Appleは本日未明、Macシリーズ用のOS「macOS Catalina 10.15.5」をリリースしました。この「macOS Catalina 10.15.5」から、MacBookのバッテリーの耐用年数(寿命)を延ばすことが図られた「バッテリー状態管理」機能が追加されています。
macOS Catalina 10.15.5アップデートのリリースノート
AppleのmacOS Catalina 10.15.5アップデートに関するリリースノートは以下の通りです。
macOS Catalina 10.15.5アップデート
macOS Catalina 10.15.5では、ノートブックの“省エネルギー”設定にバッテリーの状態管理機能が追加されるほか、グループFaceTime通話で発言中の人のビデオタイルを自動的に目立たせる機能を制御するオプション、およびPro Display XDRに搭載されている補正機能を微調整するためのコントロールが導入されます。このアップデートを適用すると、Macの安定性、信頼性、およびセキュリティも向上します。
バッテリーの状態管理
- Macノートブックのバッテリー寿命を最大限に延ばすのに役立つ、バッテリーの状態管理機能を追加
- “省エネルギー”環境設定パネルにバッテリーの状態が表示され、必要な場合はバッテリーの修理サービスが推奨されます
- バッテリーの状態管理を無効にするオプションを追加
詳しくは、次のWebサイトをご覧ください: https://support.apple.com/kb/HT211094
FaceTimeの“自動的に目立たせる”設定
- グループFaceTime通話で自動的に目立たせる機能を制御できるオプションを追加。参加者が発言したときにビデオのタイルサイズが変わらないようにすることができます
Pro Display XDRの補正の微調整
- Pro Display XDRに搭載されている補正機能を微調整するためのコントロールを追加。ホワイトポイントと輝度を調整することにより、独自のディスプレイ補正目標値に正確に一致させることができます
このアップデートにはバグ修正およびその他の改善も含まれています。
- “リマインダー”で繰り返しのリマインダーの通知が送信されないことがある問題を修正
- ログイン画面でパスワードを入力できないことがある問題に対処
- アップデートのインストール後にも“システム環境設定”の通知バッジが消えない問題を修正
- ビデオ会議アプリケーションの使用後に内蔵カメラを使おうとすると内蔵カメラが検出されないことがある問題を解決
- Apple T2セキュリティチップを搭載したMacコンピュータで、内蔵スピーカーが“サウンド” 環境設定にサウンド出力デバイスとして表示されないことがある問題に対処
- Macがスリープ状態のときにiCloudフォトライブラリからメディアファイルをアップロードおよびダウンロードする際の安定性の問題を修正
- RAIDボリュームに大容量のデータを転送するときの安定性の問題を解決
- “アクセシビリティ”環境設定で“視差効果を減らす”設定をオンにしていても、FaceTimeグループ通話でアニメーションの動作速度が遅くならない問題を修正
一部の機能は地域やAppleデバイスによっては利用できないことがあります。
このアップデートについて詳しくは、以下のWebサイトをご覧ください: https://support.apple.com/kb/HT210642
バッテリー状態管理機能とは
Apple公式サイトの「Mac ノートブックのバッテリーの状態管理について」によると、以下のような説明がなされています。
バッテリーの状態管理の仕組み
macOS 10.15.5 のバッテリー状態管理は、化学的経年劣化の進行を遅らせて、バッテリーの耐用年数を延ばすことを狙いとした機能です。バッテリーの温度の履歴や充電バターンを観察して、その目的を果たします。
バッテリー状態管理のモード中は、収集した測定値に基づいて、バッテリーの最大充電量が抑えられる場合があります。これは、バッテリーが日頃の利用状況に即して最適な量だけ充電されるように適宜行われるもので、バッテリーの損耗を抑え、化学的経年劣化を遅らせます。
赤い字はApple公式サイトでの誤字発見です。。Appleの誤植はなかなか珍しい「パターン」ですw 充電しててバターンと倒れないようにバッテリー管理、ってことでしょうかw しかしパとバを打ち間違えるとは。。なんなんでしょうね。OCRのミスでしょうか?うちのサイトの方が誤字が多そうなので、人のことはいえませんが。。一応魚拓を。
毎回のバッテリー持続時間をできるだけ長く持たせたい人はオフにした方がいいかも
しかし、Appleによると以下のような説明が追加されています。
バッテリーの状態管理には、バッテリーを長持ちさせるというメリットがありますが、充電量が制限されている場合には、バッテリーの充電 1 回分で Mac を実行できる時間が短くなる可能性も併せ持ちます。Mac ノートブックを次に充電するまで極力長い時間持たせることが最優先なら、この機能を無効にしておくことができます。
ということで、毎回外出の際に充電ができない状態で使用するシチュエーションで、どうしても1回のバッテリーの持続時間を長く持たせたい場合は、今回追加されたバッテリー状態管理機能は「バッテリーの最大充電量が抑えられることがある」とされていますので、それを無効にしないとバッテリーを最大限に使用できないことになるので、無効にした方がよいということになります。
実際には、左上のアップルロゴ>システム環境設定>省エネルギー>【バッテリーの状態】という新しい管理メニューに入り、【バッテリーの状態管理】のチェックボックスをオフにすることで機能を無効にすることができます。
しかしそういう人に限ってバッテリー寿命は長い方がいいと思われますので、正直かなり矛盾した機能だなとは思います。私自身は最近コロナ禍によって自宅でMacBook Proを使うことが圧倒的に多く、正直Mac miniがiMacでよかったかなと思えるほどバッテリーを使用していません。たまに出かけるときもありますが。。そこまで外の充電できない環境下で長く使うこともありません。そういう人にとっては、もともとバッテリー寿命もあまり関係ないような気もします。
iOSと同時にアップデートがリリースされなかった珍しい例
先日iOS 13.5がリリースされましたが、大抵iOSがアップデートされるタイミングでmacOSもアップデートされるのですが、前回はそれがありませんでした(macOS以外のOSは軒並みアップデートされました)。
今回は、macOSのみ単独でアップデートがリリースされた形になり、これは比較的珍しい例ではないかと思います。何か事情があったのでしょうか。
いずれにせよ、macOS Catalina 10.15.5ではバッテリーの状態管理以外にも様々なバグ修正が行われていますので、特殊な事情でもない限りアップデートすることをお勧めします。
記事は以上です。