Appleは中国のApp Storeから、RSSフィードリーダーアプリを2つ削除しました。削除されたのはFiery FeedとReederで、どちらもそれぞれの公式の発表によって判明しています。どちらも中国で”違法”とされているコンテンツをめぐって削除されたと主張しています。
Fiery FeedとReederが中国App Storeで規制されたことを表明
Reederは以下の通りTwitterで発表しています。
Same here. Reeder 4 (iOS) was also removed from the Chinese App Store. https://t.co/95aXs4MaEh
— Reeder (@reederapp) September 29, 2020
またFiery Feedも、かつて2017年にAppleの中国のApp Storeからダウンロードが禁止され、4月に中国からサービスへのアクセス全体が規制されたRSSフィードリーダーアプリ、Inoreaderの3年前のツイートを引用して中国のApp Storeでダウンロードができなくなったことを表明しています。
I received the same message today. Fiery Feeds Is now no longer available on the Chinese App Store as well. https://t.co/3VFQKx2O1R
— Fiery Feeds (@FieryFeeds) September 28, 2020
Inoreaderの3年前のツイートは以下の通りです。
We received notice from @Apple that our app is removed from the Chinese @AppStore. Free news apps in China will follow VPN's fate it seems. pic.twitter.com/5Dmo4BOKoE
— Inoreader (@Inoreader) October 23, 2017
なぜこの2つのアプリは泳がされていたのか。。
Appleは販売する地元の法律を遵守することを明らかにしているため、この行動は自然なものといえそうです。
ただ、なぜApple(というより中国当局)が3年前にInoreaderのみをブロックし、他の2つを3年間泳がせていたのかについては不明ですが、いずれにせよこの2つのアプリが中国のGFW(Great FireWall)と呼ばれる巨大なファイアウォールの検閲を避けながら、規制対象のニュースソースからデータを引っ張ってくることができていたのは間違いありません。
Appleの中国政府からの要求に何でも応じる姿勢には投資家や人権活動家からの批判も
このようなAppleの中国との関係や北京政府の要求に何でも応じているような傾向について、投資家や人権活動家からはAppleに対する圧力が高まっています。例えば昨年、Appleは中国のApp Storeからニュースアプリ「Quartz」のアプリを削除しました。これは、中国国内では違法なコンテンツが含まれているという中国政府からの苦情を受けたためです。ちなみにこのアプリは、当時の香港雨傘運動の抗議行動を報道していたことで知られています。
Appleはまた、行政機関からの規制により、中国のApp Storeから多くのVPNアプリを削除することを余儀なくされています(当方が運営している1coinVPNで使用を推奨している”ShadowRocket”や”Quantumult”や”Potatso”などのアプリも全て規制・削除されていて、ダウンロードができない状態です)。他にも、WhatsApp、Facebook、Snapchat、Twitter、Instagram、Telegram、LINE、New York Timesなどの海外では非常にポピュラーなSNSやニュース系アプリも中国のApp Storeからはダウンロードできません。
今月初め、Appleは「情報と表現の自由」を約束する人権ポリシー文書を発表しました。これは、北京政府への過度の敬意を示し、中国の検閲要求に応じるとされていることから、投資家から批判を受けています。
それでも、中国(大中華圏)での売上げはやはりApple全体の業績に大きい影響を与えるため、中国政府からApple製品やサービスそのものがBANされない努力は、利益を追求する民営企業のAppleにとっては必要であることは間違いありません。それは投資家にとっても同じはずです。投資家達ももう少しそのあたりの事情は考慮した方がいいのかもしれません。
記事は以上です。
(記事情報元:MacRumors)