中国には中国移動(China Mobile)、中国聯通(China Unicom)、中国電信(China Telecom)のいわゆる”三大キャリア”があり、それぞれがiPhoneをリリースしている。ただこの3社とも4GはTD-LTEで共通しているものの、3Gに関しては中国移動がTD-SCDMA、中国聯通がWCDMA、中国電信がCDMA2000とそれぞれ別の規格を導入している。
そして中国電信の4G TD-LTEは少々特殊で、4G LTEが出始めた頃のデバイス【iPhone 5s/5c】ではなぜか4Gが使えなかったりするのだ。そんな状態のiPhone 5s/5cをちょっといじって、中国電信の4GがiPhone 5s/5cでも使えるようになる方法を中国のiPhone修理屋のGeekBarが紹介しているので、当方は日本語に翻訳してわかりやすく紹介したい。
非常にマニアックでニッチな需要であるとは思うが。。
使用可能な機種
SIMフリー版 iPhone 5s/5c(モデル番号:A1533/A1453、A1532/A1456)
iOSバージョン要求
iOS9.0、iOS9.1、iOS 9.2、iOS9.2.1、iOS9.3 beta1〜beta4
※現状最新のiOS 9.3.1やiOS 9.3.0正式版には対応していないようなので要注意
その他特殊な要求
2014年9月中旬頃、Appleは中国電信版の中国国内版iPhone 5s/5cのA1533/A1532に制限をかけ、中国電信の3Gと4Gの両方のネットワークに接続できなくしている。ということで、以下の場合はこの方法は使えない。
- 中国電信版の中国国内版iPhone 5s/5cのA1533/A1532を2014年9月以降にアクティベートしたか、或いはDFUモードで復元してアクティベートした端末
更に、
- もともとCDMAに対応していないGSM版iPhone 5s/5c(モデル番号A1528/A1530)
をお使いの方も、以下の方法は使えないので要注意だ。
そして、あくまで全て”自己責任”でお願いしたい。また私自身は中国電信を使っていないため、この方法は試していないので、質問は受け付けられない。
必要なデバイス
- iOSが要求通りで、モデル番号(背面に書いてある)が上記にないSIMフリーiPhone 5s/5c(iPhone 5s/5cではないデバイスではできないので要注意)
- 最新版iTunesを搭載したWindows PC或いはMac
- ipccファイル(当ブログのサーバからダウンロード):zipファイルなので解凍すると以下の2つのファイルが出てくるはず。
- ChinaTelecom_5s_nojb_24.0_iOS9.0~9.3beta4_goodbest_1.ipcc
- ChinaTelecom_5s_nojb_24.0_iOS9.0~9.3beta4_goodbest_2.ipcc
作業手順
Step 1. iTunesにipccファイルを追加することを許可させる
この操作は同じコンピュータであれば1回実行すればOK。ただ、iTunesを再インストールしたり、アップデートしたりするともう一度行う必要がある。
Windows 32ビット
コマンドプロンプト(Windows+R)で、以下のコマンドを入力する(最初のダブルクオーテーションも含む)。なお、iTunesのディレクトリはご自身でインストールした場所を指定すること。
"%ProgramFiles%\iTunes\iTunes.exe" /setPrefInt carrier-testing 1
もし上記でNGの場合は、以下のように、インストールしたドライブ名を追加する。
"C:\Program Files\iTunes\iTunes.exe" /setPrefInt carrier-testing 1
Windows 64ビット
コマンドプロンプト(Windows+R)で、以下のコマンドを入力する(最初のダブルクオーテーションも含む)。なお、iTunesのディレクトリはご自身でインストールした場所を指定すること。
"C:\Program Files\iTunes\iTunes.exe" /setPrefInt carrier-testing 1
もし上記でエラーが出る場合は、以下を試してみるといいかもしれない。
"C:\Program Files (x86)\iTunes\iTunes.exe" /setPrefInt carrier-testing 1
Mac OS X
ターミナルを開き、以下のコマンドを入力してreturnキーを押す。
defaults write com.apple.itunes carrier-testing -bool true
もし上記でダメなら、以下のコマンドを入力。
defaults write com.apple.iTunes carrier-testing -bool YES
▼こんな感じ。
Step 2. ipccファイルをiPhoneに書き込む
まずiTunesを開いて、中国電信の4Gを使いたいiPhoneを接続する。そしてWindowsではShiftキー、MacならOptionキーを押しながら、アップデートボタンをクリック。
ダイアログが出てきたら、Windows版の場合は右下のファイルの種類の選択ダイアログでipccを選ぶ(下図の通り)。
Mac版の場合は、特にファイルの種類を選ばなくても追加できるはず。
もし上記が選べないようだったら、Step 1からやり直す。
なお、インストールの順番は、
- ChinaTelecom_5s_nojb_24.0_iOS9.0~9.3beta4_goodbest_1.ipcc
- ChinaTelecom_5s_nojb_24.0_iOS9.0~9.3beta4_goodbest_2.ipcc
の順番だ。1→2なので逆にならないように。
Step 3. 再起動-データローミングオン
ipccファイルを書き込むとiPhone 5s/5cの左上の電波表示が”圏外””SIMなし”と表示されるが、心配せず、気にせずにiPhoneを再起動しよう。
再起動が終わったら、設定>モバイルデータ通信>ローミングをONにしよう。
そして、暫く待つと。。
このように中国電信3Gが中国電信4Gに変わるはず。
操作は以上だ。コンピュータの操作に慣れている人であれば、そんなに難しくはないと思う。
注意事項
これを行った後は、キャリアアップデートを行ってはいけない!!もしキャリアアップデートを行ってしまった場合は、上記のStep 2から繰り返してipccファイルをiPhoneに入れ込むこと。
実行はあくまで自己責任で!私自身は中国電信を使っていないため、この方法は試していないので、質問は受け付けられないし、何か不具合が起こっても当方は一切責任を負わないので要注意。
記事は以上。
(記事情報元:GeekBar)