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ウィストロン、来月からインドのバンガロールでiPhoneの組立試作開始

インド≪TIMES OF INDIA≫によると、インドのカルナータカ州政府の役人へのインタビューで、Appleは来月にもインドでiPhoneの試作(組立)を始める。Appleはインド中央政府に様々な優遇政策をAppleに提供するよう要求しているが、その要求が通るか通らないかにかかわらず、試作は始めるもようだ。なお、試作する端末はiPhone SEとみられる。

 

インドではウィストロンが組立担当、場所はガンバロール郊外

州政府の役人の話によれば、台湾のAppleの委託生産先(OEM先)のウィストロン(Wistron、緯創資通)が今回の試作組立を担当するとし、その場所は同社のバンガロール市郊外の工場だという。

 

カルナータカ州の野望、更にAppleの部品や部材の製造のエコシステムの移転を狙う

iPhoneの組立以外にも、カルナータカ州はAppleにiPhoneの全ての部品やアッセンブリーなどの製造も同州に招きたい方針のようだ。

「私たちはAppleが全ての部品の製造エコシステムをバンガロールに持ってきて、そしてここから輸出して欲しいと希望しています」と州政府の役人は語る。「私たちはAppleの現地(インド)市場でiPhoneを製造することについてあまり心配していません。なぜならどんなことがあってもいずれにせよそれは発生することなのですから」

 

Apple、インド中央政府に更なる優遇政策を要求

カリフォルニア州クパチーノに本社を構えるAppleは、これまでも一貫してインド政府に、政策や法律で定められた以上の優遇政策を提供するよう要求していた。その中には、iPhoneの部品や部材の輸入にかかる”アンチダンピング関税(不当廉売=不当な安売りを防ぐための関税)”の免除も含まれている。

「Appleの(優遇政策要求の)申請はそれほど進んでいないようです」と州政府の役人は明かす。中央政府はそのような特別免除を行うと、今後の商品やサービス税の仕組みと辻褄が合わなくなることを心配しているのではないか、とその役人は読んでいるようだ。

Appleは今後も続けてインド政府に対して優遇政策を請求するとみられるが、同時にその結果がどうであれバンガロールでの組立試作計画は推進するだろうと州政府の役人は読む。なぜなら「インドはAppleにとって今は無視できない市場だから」だ。

Appleとウィストロン、そしてインド産業政策促進部門は≪THE TIMES OF INDIA≫のメールでのコメント請求に対して何ら返信をしていない。

 

ウィストロンは部品工場も今後作る予定

ウィストロンは現在のPeenya製造センターにある工場でiPhoneの組立試作を行うようだが、将来的には部品の製造工場を全く新しい設備を導入して作る予定でもあるようだ。

カルナータカ州の工業部門長、RV Deshpande氏は、最近数ヶ月以内にインドの多くの州政府部門長クラスとAppleについての問題を話し合ったという。「彼らはみな私をなだめてこう言うのです。必ず精一杯やるから、と」とDeshpande氏は語る。

 

現状ではインド国内での部品調達は不可能、輸入に関する許可と優遇政策が必要

カルナータカ州の情報技術部門のPriyank Kharge部門長は、≪THE TIMES OF INDIA≫の取材に対し、Appleが本気で”Made in India”を全力で発展させたいと考えているのであれば、中央政府は必ずハイテク製品の製造を奨励するだろうと語っている。ただ、Kharge部門長は更に、インドでは製造に関するエコシステムがまだ完全ではなく、ハイテクな高精度の部品はまだ支給が不可能なことも認めており、Appleがインド国内で製造をするためには中央政府がまずAppleやその他の国際テック系企業がインド国外から購買することを許可しなければならないとも述べている。

 

小龍はこう思った:優遇政策次第でiPhoneの製造拠点が中国からインドに移行していくか?

インド中央政府の優遇政策次第では、もしかしたら現在の世界のiPhoneの製造拠点は、中国からインドに移行していくかもしれない。

とはいえ、それまでにはやはり様々なハードルがある。まずは現在iPhoneの殆どの部品が中国で製造されているため、それをインドに移さなければ輸送コストがかかってしまうこと。またその上流の部材、原材料の調達もインドでは問題になってくるだろう。そしてもちろん、上記のダンピング防止関税などの政策や、輸出関税などもAppleの負担になるようでは、iPhoneの製造拠点として発展していくのは難しい。

今でも人件費や土地代が中国よりは安いインドでは、単純に製造コストが下がるようにみえるが、今後フォックスコンなどはロボット(ロボットアーム)を用いたFAによる自動生産に切り替えていくことも検討しており、それによって中国のコストも下がってくるだろう。また中国側も現在河南省鄭州など内陸部に拠点を移しつつあり、更にインドに負けじと優遇政策を出すようになってくるとインドもそう簡単にはiPhoneの製造拠点の地位を奪えないだろう。

インドとしては、非常に頭のいい人材が多いのだから、日本のように部品・部材の技術開発やイノベーションなどをやって、製造よりもパテントで稼いだ方がいいのではないかと思ったりするのは私だけだろうか。

そしてもちろんAppleとしては現在の中国一辺倒よりも、中国とインドの両方を天秤にかけたり競争にかけることでコストダウンや優遇政策の引き出しに有利になるだろう。

記事は以上。

(記事情報元:TIMES OF INDIA

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