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次世代iOS 13搭載のiPhoneでは香港のオクトパスカード(八達通)が追加可能に

Apple系ブログAta Distanceの情報によると、次世代iOSであるiOS 13を搭載したiPhoneでは、NFC機能として香港の交通カードのオクトパス(Octopus、八達通)カードがサポートされていることがiOS 13 beta版のコード分析及びApple Payのサーバ側リンク(そのリンクは現在は閉じられています) のJSONコードによって判明しました。

日本のSuicaと同様、香港のオクトパスカードも、NFCエクスプレスカードとして利用可能となるため、特にウォレットアプリなどを立ち上げずに、SuicaのようにiPhoneをNFCリーダに近づけるだけで使用できるようになるということです。

オクトパスカードは香港の交通カードですが、世界最初の交通+その他決済用の非接触決済カードとして各国に先駆けてデビューしたカードで、香港では99%の香港人が使っていて、700万人の人口のところ3300万枚が流通しているほど、日本のSuica以上に非接触決済手段として普及しており、iPhoneへの導入はiPhoneユーザとしてはかなり利便性があがることになりそうです。

というわけで、以下がApple Payサーバ側にあったコードです(現在はリンクそのものにアクセスできなくなっているようです)。

iPhoneで使えるようになるとなれば、当然Apple Watchの次世代OS、watchOS 6でも香港オクトパスカードが使えるようになるかどうかが焦点となりますが、上のApple Payサーバ側のコードでは最低必要なwatchOSバージョンが”999.0″となっているためなんともいえません。ただiOS 13がサポートすることになればwatchOS 6も当然合わせてくるのではないかと思われます。もしかしたら、watchOS 6の途中のバージョンアップで対応するかもしれませんし、最初から対応してくるかもしれません。

なお、香港のオクトパスカードは日本のSuicaと同様Felica規格に基づいて作られています。これまでは2017年以降のサムスンの端末のみオクトパスと独占決済契約をしていましたが、技術的にはiPhone 7以降のiPhoneデバイスとFelicaは互換性があるので使えるのは間違いなかったのです。そして今回iOS 13の登場でその牙城が崩されることになる可能性があります。というのも、サムスンの端末ではプラスチックのオクトパスカードの情報を一回取り込んでしまうとカードの方は使えなくなったり、一回仮想カードを作ってしまうとそれを動かせなくなりますが、AppleのiPhoneではSuicaと同様、バックグラウンドにデータを保存することができるようになるなど、よりユーザフレンドリーになるからです。

「Felica」は当初ソニー(SONY)がRFIDチップソリューションとして開発していたもので、後にNTTドコモ(docomo)の協力があって携帯電話用に転用されるようになりました。その「Mobile FeliCa」は、iPhoneおよびApple WatchにおけるAppleのNFC Type-F実装の基盤として機能しており、その結果2016年に日本のSuicaモバイル交通カードとApple Payの統合を実現しました。

Ata Distanceによれば、香港オクトパスカードのApple PayデバイスプロファイルはSuicaのプロファイルと同様、ウォレットアプリを香港や日本に切り替えなくても新しいカードを生成したり管理したりできるようになるということです。

香港オクトパスカードはiOS 13を搭載したiPhone 7/7 Plus以降販売モデルのiPhoneで使用できることになりそうで、日本のSuicaと同様の管理ができるようになりそうですが、日本版でできるようになるのか、または日本版以外が必要になるのかは不明です。なお、iPhone XS/XS Max/XRに搭載されているA12 BIONICチップによるNFC利用がそれ以前の機種よりも反応が遥かに速く、また低電力消費になっています(低電力になっても5時間以上Suicaが使えるように設計されています)。ちなみにiPhone Xの初期量産バージョンにはNFCチップに問題があり、日本ではSuicaでうまく改札が通れない問題が発生し、Appleは密かにRevision BのNFCを搭載したiPhone Xをリリースしたという過去がありますので、iPhone Xの初期ロットをお持ちの方は要注意です。

ちなみに私も香港に自分の会社がありよく行くのですが、オクトパスカードは香港内では本当に携帯が欠かせないほど便利です。私のオクトパスカードは、お隣の深圳の交通カード深圳通と一緒に入っている互通行というカードです(深圳側でしか売っていません)。ちょっと年季入ってます。。

他にも、これを忘れたときに現地で買った数枚。。笑

しかし今後iPhoneで使えるようになるなら、もう上のようなオクトパスカードの現物の携帯は必要なさそうですね。ただ、Suicaと同時に1つのiPhone上に登録できるのかどうかは、試してみないとわからないところですね。私のiPhone XS Maxは香港版ですので、オクトパスカードは使えるとは思いますが、香港関係者としてはiOS 13の登場が俄然楽しみになってきました。正式版が登場した暁には試してみたいと思います。

記事は以上です。

(記事情報元:Ata Distance

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