Macに感染するマルウェアはWindowsに比べて非常に少なく、システムもセキュリティがしっかりしているため、マルウェア対策はしなくてもいい。。そんな考え方が何となくMacユーザの中にはずっとあるのではないでしょうか。確かに、去年まではそんな感じだったかもしれません。
しかし、マカフィー・ラボ(McAfee Labs’)の先週公開された最新の四半期レポートによれば、新しいmacOSに感染するマルウェアは2017年の初期で53%も増えたということがわかりました。
MacのシェアはWindowsに比べると圧倒的に少ないため、クラッカーの攻撃の対象になりにくいということはありました。ここ数年は確かにそうでした。しかし、ごく最近はそれが変わってきているようです。
4月、Appleは1億人ものユーザがMacを使っていることを発表しました。Macは、世界的にPC市場が縮小し、Windows PCの出荷台数が減少する中で、MacBookは出荷台数を伸ばしているという時代に逆行した状態になっています。そしてその逆境の中でのシェア増加が、マルウェア作者の標的になりやすい状況を招いてしまったのです。そして、昨年末当たりから、macOSマシンが攻撃される回数が加速度的に増加しています。
マカフィー・ラボの発表によれば、2017年第一四半期でに約25万ほどの新しいマルウェアの事例があったとしており、これは昨年比で53%増えているそうです。ちなみに2年前の2015年には、その事例は5万件のみでした。2年で5倍にも増えていることがわかります。
またその3ヶ月で認識された攻撃の数は70万を超えています。ちなみに2016年第四四半期ではその数は50万以下でした。この急激な増加の原因はアドウェアの供給過剰にある、とマカフィー・ラボは語っています。
この先の予測しうる将来において、それが消えていく兆しがないというトレンドは非常にやっかいですが、ただ実際は思ったほど悪い状況でもなさそうです。
確かに、McAfeeは全部で70万例ものマルウェアを2017年第一四半期で発見しましたが、それは70万ものそれぞれ異なるバラバラのマルウェアがあるわけではなく、同じ1つのマルウェアに感染した3万台の端末があれば、それを3万例とカウントするという計算方法で算出されたものだからです。
そして更にPC市場全体を見れば、Macの全体的な感染数や攻撃された回数は、Windowsのマルウェアとは確かに比較にならないほど少ないのは確かです。ちなみにWindowsのマルウェアは、2017年第一四半期で7億例も発見されています。またそのうち、新しいマルウェアは3000万例もあるということです。
Appleは常にmacOSをよりセキュアなプロットフォームにするためにアップデートやメンテナンスをしています。それはたぶんその通りでしょう。しかしそのことが、Macも外からの攻撃に対して免疫があるわけではないことを逆に証明してしまっているのです。
というわけで、Macユーザも何らかのマルウェア対策をするべきなのは間違いありません。個人的にはこれまでいくつもMac用の有料・無料のマルウェア対策ソフトを使ってきましたが、その比較の結果、無料で使えるAVG Antivirusが動作が軽くて検出率も高いといわれているため、オススメです。
記事は以上です。
(記事情報元:Cult of Mac)