米国特許商標庁(USPTO、The U.S. Patent and Trademark Office)は本日、Appleが出願していた53の特許を公式にAppleが取得したことを公表しました。その中でも特筆すべきは、iDevice(iPhone/iPad/iPod Touch)で音声がディスプレイを透過する技術の特許です。他にも2つの意匠特許も取得されています。
今回取得された特許の中には、物理的なタッチなしにiDeviceをコントロールする技術があり、これは脳疾患などを抱えた人でもスマートフォンやタブレットが扱えるようになるという画期的な技術のようです。他にもApple Car或いは無人運転システムなどに影響しそうな、駐車中のイベントを検出する技術や、バーチャルGPUに関する技術、そして電子デバイスへのシームレスな統一されたハウジングなどが取得されています。
そんな中でも特に注目すべき特許は「ディスプレイに開口部があるiDevice」です。
Appleが今回新たに特許を取得したのは、1つ或いは複数の開口部(穴)を開けられたiDevice用ディスプレイで、その開口部によってマイク、カメラのセンサーやスピーカーなどの機能がディスプレイ上で実現するということです。
なお、同様の技術はCES 2017でSONYが”アコースティックサーフェス(Acoustic Surface)”技術を搭載した有機ELディスプレイのリリース発表をしており、Appleの特許とは被るところがあります。もしSONYがXperiaシリーズにこの技術を用いようとした場合、Appleの特許に抵触する可能性があります。もちろんSONYも特許をとっていることとは思いますが、どちらが先なのか、また今後特許関係でAppleとSONYがもめることがないのか、ちょっと心配になります。
Appleが取得した「ディスプレイに開口部があるiDevice」の特許番号は10,121,831で、2017年第4四半期に出願され、そして本日USPTOによって取得が発表されました。
これによって、現行のiPhone XS/XS Max/XR/Xにあるノッチ問題の解決が可能になる上、側面のマイクやスピーカーをディスプレイ側に移すことでデバイスの更なる薄型化が可能になると思われます。またこの特許はVR/ARヘッドアップディスプレイなどにも応用できるため、現在Appleが開発していると噂されているARヘッドセットなどにも用いられるかもしれません。
ただ、Appleも取得した特許を必ず製品に用いるとは限らないため、本日取得された53の特許がいつ、どのデバイスに用いられるかは不明です。
記事は以上です。
(記事情報元:Patently Apple)