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Twitterで話題沸騰!?iPhone 7 Plusの自然発火事件はサムスンGalaxy Note 7の爆発とは全く性質が違う問題

最近、Brianna OlivasさんによってiPhone 7 Plusが自然発火して燃え溶ける動画がTwitterにアップされ物議を醸している。そしてこの動画は昨年大量に発生しリコールや世界中の飛行機への持込搭乗拒否にまで繋がったサムスン(SAMSUNG)Galaxy Note 7の爆発事件を彷彿とさせる。

しかし、本当にこの2つの現象は同じ性質のものなのだろうか?

iPhoneの自然発火はこれまでも発生しているが、外部要因が特定されているものが多い

Photo by AppleInsider

実はiPhoneの自然発火は今回が初めてではない。そしてこれが最後というわけでもないだろう。しかし重要なのはこれらの事件をどのような角度で分析するかということだ。そのためにはいくつかの点に注目する必要がある。

まず、iPhoneの発火事件のいくつかは、明らかにその発火原因が特定されている。例えば認証されていない品質が劣るサードパーティ製の充電器を使っていたというのが大抵の原因だ。昨年の安全性テストで、400種類ものAppleを騙ったニセモノの充電器のうち、99%に安全性に関して潜在的な問題があったことがわかっている。その他の発火原因としては、iPhoneを自動車内に放置し、車内が非常に高温になったためというものや、大きな衝撃が加えられてバッテリーにダメージが加えられたから、などがある。

 

リチウムイオンバッテリーの1000万分の1の不良率によって、世界中には100台以上の故障リスクを抱えたiPhoneがある

その次に、もし上記のように明らかな原因が特定されていない場合でも、リチウムイオンバッテリーは他の部品と同様、一定の故障率(不良率)というものがある。その確率はもちろん相当低く、1000万分の1程度といわれている。しかし現在アクティブなiOSデバイスは世界中で既に10億台を超えていることはAppleも公式に発表しており、つまりそれは100台を超えるデバイスにリチウムイオンバッテリーが発火するなどの故障するリスクがあるということを意味している。

 

Galaxy Note 7は設計上の内部設計の問題であったことがサムスンの自社調査で特定されている

Galaxy Note 7のバッテリ爆発後の写真

それに対して、サムスンのGalaxy Note 7の発火事件は、まずその発火数量が低確率の不良率の問題ではないことを証明している。もしiPhone 7 Plus 1機種に限ってGalaxy Note 7のような高確率・多量のバッテリー発火事件が発生すれば、この両者の事件は同じ性質とみなしてもいいが、そんなことはない。またGalaxy Note 7の発火は内部設計が問題で発生したというサムスン自社調査による分析結果が出ていることから、Galaxy Note 7特有の問題であることは明らかだ。

 

画蛇添足 One more thing…

ということで、何でもかんでも発火動画を見るだけでどのメーカーのスマートフォンもGalaxy Note 7と同じように発火する、と早とちりするのは危険だ。これまでのiPhoneや今回のiPhone 7 Plusの発火は、明らかにGalaxy Note 7の内部設計の問題に起因する発火とは性質が異なるものなのだ。

基本的にAppleはかなり厳しい信頼性試験や完成品のテストを経てiPhoneを出荷している(もちろん、サムスンもそのはずなのだが)。実際、スマートフォンに限らずバッテリーを搭載した製品にはどれにも1000万分の1程度の不良率があると考えた方がいいのは間違いない。

記事は以上。

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