロシアのモスクワを訪れた。そしてこれがジョブズにとってモスクワを訪れたのは最初で最後となった。そしてその目的とは。。Macintoshの製造工場を作るためだったのだ。 ロシアとの因縁の始まり?スティーブ・ジョブズは31年前にモスクワを訪問していた - 小龍茶館 |
今回の修理センターの設立によって、今後はモスクワ等へのApple Storeの開設にも弾みがつくかも知れない。ただ、訴えられて初めて修理センターを検討するというのも、Appleもちょっと後手後手に回りすぎな気がする。
(記事情報:The Moscow Times、9to5Mac)