これは冗談でも何でもない!数日前、Googleの元社員だったSanmay Ved氏が、オンラインのGoogleドメインサービス機能で、なんとGoogle.comのドメインを12米ドル(約1,440円)で買ってしまったというのだ。
Google.comのドメイン名をたった12ドルで購買した男は、元Google社員だった
Sanmay Ved氏が数日前、Business Insiderに明かしたところによると、Googleに関するドメイン名を検索していたところ、Googleのオンラインでドメイン名を購買できる機能の中で、全てのGoogleに関するドメイン名は登録されてしまっていたが、なんとGoogle.comだけは登録されておらず、購入することができたという。そこでSanmay Ved氏はそれをショッピングカート(買い物かご)に入れ、そして決済を完了してしまった。
Sanmay Ved氏は「私は以前Googleで働いていました。ですから、私はGoogleにずっと注目していて、そのためGoogle.comと入力したのです。しかし驚いたことに、Google.comのドメインが使えるようになっていたのです!私はこれはバグに違いないと思ったのですが、実際に取引が完了してしまったのでした」と語っている。
Google.comの全てがコントロールできるウェブマスターに!
そしてこれだけでは終わらなかった。Sanmay Ved氏はGoogle.comを買った後、いつも使っているGoogleのコンソール画面上が切り替わり、Googleの各サイトに関する情報に切り替えられ、更にウェブマスターしか受け取れない内部メールまで受け取り始めたという。「私はとても怖くなりました。なんと1分以内に私はGoogle.comの全てのコントロール権を手に入れてしまったのです」とVed氏は当時を思い出して語った。
莫大な権力が逆に不安を呼ぶ?たった1分の天下に
Sanmay Ved氏の当時の心情は、恐らくATMでお金を引き出そうとしたときに、自分の銀行カードの残高に数十億円が突然入っていたときのような感じだったろうと思う。驚きと喜び以外に、これは恐ろしいことになったという気持ちも入り交じっただろう。
ということで、Sanmay Ved氏はすぐにGoogleのセキュリティチームにこのことを連絡し、またそれまでの取引も全てスクリーンショットをとっておいたためそれを送ったという。そして1分後にGoogleはその取引を停止し、12ドルを彼に払い戻したという。これでSanmay Ved氏は重荷から解き放たれた。Ved氏は「そんなわけで、私はGoogleのウェブマスターになったことがあるんだよ」と冗談を飛ばす。「少なくとも、今は私は他人に、私はGoogle.comを所有していた人だったと言えるんだよ。たった1分間のことだったけどね」
その後Googleの公式発表では特に大きな異常は見つからなかったという。原因は恐らくGoogle.comのドメイン名がタイミング良く更新されなかったか、システムにバグが発生したかのどちらかだとのことだ。
実はGoogleだけじゃなかった。みんなが知っているあの企業も。。
Googleがこのようなミスを犯すことは不思議に思えるかもしれないが、実は他のITの巨頭も同じようなミスをしている。12年前の2003年、マイクロソフト(Microsoft)もかつて”Hotmail.co.uk”のドメイン名を失っており、他人に買われてしまったという。マイクロソフトはその購買した人に買い戻しを要求するしかなかった。
12ドルでGoogle.comが購入できてしまったことはとても不思議なことだ。Google.comは恐らく地球上で最も高いドメイン名だろう。毎日無数の人が訪れて、このGoogleを通じて世界中の情報にアクセスしているのだ。
なお、過去最も高い値がついたドメイン名は360.comで、これは中国のウイルス対策ソフトウェアのメーカー360がボーダフォンから買い取った時の価格だ。360は1700万米ドル(約2億4千万円)を支払った。なお、それまではsex.comの1400万米ドル(約1億6800万円)が最高値だった。
画蛇添足 One more thing…
もし同じような状況になったら、あなたならどうするだろうか?
Ved氏はGoogleの元社員ということで良心が働いたのだろう。なんともまあ、いい人というか、悪くいえばお人好しというか。。Googleを相手取って交渉すれば、いくらかはとれただろうに。たぶん、しばらくは遊んで暮らせるくらいのお金が。。
いずれにせよ、Googleにとって、ドメイン名更新忘れだとしたらあまりにも間抜けだし、バグだったとしてもお粗末な話。私も自分のドメイン名(当ブログのxiaolongchakan.com以外にもいくつか持っている)の更新が問題ないか、もう一度確認してみた。結果、自動更新になっていることがわかってほっとした。個人でも企業でも、ドメイン管理をされている皆さんは再チェックをしたりして気をつけられた方がいいのではないだろうか。
世の中は今回のVed氏のようないい人ばかりではないのだから。。
記事は以上。
(記事情報元:Business Insider)