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iPhone XS Max vs HUAWEI P30 Pro、比較レビュー

4月の発売直後に購入した、今は米国政府によるバッシングによって別の意味で話題となってしまったHUAWEI(ファーウェイ)の現行最新スマートフォンにしてフラッグシップモデルのP30 Pro。もしかしたらGoogle AndroidOSを搭載した最後のHUAWEIの端末となってしまうかもしれません。。!!

そんなHUAWEI P30 Proはライカレンズを4つも搭載(クアッドレンズ)、記事更新現在世界最強のカメラを搭載したスマートフォンです。そんなHUWEI P30 Proをサブマシンとして2ヶ月以上使ってみたところ、メインで使っているApple iPhone XS Maxと比較すると色々と思うところが出てきましたのでまとめてみたいと思います。HUWEI P30 Proは使い倒すほど使ってはいませんが、SNS投稿などできる限り使ってみたつもりです。

なお、以前HUAWEI P30 Pro購入直後の使用レポートは以下の記事をご参照ください。

カメラ:P30 Proの圧勝、但しAIが邪魔してiPhone XS Maxの方が自然な色になることも

ともかく4レンズカメラのP30 Proの圧勝です。それ以外にいいようがありません。広角やスーパーマクロや50倍ズームや夜景など、iPhone XS Maxが逆立ちしても絶対に撮れない写真がP30 Proでは撮れてしまうのです。AppleのフラッグシップのiPhone XS Maxでさえ、23世代遅れているといえるでしょう。そのくらい、カメラのハード性能が違いすぎます。

ただし、P30 Proでは時々AIが働いて現実とはかけ離れた感じの写真になることもあるのが少々難点です。その場合、AIをオフにすることでより自然な色に仕上げることができます。いい意味でも悪い意味でも、P30 Proは少々派手というか、わざとらしい色になることが多い気がします。P30 Proは確かにSNS映えはしますが、写実という意味ではiPhone XS Maxの方がよいかもしれません。

例えば、こんな感じです。同じ時刻に、ほぼ同じアングルで夕焼けを撮影したものですが、上がP30 ProでAIが夕焼けと判断したときのもの、下がiPhone XS Maxのものです。下の方がより色合いが現実に近いものですし、写真としても綺麗に仕上がっています。

また、P30 Proは暗いところでは完全に圧勝ですが、光量が満ち足りているところだと色が褪せるような感じがします。やはりiPhoneの方がより自然に色が仕上がるということですね。

文字入力:iPhone XS Maxの勝ち

ATOKなどフリック入力をすることが多い私ですが、P30 ProにはATOK Premiumまで入れているのにミスが非常に多くなります。特にフリック入力で、「ん」を入力しようとするとホームボタン的な入力をされたと勘違いされ、ホーム画面に戻ってしまうのは辟易とします(その後、ATOKのフロートキーボードで少し上に移動することでだいぶ解消しましたが、ゼロになったわけではありません)。

そして最初はこれは慣れの問題だと思っていたのですが、どうやらこれは慣れてもどうしても発生してしまう問題のようです。個人的な見解ですが、恐らくP30 Proの方が入力が非常にシビアすぎるのかもしれません。これはかつて、Windowsが杓子定規で、マウスのボタンを長押しするときにちょっとでもマウスが動くと長押しと判定されない、というようなシビアな設定になっていたのと似ています。その点、AppleiPhoneはファジーにできていて、人間の動きを先読みしているような感じさえします。恐らくディスプレイの反応速度や使い方をとてつもない大人数で徹底的に研究しているのではないかと思います。この辺は、iPhoneにまだ一日の長があり、Appleに軍配があがることになりそうです。

この欠点がある限り、字を打つことが多い私にはP30 Proをメインに使いたいとは思えない最大の問題となってしまいました。

■充電速度:専用アダプタとケーブルを使えばP30 Proが圧勝

以前のレビューにも書いたのですが、P30 Proの超急速充電は桁違いに速いです。なんと40Wというとんでもない高速充電に独自規格で対応。これはiPhoneは逆立ちしてもかないません。

いわゆる通常充電が5W、急速充電が10W、超急速充電が18Wといわれている中で、40W充電はほぼバケモノクラスのスペックといえます。iPhone XS Maxは後から購入しなければならないUSB-PD、或いはiPadに付属している12W充電器、またMacBookなどに付属しているアダプタでも充電可能ですが、最大12W程度でしか充電できません。

P30 Proは30分の充電で70%のバッテリーを充電できてしまうので、寝る前に充電忘れても全く問題はないレベルです。しかも70%もあればバッテリー容量が4100mAhと超大容量なので、十分長持ちします(iPhone XS Maxは3,179mAh)。ちなみにP30 Proの40W超急速充電のためには付属の専用充電器と充電ケーブルが必要です。それに対してiPhone XS Maxは、USB-PDを使えば30分で0〜50%程度には充電可能ですが、USB-PD機材(アダプタ+ケーブル)に別途出費が必要です。

iPhone XS Maxのような世界で最も値段が高い部類のスマートフォンに貧弱な5W充電器しか付属しないことを鑑みれば、明らかにP30 Proの方が良心的でしかも充電スペックは非常に優れています。充電面ではP30 Proの圧勝といえるでしょう。

■Wi-Fi5GHzを拾う範囲でHUAWEI P30 Proの勝ち

自宅で壁が多いもので色々な場所で比較実験をしてみましたが、壁を3枚以上挟むと、距離が離れていても5Gを拾うのはP30 ProiPhone XS Maxでは5Gを拾わないのに、P30 ProiPad ProMacBook Proは拾ったりします。iPhone XS Maxには何か問題があるのでしょうか?と疑うくらいに5GWi-Fiの受容が貧弱のような気がします。

顔認証:iPhone XS Maxの圧勝

P30 Proの顔認証については、ある程度明かりのある場所であればそれほど違和感なく解除できますが、光がない暗いところでは全く解除できません(「明るさが足りません」と表示されます)。これは、赤外線3Dセンサが着いていないためです(その代わり、iPhone XS Maxに比べノッチは圧倒的に小さくなっています。この辺りはバーターといえるでしょうね)。

というわけで、顔認証についてはiPhone X/XSシリーズ/XRの方が圧勝だと言えると思います。確かにAppleFace IDは他のメーカーの3年以上先に行っていると言っていただけのことはあります。そして次世代のiOS 13ではFace IDの認識速度が倍速となるということなので、ますますiPhoneのFace IDの優位性が際立つことになりそうです。

指紋認証:iPhoneの勝ち

P30 Proでは画面内での指紋認証が可能ですが、その精度は使ってみた限り私が長年使ってきたiPhoneのTouch IDよりは認識速度や精度において劣り、時々解除できないことがあります。

というわけで、P30 Proは顔認証+指紋認証で一人前といった感じがします。

■海外利用:P30 Proの勝ち

海外での利用について、実は中国大陸版のP30 Proは物理デュアルSIMによるDSDVに加え、更にeSIMを搭載していることがわかりました。つまり、3つの電話番号を1つのP30 Proで使えるということです。

そして海外での利用には、HUAWEIのSkyToneというアプリ+海外ローミングサービスを使用します。これがかなり安価で便利です。

私は先日ちょうど5日間タイに出張する用事があったので、現地のSIMも持っているのですが現地SIMはiPhone XS Maxに入れて、HUAWEI P30 ProはこのSkyToneでネットだけ使うことにしました。

SkyToneアプリを起動するとこんな画面になります。行き先の国を選択します。

タイを選択するとさすが仏教の国、なんだかカッコイイお坊さんの画像とパッケージが。ちょうど5日間のパッケージがあり、価格も元値の100元(約1560円)が半額の50元になっていたので、5日間でそれはなかなか安いと思って早速購入。

決済手段として、国際銀行カードがなぜか使えませんでした。恐らく中国発行のものしかダメかもしれません。日本と香港のVISA/Masterカードを複数枚試しましたが、全て弾かれました。しゃーないなー、ということでAlipay(支付宝)でやってみたら一発で決済できました。友人によるとAlipayも外国人アカウントだとアウトだったということですが、私は大丈夫でした。

購入するとこんな感じになります。購入してから1ヶ月間のうち、5日有効のようです。

使い方を見ると、なんと現地に降り立つだけで(現地キャリアの電波を拾うだけで)自動的にオンにする機能がありました。なんと便利な!その機能を事前にオンにし、移動してタイの空港に降り立ってみたところ。。左上にもう1つのSIMが現れ、3つのアンテナ表示に!そして勝手にネットに繋がりました。すごい。なんだか未来。

速度はこんなものでした。速くはないですが、タイだったら結構いい方ですし、動画バリバリ、3DレンダリングやVR/ARグリグリ動かすとかしなければ普通に使うには全然問題ないレベルです。

ちなみにデータは使い放題なのですが、24時間以内に500MBを超えると超低速モードになります。そのことはどこにも書いてなかった気がしますが、、どこかよくわからない規約にこそっと小さく書いてあるのかもしれません。タイのホテルのWi-Fiネットの調子が悪く、このサービスをテザリングでMacBook Proで使っていたらあっという間に使い果たして困りました。

低速モードになると速度はこんなものです。もう、SNSでテキストデータくらいしかやる気が起こりません。投げ捨てたくなるレベルです。

というわけで、2日目以降は500MB以下になるよう気をつけつつ使用しました。左上のSIM電波が3つ表示になるのがなかなか衝撃的でした!

決済などがApple SIMなどよりは複雑で、高速データは1日500MBという制限がありながらも、便利でしかも安かったのがよかったです。これは使えます。

もともとeSIMが入っていないiPhone XS Max 香港版 物理デュアルSIMデュアル待受(DSDS)版は比べることさえできませんが、日本版などeSIM版はこういうことができるのでしょうけど、Appleのはお高いイメージですね。

というわけで、個人的には価格とアプリケーションの使い勝手も含めここはP30 Proが勝っているのではないかと思います。iPhone XS/XS Max/XRのeSIMを使って海外飛び回っている人の意見も聞いてみたいところですが。

P30 ProはHUAWEIのAndroid機としては最後の世代=ベストチョイスになるかも

なお、先月の米国の政策に従った形でGoogleはHUAWEIの今後販売される端末に対してGoogle系のアプリの更新サービスを提供しないことを発表していますが、その発表以前に販売された端末については対象外となっています。

そんなわけで、HUAWEI P30 Proは記事更新現在全く問題なくUIやGoogle系のアプリが更新できています。純粋なGoogle OSをHUAWEIの端末で使いたい場合は、P30 Proがベストのチョイスということになりそうです。しかも、何よりもiPhone XS MaxよりもHUAWEI P30 Proの方が断然価格が安いのも、HUAWEIを推したい理由でもあります。iPhone XS Maxはあまりにも高すぎます。。512GBだと20万円ですからね。HUAWEI P30 Proのストレージ最小モデルですと10万円で、約半額です。この差は大きいです。

本日、HUAWEIは中国本国において、新しい独自OS「鴻蒙系統(Hongmeng OS、HMOS)」を正式発表しました(後で友人からの指摘があり、これはガセネタだそうです。まだ正式には発表されていません。失礼しました)。海外では「方舟OS(ARK OS)」と呼ばれることになりますが、今後GoogleもMicrosoftも5G世代のための複数プラットフォームに跨がる次世代OSをこれまでのOSとは名称も変える勢いで開発しており、そこにHUAWEIが果敢に参戦していくことになりそうです。

私は個人的にはAppleのエコシステムに完全に取り込まれていることもあり、Appleは独自の道を行っているのでメインはやはりiPhoneでしかあり得ないのですが、HUAWEI P30 Proはサブとしてはもったいなさ過ぎる性能を持ち合わせています。Androidに慣れている人にとっては、やはりHUAWEI P30 Proはイチオシといってもいいのではないかと思います。

記事は以上です。

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