台湾のサプライチェーンからの情報が豊富なテック系メディアDigitimesによると、Appleはサプライチェーンに対して、来年のiPhone 12の発注台数が1億台を超えるとの予測を伝えている、と報じられています。
今年2019年に販売された現行最新のiPhone 11/iPhone 11 Proシリーズは、約8000万台の販売が見込まれていることから、もし1億台となるとその販売需要が大幅に増加することを意味しているといえます。来年のiPhone 12に対する関心はひとえに次世代通信規格5Gによる「スーパーサイクル」によって支えられているといえますが、ここ数年来でハードウェアスペック上でも大幅なアップグレードがあること、また外観設計の変更があることが期待されています。
Digitimesが示した1億台という数字は、Appleがサプライチェーンのパートナーに、来年の生産ラインの準備を始めるために提示した予測数値に基づくものと思われますが、上半期よりも下半期の方が新規販売が25%増加するとしているその予測は、野心的なものといえましょう。ちなみにここ数年来、iPhone事業は-5%〜+5%の成長率で推移しています。
iPhone 12シリーズは、噂レベルですが、Qualcommの5G対応モデムチップを採用して5Gネットワークに対応、またAR機能用の新しいToF(Time of Flight)とよばれる背面カメラの3Dセンシングカメラシステムを追加、また外観設計をiPhone 4を彷彿とさせるような構造(サンドイッチ構造?)に変更するともいわれています。
アナリスト達は、5Gネットワークとキャリアインフラの急増によって、スマートフォンユーザがこぞって手元のスマートフォンをアップグレード(買い替え)することに広く期待しています。Androidでは既にいくつかのハイエンドバージョンで5G対応版をリリースしていますが、問題は5Gサービスそのものがまだ普及していないことから、まだまだ顧客の需要が少ないことが指摘されています。とあるアナリストのレポートでは、2019年末までに出荷された5Gスマートフォンユニットはわずか1500万台と予測されています。しかし同時に、来年2020年には、この数値は明らかに指数関数的に増加すると予想されているのです。
iPhoneでは、5Gを採用することでコストが上昇するため、これまでの新型発売後従来品の同価格或いは少し安く出すという慣例からは脱却するかもしれません。iPhone 11の販売開始価格はiPhone XRに比べ50ドル下がったことからも、今年まではその戦略があったことがわかりますが、来年のiPhone 12ではその慣例が崩される可能性がある、ということです。iPhone 12 ProシリーズがiPhone 11 Proシリーズよりもうんと高くなったら、果たして売れるのだろうか。。という予測をするには、まだまだ発売日までは遠すぎるのでなんともいえませんが。
ちなみにiPhone 12については、まだまだリークされた情報が少ないといえるでしょう。現行最新のiPhone 11シリーズについては、今年1月には既にトリプルレンズカメラシステムの非常に正確なレンダリング画像が出回ったことから、iPhone 12も来年1月以降何らかのリークが少しずつ出てくるのかもしれません。
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